期限切れ8ミリフィルムを何とか使う!自家現像ワークショップにお邪魔

2月21日、自家現像のワークショップにお邪魔してきました。

homedev_wokshop20160221s_14

三軒茶屋KENで行われた、『銀鉛画報会 FILMワークショップ2016@KEN』

kenfilmworkshop2016
今回のポイントは、期限切れの生8ミリフィルムを活用することであります。

homedev_wokshop20160221s_08

基本的にフィルムは生もの。フィルムに塗られてる薬品=乳剤は、時間が経つと劣化してしまって、元々の性能が発揮できなくなります。

カラーフィルムなら正しい色が出なくなったり、さらに劣化が進むと感光してもまったく絵が出なくなります。
多少の期限切れは大丈夫なのですが、今回のフィルムは極端に古いものもばかり。さて、どうやったら使えるのか?

講師は、大西健児さん。座学の後、撮影に行きます。

使ったフィルムは、

homedev_wokshop20160221s_10
左から、コダック Tri-X。これは使用期限内の奴。比較用ですね。

小西六 サクラクローム160 使用期限忘れましたが、そもそも80年代頭に生産終了してるんですから、30年ぐらい前です。

富士フイルム シングル-8 R25サウンド 使用期限1981年!35年前でこれが一番古い奴でした。かなりレッドゾーン。

富士フイルム シングル-8 RT200サウンド 使用期限聞き忘れました。

期限切れにもほどがあります。結果が思いやられるテストです。
【撮影隊】

大西健児さんをリーダーに、撮影隊3名+記録係のワタシの計5名。みんなカメラ持ってるから、すごく異様であります。
homedev_wokshop20160221s_03

注意としては、「古いフィルムは、露出開放で撮る」だそうです。
とにかく乳剤のチカラが落ちてるので光を必要とするわけですね。

暗い室内で撮った場合は、現像処理時間を延ばして調整するそうです。

homedev_wokshop20160221s_04 homedev_wokshop20160221s_05せっかく同時録音フィルムですので、電車撮ったりします。
ワタシも10ftぐらい撮らせてもらいました。
【古いフィルムの現像のつぼ】

座学でいろいろと大西健児さんから教わりましたが、こういう風にまとめられると思います。

[1]期限切れの古いカラーフィルムは、カラーリバーサル現像すると、緑一色で何も像が出ない。
(シングル-8 R25などを、TETENAL COLORTEC E-6互換三浴キットで処理した場合など)

ワタシの経験ですと、2-3年ぐらいの期限切れは大丈夫っす。それ以上だとなんとなーく色がおかしくなってきますね。10年以上になるとぼちぼち怪しくなってくる。

今回のフィルムは10年は超えて20年以上前のフィルム。とてもカラーで絵が出てくるとは思えないので、

[2]カラーフィルム→モノクロリバーサル現像してみる。
そうすると、カラーでは像が現れない古いフィルムでも、像が現れるそうだ。

さらに、5本のうち2本は35年ぐらい前の超超古いフィルム。モノクロリバーサル現像に耐えられず痛んじゃう危険性があるそうだ。
なぜならば、リバーサル現像は、ネガ現像の後に何工程もあるからだ。

そのため、
[3]カラーフィルム→モノクロのネガ現像してみる

もう、ここまで来ると像が出るか出ないか?の瀬戸際です。ネガ現像してみて絵が出ればラッキー!という域に入り込んじゃってます。

”大昔のフィルム現像します(※但しモノクロネガ像に限る)”というのは、このためなのですね。

とうぜん、映写したらネガ像。通常はテレシネしてビデオ作品で仕上げることになります。

フィルムは生もの。期限切れフィルムはやっぱり安心して撮れないのが大前提ですよ。

【さて!現像行程】

homedev_wokshop20160221s_26ということで、一番古い1981年期限切れフィルムはネガ現像します。

ネガ現像は、コダックのモノクロネガフィルム現像用のコダックD-76デベロッパー(現像剤)と、コダックフィクサー(定着剤)を使いまっす。
カメラ量販店でも売ってる、学校の写真部でも使っていたようなありふれた薬剤とのことです。

他のフィルムはすべてリバーサル現像。

homedev_wokshop20160221s_24モノクロリバーサル現像はとても行程が多くて、キケンな薬剤も使うので処方や行程は割愛します。(※写真はイメージ)

今回は、大西さんのお手本に従って、イケメン二人がチャレンジであります。

homedev_wokshop20160221s_16

ダークバックの中で、撮影済みのフィルムマガジンからフィルムを抜き出して、現像タンクの中に入れます。

homedev_wokshop20160221s_13
いろんな現像液とか定着液とかアレとかソレとか使って現像したり洗ったり何やらかんやらしますと…

homedev_wokshop20160221s_20

あら、こんな真っ白なフィルムになったりします。これは、第二次露光してる最中ですね。この真っ白けのフィルムがモノクロのフィルムになるんですから不思議です。

homedev_wokshop20160221s_18

いろいろ処理終わった後、像を確認してる体験者の方々。

【現像後の上映】

1980年代期限切れフジクロームR25サウンドをモノクロリバーサル現像。フォーカスが合ってないのはワタシのせいです。1980s_r25_reversal01

新堀ギターの看板の右上は現像ムラです。1980s_r25_reversal02

1980s_r25_reversal03

サウンドトラックは問題なく録音できています。

 

1981年期限切れのフジクロームR25サウンド。ネガ現像だと、こんな仕上がりでした。なんだかわかんないですね。

1981_r25_nega01

反転して、グレースケール仕上げにするとこんな感じです。

1981_r25_nega03

 

 

これは比較用。モノクロフィルムの現行商品、コダックTri-Xの現像です。もう少し長い時間、第1現像を粘った方が良かったそうです。
映写画面撮影ですのでフリッカーで絵柄暗くなってます。
2016_tri-x_reversal01

ワタシがずっこけてるのを見事とらえてます。

2016_tri-x_reversal02

「変な人たち!」と横目で観てたお嬢さんたち。2016_tri-x_reversal03

【今後の予定】
次は、3月21日と、4月17日に自家現像ワークショップを行うそうです。
コダックVISION3をクロスプロセスしてリバーサル仕上げする裏技テクニックも披露予定とのこと。

今後の予定は、三軒茶屋KENのサイトでご確認下さい。

【ご注意】
自家現像には、有害な薬品を使います。また、廃液も人体に有害です。本記事は自家現像をむやみに勧めるものではありません。
しかるべき手順を踏みながら細心の注意を持って作業をし、事後の適切な処理が出来る環境で初めてトライできるものだと思います。

8ミリフイルム撮影現像上映の「KENワークショップ2016」開催決定

東京・三軒茶屋で8ミリフィルムの撮影、現像、上映までを1日で行う「KENフィルムワークショップ」2016年版がいよいよスタートするそうです。
今回は、期限切れの劣化してるデッドストックの生フィルムを活用する作業工程の伝授がポイントということで、見逃せない講座になると思います。

kenfilmworkshop2016

■開催日
2月21日(日)/3月21日(月)/4月17日(日)
各日午後3時より(全行程 4時間程度で終了予定)

■料金
参加費2000円

■場所
KEN
(東京都世田谷区太子堂4-8-3 地下1階B102(ペットショップの地下です)http://www.kenawazu.com

以下、チラシ全文の転載です。
(※漢字表現は転記ミスありますが表現は原文に購っています)

GIGAZINE?なんだソレ?どうやらついに新時代の道楽玩具が登場するらしい、デジタルビデオとフィルムカメラのハイブリッド機種の発売だ。ここ20年来の低迷期を乗り越えて8ミリ映画史の再起動とならんや?
三軒茶屋KENに映像の秘密結社・銀鉛画報会が帰ってくる。ゆっくりと消滅する課程を歩み出していたフィルムメディアを取り巻く環境がなにやらおもしろい方向へ動き出したようなので、2月よりスタートする新たなフィルムワークショップでは、とは言いながらもまだまだサバイバル術を必要とするフィルム制作のウラ技術講座2016年度版として、これから8ミリ映画作りという贅沢な道楽に首を突っ込もうと考えているヒトから、そろそろ手を引こうかと考えていたヒトまで、フィルムが無くなるときのフィルムメイキング基礎知識講座の開催です。

とりあえず、コスト的にはもはや気楽なホームムービーとゆうわけにはいかなくなった8mmFILMとのつきあい方を理解していただくために、実際に撮影から現像、編集、そして上映に至るまでの作業工程を体験していただけます。
デッドストックの活かし方のノウハウは、フィルムメーカーにとってこの先まだまだ必須課目となります。
毎回、参考上映フィルムも多数ご用意。もはや死にかけていた筈のもっとも小さなこのシネマメディアが、燻し銀の輝きを放って見せた三軒茶屋産の映像作品の数々もご紹介。

—————————————————————

●フィルムの生産中止が相次ぎ、天寿を全うしたり乱雑な使いを受けたりしてカメラ・映写機が次々と故障してゆく中、ついに国内では正規の現像ラボが閉鎖してしまうと言う限界状態にもかかわらず、三軒茶屋では映像の秘密結社を中心に数々のフィルム作品の製作に携わってきました。

●KENと言う、この地下に降りる暗室厨房は時に映画スタジオとしてフィルムメーカーの創作的ゲリラ活動の拠点となっています。

●ミュージシャン笹久保伸が率いる秩父前衛派の映像企画「PYLAMID -破壊の記憶の走馬燈-」、「犬の装飾音」、村上賢司監督「オトヲカル」、安田哲プロデュース企画「8ミリ軍団魑魅魍魎」、そして当会場でのワークショップ企画で8ミリフィルムの自家現像を担当してきた馬渕徹と大西健児による「銀鉛画報会」プロジェクトの8ミリ作品の数々。今回上映される大西健児作品「幽霊」もまた三軒茶屋で撮影し現像されて完成した大作8ミリ作品です。

●このカオスな制作現場に陥った今なお、8ミリ映画でありながらも国内外の映画祭や特集上映等で紹介される骨太な映像表現を輩出しているのは、この暗室空間だけです。多くのフィルムメーカーたちの眼差しを調理してきたアート工房への体験実習に是非ご参加下さい。

——————-転記以上——————

以上が転記ですが、一つだけ、誤解されやすい点があるのでご注意しておきます。

それは、「ついに国内では正規の現像ラボが閉鎖してしまうと言う限界状態にもかかわらず」…という表現です。

この一文を、「日本だけが正規の現像ラボを持たなくなった=日本だけが8ミリの現像所がない」と読むのは正しくありません。

この文は「2013年にフジカシングル-8の純正現像所…富士フイルム関連会社の現像所が、シングル-8の処理サービスを完全に終了した」という事実のみ示していますととらえるべきです。

というのは、まず、日本以外では8ミリフイルムと言えばスーパー8方式。スーパー8は今年で51年目を迎えてまだフィルム供給は続いてます…それどころか新型カメラの発表まであったと言うビックリ状況。

そして、このシングル-とスーパー8の違いはメカニズムの問題だけでは無く、簡単にまとめちゃうと、コダックは富士フイルムと異なり、フィルム販売を主に行い、現像まで一貫サービス提供しないやり方で長く展開してきています。
富士フイルムがフィルムを販売し子会社である現像所が処理をするという一貫したサービスが行われていたのは、シングル-8の特長でありました。一方、日本を含んでスーパー8は、指定されたり推奨された現像所がある状態が続いています。

なので、スーパー8の使用環境においては日本も諸外国と似たようなもんです。(現像料金が高いとか仕上がりまで遅いとか、愛好者が多いのに現像所が1社しかないなどなど問題はいろいろありますが、別の話なので割愛)

日本だけが特別苦境に陥ったわけでは無く、ただ「シングル-8が完全消滅しただけ」なんです。

繰り返しますがスーパー8は誕生から今年で51年目。半世紀を超えて続いてます。
ただ、無くなったモノはカラーリバーサルフィルム。エクタクローム100Dの販売供給が終わったタイミングで、諸外国でも結構がっくりきて、8ミリメディアの終焉を叫ぶ声がありました。現像所も店をたたむところが出てきてます。

今は、カラーの新作映画を制作して「フィルムで」上映できる制作環境がないのです。

ここが一番の問題点です。カラーリバーサルフィルムの復権。ここが一番求められるところです。

(カラーネガフィルムは現行商品であるので、テレシネしてデジタル上映は出来ますし、コダックの新型カメラもそれを意図して開発されてるものです。カラーネガフィルムは供給が続くしコダックも推していくでしょう)