2017年現在の8ミリフィルム状況

2014年使える8ミリフィルム

2014年現在の8ミリフィルムという記事から3年経った2017年、今年1月にエクタクロームの復活がコダックから発表されました。2017年度の第3四半期にエクタクロームをリリースすると言っております。

クラウドファンディングでカラーリバーサルフィルムを製造するとお金を集めたイタリアのFerrania(フェッラーニア)は、未だ工場設備の調整中です。モノクロフィルムをリリースすることにはなってますが、そもそものカラーリバーサルフィルムがさっぱり。

そして、数少ない映画用カラーリバーサルフィルムとして活用されてたAgfaのAgfa Aviphot 200Dは2015年に生産終了してます。

というわけで、前回の記事から3年経ってさらに厳しいです。
フレッシュな映画用カラーリバーサルフィルムがない状況が続いてます。

写真用フィルムを加工した映画用フィルムを積極的にリリースしてたドイツのヴィットナー(Wittner)が弱体化。

レトロ通販がフィルムのパーフォレーション空け機材を導入。富士フイルムのPROVIAを加工したフィルムをリリースしていますが大変高価です。

モノクロフィルムはラインアップ変わらず、各メーカーから相変わらずリリースされています。
コダックのカラーネガフィルムのラインアップも変わりません。

カラーリバーサルフィルムだけがどうも進展しない。
発表済みだけに、コダックの動きに期待したいところです。

■スーパー8フィルム商品

スーパー8はコダックの純正商品が製造販売されています。
ラインアップの、モノクロリバーサルフィルム1種と、カラーネガフィルム3種は数年前から固定されたラインナップですが、前述の通り、エクタクロームを復活させるとコダックが宣言しているので、大いに期待したいところです。

一方、中小の企業が写真用のフィルム原反を映画用フィルムに加工してる製品は数多くありますが、肝心の加工前のフィルムの種類が増えてないのでラインアップは微動したていどです。

コダック純正
コダック トライX(Tri-X)リバーサルモノクロフィルム
コダック ヴィジョン3 50D(Vision-3 50D)カラーネガフィルム
コダック ヴィジョン3 200T(Vision-3 200T)カラーネガフィルム
コダック ヴィジョン3 500T(Vision-3 500T)カラーネガフィルム
※2017年第三四半期にエクタクローム復活予定

ドイツ・ヴィットナー製(Wittner)


Wittner Pan R100 モノクロリバーサルフィルム(中身はFomapan R100)
Wittner B&W UN54 モノクロリバーサルフィルム(中身はOrwo UN54)
Wittner Konfekt Velvia 100 カラーリバーサルフィルム(中身はベルビア100)
Wittner Chrome 100D カラーリバーサルフィルム(中身はエクタクローム100D)

Wittner B&W N74 モノクロネガフィルム(中身はOrwo N74)
Wittner B&W PXR50 モノクロリバーサルフィルム(中身はたぶんPlus-X)

Wittner ORWO N74 Plus モノクロネガフィルム
Wittner Chrome 200D カラーリバーサルフィルム(中身はAGFA Aviphot 200D)

ドイツ・GK Films製 http://www.gkfilm.de/ http://www.cinevia.eu/


ADOX PAN-X100 モノクロリバーサルフィルム
Cinevia カラーリバーサルフィルム(中身のベルビア50Dが生産終了なのでぼちぼち在庫がなくなるはず)

アメリカ・PRO8製


Pro8/03 カラーネガフィルム(中身はVision-3 50D)
Pro8/07 カラーネガフィルム(中身はVISION-3 250D)
Pro8/46 カラーネガフィルム(中身はエテルナ VIVID 250D)
Pro8/47 カラーネガフィルム(中身はエテルナ VIVID 500T)
Pro8/13 カラーネガフィルム(中身はVision-3 200T)
Pro8/19 カラーネガフィルム(中身はVision-3 500T)
Pro8/22 カラーネガフィルム(中身はF-64D)
Pro843 カラーネガフィルム(中身はエテルナVIVIDだからこまめに在庫等確認した方がいいす
Pro8/92 カラーネガフィルム(中身はリアラ500D)

Super8/66 モノクロリバーサルフィルム(中身はTri-X)
Super8/88 カラーリバーサルフィルム(中身はAgfa Aviphot 200D)

プロ8社のYouTubeチャンネルはこちら。
http://www.youtube.com/user/pro8mm

また、マガジンに入れていないタイプのスーパー8規格フィルムも販売されています。
(ごく一部の特殊なカメラで使うか、または自分でマガジンにロードして使うなど)

■シングル-8フィルム商品

…富士フイルム純正商品はすでに存在しません。現像処理も終了しています。
残っているフィルムは、富士フイルム以外のごく限られた現像所、または海外の現像所、そして自家現像処理ができます。

サウンドトラックはありませんし、アフレコ仕上げできる業者もありません。

サードパーティ製商品もありますが、シングル-8マガジンに不向きな分厚いフィルムベースを採用したモノもあり、使用には注意が必要です。

レトロ通販製
Agfa 200 Single-8 カラーリバーサルフィルム(中身はAGFA Aviphot 200D)
Fujichrome 64T Professional Single-8カラーリバーサルフィルム(中身はフジクローム64T)
Astia 100F Single-8 カラーリバーサルフィルム(中身は富士アスティア100F)
Retro-X Single-8 モノクロリバーサルフィルム(中身不明)
シネビア100D(中身は富士アスティア100)

■ダブル8(レギュラー8)商品

ダブル8は1932年の誕生以来、一度も生フィルムがなくなったことはありません。
また、現在でもダブル8は、フィルムメーカー純正の商品があります。メーカーはFOMA。スチル写真用で知る人もいる、チェコのメーカーのモノクロフィルムです。

そのほか、上記のスーパー8やシングル-8のサードパーティ製品と同様に、スチル用フィルムを加工したものが多数発売されています。マガジンに入っていない分だけ、撮影時のトラブルは少なめです。

FOMA Fomapan R100 モノクロリバーサルフィルム
100フィート版
Wittner Chrome 100D カラーリバーサルフィルム(中身はエクタクローム100D)
25フィート/100フィート版
Wittner Chrome 200D カラーリバーサルフィルム(中身はAGFA Aviphot 200D)
25フィート/100フィート/400フィート版
Wittner TXR 200 モノクロリバーサルフィルム(中身はTri-X)
25フィート/100フィート
Wittner B&W UN54 モノクロリバーサルフィルム(中身はOrwo UN54)
25フィート/100フィート/400フィート版

■ダブル(ラン)スーパー8商品

FOMA Fomapan R100 モノクロリバーサルフィルム
33フィート/100フィート版

8ミリフィルム専用現像機で30年前のシングル-8フィルムを現像してみた-その4-

1988年に使用期限切れのシングル-8フィルム「FUJICHROME R25 SOUND」の現像結果は…

ちなみにリールはTAYLOREEL製。

もう一度おさらいしておくと、

テスト状況
・1988年9月に使用期限切れのFUJICHROME R25 Sound
・30年前から開封済み。最長30年間空気に触れてた
・途中まで撮影されていたので、追加撮影した
・追加撮影カメラはFUJICA ZX550 Sound。

チェック項目
・30年前のフィルムを現像したら画が出るか?色が出るか?
・既撮影箇所と、追加撮影した部分で違いが出るか?
・このカメラは今でも同録できるか?

現像薬剤 TETENAL COLORTEC E-6 3-BATH KIT
現像機材 Super8 Daylight Tank(=インスタゲン現像機)
現像手順(予定)
1.ドライウェル 3分
2.ファースト現像 6分
3.水洗 4回
4.カラー現像 4分
5.水洗 4回
6.漂白 4分
7.安定 5分

実際の行程(実際)
1.ドライウェル 4分ぐらいかかった
2.ファースト現像 7分ぐらい/現像液を十分に入れなかった
3.水洗 5回以上
4.カラー現像 4分
5.水洗 4回
6.漂白 4分
7.安定 5分

と言ったぐだぐだな行程で仕上がったのは…

ほのかにピンクだけど、とても透明なフィルム!

30年前に撮影された部分と、2017年4月16日に撮影された部分は、うっすら濃度が異なる
30年前の撮影部分はまったく像が見えない。
追加撮影部分は電車から外を撮ったところ…つまり絞り開放状態で屋外がピーカンで白飛び起こすような露光状況でかろうじて何か写ってるな…と言う程度。

コマを抜いてもまったくわからないため割愛します。

ファースト時で、現像液がタンク内に足りていないことを現像所の所長さんから指摘された。
後から継ぎ足すが、タンクが傾いていたために注いでもあふれてしまう。

そう、インスタゲン現像機は水平なところでないと作業できないのです。ここが最大のミス。

パーフォレーションの上に磁気帯があるのでわかりにくいだろうが、パーフォレーションの間が現像されていないようだ。本来、未露光で黒く残る箇所だが他の箇所も透き通ってしまってるところから考えるに、これは未現像だと考えられそうだ。つまり、現像液が触れてなかったようだ。

拡大してみてみる。マイネッテS-5エディタの画面でわかりにくいが、左側の帯が上記の未現像部分。中央は乳剤面が割れてはがれてしまってるところ。既撮影部分はこのように乳剤が割れてしまってるところが散見された。

指さしている部分から濃度が変わってるのがおわかりいただけただろうか。左側が追加撮影部分だ。

この辺りも、パーフォレーションから上が未現像のまま。(未露光の可能性もないわけではない)

未現像領域が太くなる。普通はここまで黒い部分は画面領域まで食い込んでこない。つまり現像出来てない。

エディタ画面では、はっきりと左側に黒い縦帯が入ってしまう。

うーん、いろいろと失敗しています。
インスタゲン現像機で現像するためには、下記の2点は必須で、

・水平な場所にインスタゲン現像機を置いて作業する
・現像液は十分に、しかも速やかにタンク内に注入し、速やかに排出する

そして、ボトル式の現像タンクとは、攪拌時間とか反応時間とかが違うかも知れない。

薄いピンク色で透き通っちゃったのは、フィルムが古いせいなのかワタシの作業がまずいのか分からない。だから、

・新しいフィルムでテストしてデータをとる

この作業が必要。

当家には1987年から開封済みのフィルムだってあるのだ…

それどころかシングル-8はまだこれだけ手元にあるのさ…ほとんどが90年代のストックで2000年代のフィルムは10本ぐらい。

しかし、この件を書いたところ、トルコから「80年代のフィルムなんてオレにとってはFresh Stockだ!」と少し変わった勇気をくださる人が出てきた。

また、古いフィルムはカラー現像をあきらめてモノクロネガフィルムとして使えばよいと、大西健児さんに以前から示唆頂いてる。やはり80年代のフィルムはもう厳しいのはわかってるのだ。

古いフィルムは用途を考えて楽しみたい。
新しいフィルムは国内外の現像所で適切に処理したい。

まだまだ試すことありそうですが、次回はもっと丁寧にやりましょう。

8ミリフィルム専用現像機で30年前のシングル-8フィルムを現像してみた-その3-

ガレージに見えますが現像所のはずです。

現像の仕方が書いてありますから、間違いありません、ここが世田谷の現像所です。

現像所と分かれば後は現像するのみ。さっそく撮影済みのFUJICHOME R25 SOUNDを抜き出して、インスタゲン現像機に装填します。

※写真のたこ焼きや金麦、一番搾りは現像には使用しません

すごく割愛しますが、現像はカラーリバーサルフィルムの標準処方であるE-6の互換処方でおなじみの、TETANAL COLORTEC E-6 3-BATH KITを使ってます。

他の現像体験者さんたちを横目に、いろんな現像液を入れたり出したり水洗したりを繰り返します。

 

そうそう、汎用タンクの場合の攪拌は、シェイカーみたいにふりふりしますが、

インスタゲン現像機はクランクを回して攪拌するのが違うのですよ。だから、軽くてらくちんです。思わず笑みが出ます。でも、そもそもこれでちゃんと現像出来るかどうかはわかんない。

もうフタを開けても大丈夫。キレイに巻き取れてるでしょう?練習の成果です。もう巻き巻きは大丈夫です。

ここまで分かったことをまとめますと…

■インスタゲン現像機で作業する弱点は…

1.水平なところでないと液が吹きこぼれる
2.現像液の口が小さくて、液の出し入れがしにくい

そして、ボトル現像と比べて、インスタゲン現像機を使ったときの利点を想像すると。

■インスタゲン現像機で作業する利点は…

1.フィルムの重なりによる未現像がないのではないか?
2.ぐちゃぐちゃにしないからフィルムのダメージが少ないのではないか?

というところ。ボトル現像にはときどき、これらの不具合があるのです。

作業は続きます。ここからは日中作業です。シングル-8フィルムはハレーション防止層=バックコート=バッキング=Rem Jetががっちりベース面に塗られてますのでこれを現像用スポンジでぬぐいます。すごくメンドクサイです。

洗った後に最後の処理。

乳剤面が上になるようにハンガーに掛けて乾燥します。

現像体験者があとからあとからやってきます。いつしか夜になりました…

そして、現像体験参加者は入れ替わり立ち替わり、夜になってもどんどんやってきて…

…終わりが見えません。そしてチェコのお客様まで登場で大混乱。

これではらちがあきません。上映会のために、フィルムをドライヤーで急速乾燥します。 

 

天井から、半透過スクリーンを垂らします。裏側からELMO GS-1200で映写スタート。現像所が屋外映画館に早変わりです。

裏側からなので左右は反転しちゃってます。

 

ネガフィルムを持ち込んだ人もいました。なかなかトリッキーな映像でしたね。

自家現像パーティはこれにて終了。さて、果たしてワタクシの1988年期限切れのシングル-8はどうだったのか…

 

8ミリフィルム専用現像機で30年前のシングル-8フィルムを現像してみた-その2-

8ミリフィルム専用現像機「インスタゲン現像機」のフィルムロード練習は完了。
お題の第2ステップ、30年前のシングル-8フィルムが果たして使えるか?にチャレンジ。

1988年に使用期限のシングル-8、 FUJICHROME R25 Sound。

しかもこれは、中古カメラ買ったら装填されてた奴。つまり、およそ30年間、空気にさらされてきた生フィルム。

おまけに撮影途中。まだ未撮影部分が残ってる。

こんなもん、まともに画が出るわけがない。でも、どれくらいダメなんですかね?真っ白?真っ黒?なんか見える?まったく見えない?

・29年前に撮影されてる部分は現像出来るか?
・新たに撮影した部分は現像出来るか?
・カメラはちゃんと録音できるかしら?

 

ワタシは同録フィルムがキライで1983年以来、人の撮影手伝い以外に自分では使ったことがない。34年ぶりの同録撮影であります。

次は三軒茶屋~次は三軒茶屋~。道々ちょっとずつ撮影します。

時々ガソリン補給します。

世田谷のとある路地に入ったらFUJICA ZC-1000で撮影してる人がいる。現像所はここに違いない。

ちょうどフィルムも終わった(なんて奇跡的なペース配分!)。さて、これからが第3ステップ。30年の歴史をひもとく現像作業にチャレンジ!

8ミリフィルム専用現像機で30年前のシングル-8フィルムを現像してみた-その1-

 

8ミリフィルム専用現像機=インスタゲン現像機を使ってみる

かつてはムービーフィルム用の自家現像タンクがいくつも売られていました。
その一つがこのインスタゲン現像機(元々は米国の”Super8Daylight Tank”)。

幅8ミリx長さ50ftフィルム用なので、スーパー8かシングル-8が現像出来ます。

日本で8ミリフィルムの自家現像にチャレンジする方の多くは、普通の写真用の汎用の現像タンクを使います。

海外だとLOMO UPB-1Aという真っ黒な土鍋現像機をよく見かけますね。これは8ミリ/16ミリ/35ミリも現像出来るなかなかタフな奴。

では、S8タイプフィルムの専用機であるインスタゲン現像機の使い勝手はどうなんだろう?

テキストはほとんど海外にもありません。これはもうチャレンジするしかないっす。

(玄光社 月刊小型映画1980年6月号より引用)

インスタゲン現像機は、フィルムをらせんの溝が掘られたスノコ状円盤に巻き巻きして、隙間に薬液を均等に流し込んで現像するという仕掛けで、上記のLOMO UPB-1Aと基本的な構造は同じ。

もちろん光は厳禁なので全部暗所で作業しないといけない。つまりは手探りだけでできるようにならないとダメ。

というわけで練習。まずは日中でテストフィルムを円盤に巻いてみます。

…うーん、なんだか釈然としません。
こんなに隙間がバラバラではダメだ。

均一に巻けてないと薬液がフィルムに均等に触れないよね?現像ムラを起こすはずだ。

やり直し!

…前半はキレイだが後半はダメ。指さしているところはフィルムが重なってしまってるから、ムラどころか未現像になってしまう。ダメ!ダメ!

再度トライ。試しに目をつぶって巻いてみると…

うわ…テッテ的にダメ。全部が芯に巻かれちゃってる。

どうしたらいいのかな…先ほどの数少ないテキストである、月刊小型映画1980年6月号のコピーをもう一度読み込むと、ここで使い方がそもそも2つ、間違ってることに気がつく。

 

どうやら写真左下のように、

○下のらせん円盤+透明の上円盤を組み合わせた状態でフィルムを巻かないとダメ

○フィルムの巻き癖に逆らってらせん円盤の溝に巻き付けないとダメ

で、やってみると…これでしょう!この均等な隙間。コレでいいはず。

フィルムのおしりはサービスリールに巻き込まれていたところに強い折り癖が付いてる。ここはどうにもならないから巻き込んだら切っちゃうといいかもしれない。

巻き込み手順は分かった。あとはこれがダークバッグ内で作業できるように練習しよう。