NIKON 8X SUPERZOOM分解修理

NIKON 8X SUPERZOOMの修理調整に挑戦してみました。
感度設定のレバーの動きが悪くて、途中で止まってしまうのを直すためです。しかし、この分解は不要な作業だったと最後で気がつく阿呆ぶり。

当ブログにもたくさんのコメントを寄せていただいているRikieさんのサイト「人生是一旅・一路平安」にニコン8Xスーパーズームの修理レポートが上げられています。レンズ側からトライしたRikkieさんの向こうを張って、あたくしは後ろ側から攻めてみました。参考にしたのは、おなじみの海外サイト「Super8 Wiki」です。

使うのはマイナスドライバーだけです。全部マイナスねじになってます。
ドライバーを斜めに使わなくてはならないことが多いので、 細めで短いものを用意しておくといいです。力が入りにくいのでネジ山をなめてしまう可能性が高いので慎重にトライします。

まずは、グリップをはずします。グリップは4つのネジで止まってます。
グリップ基部の黒いねじを二つ外します。

中央の小さいゴム板の裏にねじがありますよ。

その真ん中にあるゴム板の下にはネジが隠れてます。これもはずします。

一旦グリップをたたみます。三脚ネジの奥に隠れているネジもはずします。

真ん中のネジをはずすと、フィルム室のナット替わりの部品がはずれます。なくさないように保管。

グリップを外すとこんな具合です。

フィルム室を開けて、露出している3つのネジをはずします。すると、ボディ左側面の銘板がはずれます。
R8やR10に比べると格段にメンテナンスしやすい設計です。



COPALのミニモーターが見えます。このモーターのトルクが低いのか、はたまたギアの問題なのか、それとも劣化しているのか、このカメラはフィルム送りの力がとても弱いのが玉に瑕です。レンズはとてもシャープで、スプリットイメージの切れ味も高いので大変に使いやすいのですが。

COPALのモーター



わかりにくいですがシャッターがあります

シャッターの円盤があります。

レンズ側には窓が開いていて、中には点々の模様が印刷された透明な円盤があります。
これは、フィルム室の感度設定レバーにあわせて動きます。
ここが今回の修理のポイントです。

その次は、上部のハーフミラーで分光されてファインダーまで光を導いている所、スチルカメラですと軍艦なんて言われるところを外すのですが、ネジが入り組んだところにあるのでじゃまにならないようにフィルムカウンターユニットをはずしました。

ネジ3つが接着剤付きで固定されていますのでネジ山をなめてしまわないように一気に力を込めてはずします。 ユニットは接眼部の方にずらすようにするとうまくはずれました。

軍艦部をはずしたところ

 そうしたらを軍艦部を外します。ネジは全部で4つ。シャッター側のネジははずしにくいので気を付けましょう。 で、軍艦がはずれたら今度は本体を分割するためのネジをはずしましょう。駆動部ルームとフィルム室の両方に2つずつ、計4つのネジがありますのでこれをはずします。 すべてちょっとはずしにくい位置にあり、しかも堅いので気を付けましょう。

4つ全部はずすと、カメラが前後まっぷたつに分解できます。この際にリード線を切らないようにと、あとファインダー系も撮影系も全部露出してしまうことになるのでホコリやゴミに気を使います。

リード線だけでつながる前後のユニット

下のワイヤーがたるむと、露出計の窓に写ってしまうので要注意。このカメラ、要するにプリズムの位置の設計がかなりルーズです。ゴミが入りやすいです・・・というわけでエアダスターで無造作に吹いていたらあっという間にファインダーがゴミだらけになりました。これはまずいですので加えてご注意を。 で今回の目的であるフィルム感度設定バーの動きの改善ですが、ばらすとしゃかしゃか好調に動きます。しかし、前後のパーツをくみ上げると動きが渋くなります。



感度設定レバーが途中で止まる

で、調べると後ろのパーツが前のユニットのある部分を押さえつける構造になってます。これによって前の感度調整用の回転板にブレーキがかかるような構造です。



逆「ノ」の字の板が感度設定レバーに直結してる

逆「ノ」の字の金属板は浮いてます。この状態では感度レバーはフリーに動きます。どんなに押し込んでもすぐに戻ってきます。

と、動きが鈍いところを修理するつもりで分解してきたのですが、この鈍さはたいした問題ではないと言うことに気づきました。
フィルム室のふたを閉めると、ふたを止めるピンが出てくるのに連動して、感度設定レバーをノッチにぐっと押し付けるピンが出て来るのです。ですから、レバーの動きが悪かろうが何だろうが、フィルムを入れてふたを閉めればちゃんと感度設定される、と言う仕掛けなのです。

完璧に無駄作業だったあ!・・・と思ったのですが、フィルムにもっとも近いレンズに汚れがありましたので拭いておきました。ああよかった。分解する意味がありました。こればっかりはファインダ覗いてもわからない所です。

あと、この写真は何だ。あたくしはいったいナニをしようとしているのでしょうか・・・。

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コメント

  1. Rikkie より:

    こんにちはRikkieです。マディさんのBLOGに名前を出してもらうなんて光栄です。
    自分が辿り着けなかったモーターへあっさりとアクセスなさっていますね。穴があったら入りたいです。モーターは自分の個体もへたっていますから弱点なんでしょうか?
    ニコン8Xもエルモ204Tもレストアする気が育映社のサービス終了で萎えてしまったのですが、シングル8の終了でろくに動きもしないフジカAX100やらエルモC200やらをどうしようか頭を抱えています。
    撮影可能か解らないカメラにシネビアを使うのはコスト的に躊躇してしまいますし・・・。

  2. マディ折原 より:

    元々それほどトルクの強いモーターではないようです。
    当方2台のでは撮影時に問題が起きてはおりません。中古を買うときの「チェックポイント」と考えておくといいかもしれません。
     それと、駆動系ががたつくとか電気回路が痛んでるかどうかは別の問題です。
    一部個体で、フィルムほぐしをしていないカートリッジでの撮影に問題が起きたことがありますが、スーパー8のシステムの宿痾ですね。
    フジカAX100の走行不良は見たことがありません。エルモの初期機種の走行不良は見かけます。一例として、電池ボックスと本体の接触不良があります。このため電源供給が不安定になり、走行がたどたどしくなるのです。電池ボックスのふたが(よせばいいのに)軟質のプラスチックなので押せば押すほどへこんでくると言う悪い循環が。
    そもそもC300とか8S-60とかの初期機種は電気回路の設計がおおらかなようです。

  3. Rikkie より:

    AX100はモーターは回るのですが露出計が不動なのとフィルムカウンタが進まないのです。プリミティブなカメラに見えるので割と治るのではと思っていました。エルモはモーター不動で露出計は動くと言うもので、こちらは一度ばらしてみたのですが、結構込み入った構造になっていたので戻してしまいました。
    ショックなのがキヤノン518で、これはちゃんとさ撮影が可能なもので、先日の京都旅行にも同伴したのですがシネビアは使えないんですよねえ。勿論、マニアルで撮れない事は無いんでしょうけど。稼働率は下がりそうです。

  4. tomato より:

    はじめまして、大変参考になりました。
    XXテクノさんから修理不能と帰ってきたニコン8Xを自前で修理できそうです。基盤ごと換えなければならないがニコンにそれがないといわれました。回路図にかえて同等品に作り直せばいいんですけどね。PIC回路にしてもいいし
    またスーパーズーム8のファインダーに斑点がありまして掃除するのにもレンズのばらし方がわからないのですがこの方法だとそこまで届きそうです。

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