エクタクローム64Tが使えるカメラを見分ける方法 -スーパー8カメラの感度設定-

スーパー8

エクタクローム64Tは多くのスーパー8カメラで、感度設定が正しく読み取れずに適正な露出で撮影することが出来ません。
多くの場合は、2/3段ほど露出オーバーな結果になります。ネガフィルムではなくリバーサルフィルムですから、露出オーバー撮影の結果はけっこう如実に画面に現れます。

エクタクローム64Tが適切に使えるカメラとして、もっともありふれているものは、
キヤノンの814や814エレクトロニク、814XL-S、同様にキヤノンの1014エレクトロニクや1014XL-Sなど。中型機ではオートズーム518SVスーパーなど。ニコンは全4機種すべてが対応していますが、エルモの104、106、108、110なども対応してますね。

他にも64Tが適切に使えるカメラは存在します。オオノ隊員とあたくしとで、実際にチェックしたカメラについては、「エクタクローム64T対応のカメラ」にまとめましたが、世界のスーパー8カメラの全容をとらえることは不可能です。

この記事をお読みの方で、お使いのカメラが、果たしてエクタクローム64Tが使えるのかどうかわからないなあ?と思っている方に、カートリッジの感度設定をちゃんと読み取れるかどうか、それを簡単にチェックする方法をご案内致します。

ものさしでチェック

とある「ものさし」を使って、エクタクローム64Tが使えるかどうか、ご自身のカメラをチェックしてみましょう。
ここで言う「ものさし」とは、Super8wikiでダウンロードできる、「Super8 notch Ruler」の事です。これを使うと、ご自分のカメラがエクタクローム64Tやエクタクローム100Dに対応しているかどうかわかります。

pdfファイルをダウンロードしてプリンターで印刷。なんだか色がシマシマになっておりますが、これはあたくしのプリンタのインク切れのせいです。気になさりませぬように。
右側の白い部分中央に、線がありますね。
これをカメラのフィルム室前面中央のピンの中央に合わせます。
そして、0.2-1.0の刻みにあわせて、カメラ側にピンが用意されているかどうか確認します。

キヤノンオートズーム1014エレクトロニクの場合

キヤノン1014エレクトロニクの感度設定

これはおなじみキヤノン1014エレクトロニク。0.3-0.8の間まで6段階のピンが用意されています。

ついでに右側も見て頂くと、ここにもピンがあります。これは、フィルムがタングステンタイプかデイライトタイプかを読み取るピン。
カートリッジにノッチがあると、ここは押し込まれずに伸びたまま。ノッチがないと押し込まれて、色温度変換用フィルターが外れます。(70年代中盤以降に発売された安価な機種や中級機、一部の高級機ではこのピンが用意されていないことがあります。この場合は自分でフィルターの出し入れをしてください)

さて、先ほど読み取った0.3-0.8のラインに沿って、この「ものさし」の左側を見ると、0.8のラインをたどるとTungstenのところに「40」でdaylightのところに「25」とあります。同様に0.3のラインをたどると、Tungstenのところに「400」でdaylightのところが「250」とあります。

同様に、その間に設定されているピンを全部読み取っていきます。この数字は、このカメラが設定できるASA感度となります。

ですから、
タングステンタイプで ASA40/64/100/160/250/400
デイライトタイプでASA25/40/64/100/160/250の設定があるカメラだ、とわかります。

具体的にフィルムに当てはめると、

デイライト/タングステン使用として
25/40…(生産終了・タングステンタイプ)コダクローム40

40/64…(現行商品・タングステンタイプ)エクタクローム64T

64/100…(商品無し)

100/(160)…(一部ショップメイド販売・デイライトタイプ)エクタクローム100D
100/160…(生産終了・タングステンタイプ)エクタクローム160 TYPEA

160/250…(生産終了・デイライトタイプ)エクタクローム160G

これらのフィルムが使える(使えた)カメラであるとわかりますね。

ニコンオートズーム8Xの場合

次に、ニコンオートズーム8Xを見てみます。ものすごくシャープなレンズに、フォーカスが大変合わせやすいシャープなスプリットイメージ式距離計を装備した、質実剛健かつ使いやすいカメラです。あとシャッターの構造が改造に向いていて・・・おっとこれは別項にて。

写真が暗くて恐縮ですが、この機種では感度設定はピンではなくて、銀色のレバーが左から右へ、スーパー8カートリッジのノッチに沿うことで読み取るのです。その読み取り幅はスーパー8カートリッジの感度設定域すべてをカバーしてますので、早い話どんなフィルムが来ても読み取れる、と言うことになります。
同様のレバーで読み取るのは、NIZOのサイレントシリーズの中級機に採用されていたりもします。他にもありますが。

ただ、規格外のフィルム、たとえばエクタクロームVNF 7240やVISION2 200T、同VISION2 500Tなど、感度自体がスーパー8カートリッジ規格に入っていないものはこの限りではありません。

ASA64に対応していないカメラの例 NIZO156マクロ

これは、NIZOのコンパクトタイプ機。
このカメラは、100/160の所にしかピンが存在しません。
こういった場合、ピンが押されていない状態ならば自動的にASA160(タングステン時)のフィルムが入っていると見なす機構になっているのです。逆にピンが押してあると、ASA40のコダクローム40が装填されている、と読みます。
つまり、ASA25/40のフィルムと、ASA100/160のフィルムしか正しく感度設定が出来ないカメラだとわかります。

このものさしを使って、「わたしのカメラは64Tが使える!」「ぼくのはダメだ」とかご報告頂ければ幸いです。別途まとめて、リストを更新していきたいと思います。

コメント

  1. 麻生 より:

    こんにちは いつもカメラリスト参考にさせてもらってます。
    便利なアイテムですね!
    スーパー8Wikiなる存在も初めて知りました。
    そして何より気になったのが
    ニコンオートズーム8Xのシャッター改造。
    記事になるのを楽しみにしています。

  2. マディ折原 より:

    コメントありがとうございました。ものすごく遅い御礼コメントで恐縮ですが。
    super8wikiの関係者は、当ブログにもしばしばドイツの情報を伝えてくれます。8Xについてはもうちょっとお時間をくださいませ。

  3. 匿名 より:

    便利なものをご紹介下さいましてありがとうございます。
    ご報告…..
    “konica compact 8”は使えそうです。
    0.6及び0.7の指標にあった位置にピンがあります。
    カラーバランスフィルターのノッチを読み取るピンもありますので、機構を見る限りでは問題無いかと思います。

タイトルとURLをコピーしました