『Re:play 1972/2015 「映像表現’72」展、再演』を見てきました。

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『Re:play 1972/2015 「映像表現’72」展、再演』
Re:play 1972/2015 Restaging “Expression in Film ’72”
を見て参りました。場所は東京・竹橋にある東京国立近代美術館。
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以下はチラシ。1972年10月、京都市美術館で『第五回現代の造形<映像表現’72>-もの、場、時間、空間-Equivalent Cinema』と言うタイトルで展覧会が催されたそうであります。

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当時の展示の記録写真が掲載されています。

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16人のアーティストによる複数の映像作品の同時展示というのは世界的にもきわめて先駆的だったそうです。

で、今回の2015の再演。この再演企画がスゴイのは1972年の展示を場の雰囲気から何からできる限り複製しちゃおうというところ。

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なんと、東京国立近代美術館の中に、当時の京都市美術館の展示スペースと同じ部屋を造ってます。

ものすごい労力ですコレは。部屋の中に部屋丸ごと造ったのですから。

復元された展示スペースの外側には、作家へのインタビュー映像や映写システムの設計図、当時のメディアによる本展示の評論などに加えて、今回の複製に使われた技術が事細かに記されている。

肝心の展示ですが、保存されている当時の8ミリや16ミリ、そしてビデオテープなどを複製して映写してます。

70枚の記録写真から、展示のしかけや使用機材まで綿密に割り出して、しかも映写されたフィルムやビデオはできる限り当時と同じか、近い方法で再現する…

フィルムの複製にはとても手間がかかったそうです。16mmはさておき、8ミリはかつてはデュープサービスもそれ用のフィルム(デュープ用のローコントラストフィルムやデュープ用のプリンターなど)や施設もありましたが、フィルムは今はなくサービスも稼働していない状態で、
結局、今回、その復元作業を担当した石川亮さんは、個人で再撮影と自家現像という手法を選び、8ミリのオリジナルに近づけています。

https://www.facebook.com/ryo84ishikawa/posts/879835518778787?pnref=story

さらに、当時の映像素材がないものは、機材だけの展示になっていました。

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そして11月14日には、再展示の苦労話、メイキング観点からのトークが行われました。

主任研究員の三輪健仁さんがMCで、トークは石川亮さん、今回は実験映画作家にして当フィルムセンターの技能補佐員と言う肩書きでのご登場。

フィルムのデュープに非常に手間がかかった旨。再撮影で色が合わない、生フィルムを見つけてくるのに手こずったなどの苦労話が語られました。

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これは展示に使われてるのと同型の8ミリ映写機。ELMO ST-180の改造版です。

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ランプからの廃熱効率を上げるためでしょうか、排気ファンが組み込まれています。

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ファンの左下には、ランプのON OFFスイッチを増設してあります。

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また、FUJICASCOPE SH10も会場においてありました。短いループでイベントタイトル画像を映写してました。

1972年元々のイベントはたった数日間だったけど、2015年版は2ヶ月にわたって行われるモノ。その間延々と上映し続けるのにはいろいろと無理がかかるようです。
たとえば、スーパー8のアセテートベースフィルムだと、リールにこすれて摩耗してしまうのですって。確かにフィルムの端がざらざらになっていました。

シングル-8のポリエスターベースは丈夫なので、ループで過酷に何度も映写されてもあまりダメージなく維持されているそうです。
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フィルムの価値を問う時に場と空間を再現するという試みはとてもユニークでした。ものすごい情報量で、とても一回では吸収しきれない展示でありました。

8ミリフィルム 映像インスタレーション ワークショップ2015レポート

 

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8ミリフィルム 映像インスタレーション ワークショップにお邪魔してきました。レポートしてみました。
※今回から映像も載っけてますが、不都合ありましたら消去致しますのでご連絡ください。

「武蔵野はらっぱ祭り」に併設してるこのワークショップは、武蔵野の林の中で、8ミリや16ミリの映像を映写して楽しもうというイベントであります。
このワークショップは10月の頭からスタートして、8ミリ映画の座学から撮影、現像、編集そして上映会までを全4回で経験していこうというもの。ワタシはいつも完成した作品の上映会だけ鑑賞しに行くのであります。上映会は10月31日と11月1日の二日間開催ですが11月1日のレポートです。

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武蔵野公園の横でやってる「はらっぱ祭り」の模様はこんな感じ。ライブやったり、売店では食べ物とかお酒売ってます。

harappa2015_03売店でビールを一本買いました。ぐびぐびぷはー。

お祭りを通り過ぎて、丘を超えて林の中に紛れ込むと、たくさんのスクリーンが張られて野外映写が展開されてます。
今年は昨年より出典が多い気がしますね!
harappa2015menuこの見取り図の右上の小高い山から撮ったのが、一枚目の写真です。

さて、個別の展示を見てみましょう。

[スローモーション16mmの展示 出展者不明]

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これは16ミリの展示。ずっと手でスクリーンを持って、スローモーション映写される映像を受け止めてた方がいました。カラフルな労作で映写にも身体張っておられます。(お名前伺い忘れました)

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この展示は16ミリ映写機にはめずらしく、スロー映写が出来る機種で行われてました。北辰にはこんな機種があるんですねえ。持ち主に聞いたら、8ミリ映写機のスロー映写機構と似て、フィルムの焼損防止用の熱避けフィルタがランプとフィルムの間に入り込んでくる構造になってるそうです。

[阿部知昌さんの展示?]

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白い傘の裏側に投影してた展示物。これは阿部知昌さんという方の作品かしら?あいにくワタクシが観たときにはフィルムは止まっちゃってました。
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映写機はサンキョウ デュアラックス1000。

[MADMAXのTシャツの展示・・・出展者不明]harappa2015_30

吊したTシャツをスクリーンにして投影してるものもありました。出展者どなたでしょうかねえ。

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こちらも映写機はサンキョウデュアラックス1000。映写レンズの前にミラーボールが取り付けられていて、投影された映像をいろんなところにバラバラに投影してました。手前の白いサービスリールは、おそらくループ映写用の滑車代わりでありましょう。

[二重投影の展示 出展者不明]

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映像が二重になってる展示がありました。ワンコとお子様がダブってます。
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ワンコとおねえさんがダブってます。
この二重映写の仕組みはこういうことです。ELMO ST-1200とELMO ST-800を一緒に投影してるのですね。

 

[ボールに投影の展示 佐野さんの展示?]
籐で編んだようなボールに投影してる展示がありました。見取り図だと佐野さんと言う方の展示のようです。
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[フィルムを削って造った荒々しい展示 石川さん出展]

石川亮さんが市販の8ミリパッケージソフトをその場で削って造ったものです。色の氾濫が愉しいです。

乳剤面(フィルムに塗られてる発色剤の面)をカッターでがりがり削り落として、映写機にかけて、ループになるようにフィルム頭とおしりを接合します。

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こんなに短いループでもちゃんと映写できるのですね!

[16mmのアニメ映像 末岡一郎さん出展?]

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16mmでキリル文字の字幕が入ったアニメ映像が流れてました。
ELMO 16-AA映写機の上に、白いお皿風のものがありますが、その上に巻かれたフィルムがループになってます。
この仕掛けの作り方からすると、末岡一郎さんの出展かしら…

[蚊帳に立体投影 阿部和浩さん出展]
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吊られた蚊帳に、映写機二台で花火を投影してます。映写機はELMO SP HI-DELUXEとSANKYO OMS-600。

蚊帳の中に入って観ると不思議な感じになるそうです。

[市販ソフト映写 出展者不明]harappa2015_35

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市販8ミリソフトの映写もありましたね。

[リール三つのループ映写 出展者不明]
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ELMO GPによるループ映写。

[展示いろいろ]

お写真撮ってきた出展物がまだあります。取材出来なかったので写真を並べます。

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[いろいろ]
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バックアップ用の予備映写機が本部にたくさんありました。
おなじみBell & Howell Filmosonic 498。EumigのOEMね。

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廃油で発電機を回してるのですね。

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本部。バックアップ機材とかおいてあります。

[まとめ]

今回展示が多いですが、モノクロフィルムがやっぱり多いですねえ。カラーリバーサルフィルムが高騰してるので撮りにくいのでしょうかね。ワークショップが用意した生フィルムがモノクロだったからでしょうかねえ。

カラーフィルムで撮れるようになるといいですねえ。

 

Sankyo EM-60XLを分解してみました

EM-60XLは、三協精機(現:日本電産サンキョー)のサイレントスーパー8カメラの最終型。軽くて、グリップが折りたたみできるので持ち運び楽ちんなのが利点。

ジャンクを廃棄する前にバラしてみました。

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いきなり、半解体状態で恐縮です。
前玉をはずして、操作側の銘板をはがしたところです。
※丁寧にはがさないと銘板は絶対に折れ曲がるので注意。

はがす際に、つまみやダイヤルは一切はずす必要ないです。

em60xl_inside_03目に付くネジをはずすだけで操作パネルが外れます。
わかりやすい設計でありがたいっす。

操作ダイヤルには、操作つまみが刺さる溝が用意されてます。
em60xl_inside_05前玉レンズを外した正面から。

ちなみに、前玉はずすとマクロ域でフォーカスを合わせる超広角レンズ専用カメラとして使えるのよね。
(この個体はレンズ奥のカビがひどいのでそんな使い方がそもそも出来ませんが)

レンズ上下の化粧板をはずしたところです。

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指さしてる、ボディ側のレンズのさらに内部が真っ白けカビ被害です。
ここをバラしたら私にはとても復旧出来ません。

em60xl_inside_08さて、もろもろねじ外していくと、ボディ前部がごそっと取れます。
銅板は内蔵85フィルタを出し入れするための機構です。
中央レンズにかぶってる黒いユニットの下は露出用の分光、上はファインダ用の分光経路ですね。

em60xl_inside_16ちなみにこちら側のレンズ白濁状況。

em60xl_inside_17ついでにファインダのカビ菌糸繁茂。

前後しますがフィルタの出し入れをチェック。
em60xl_inside_09これは何も力を加えていない状態。つまりフィルター解除キーを押し込んでいない状態。タングステンタイプフィルムをデイライトで使用するためにオレンジ色のフィルタがかかってます。

em60xl_inside_10 銅板レバーを押し下げる、つまりボディ上部のフィルター解除キーを押し込んだ状態にするとフィルタは外れます。

この機構は、フィルムカートリッジのタングステン/デイライトタイプ設定用の溝感知と連動してます。

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ボディ後部です。駆動モーターは下の歯車がた付いてる奴です。2枚羽根絞りはサーボモーターにくっついてます。サーボモーターの隣はファインダ光学系ですね。