ベルビアの8mm版の撮影テスト開始したつもり

フィルム

ここのところ、東京の週末は薄暗い曇天がデフォルトで、気が付くと雨が降り出す典型的な梅雨もよう。
おかげで、全然回せてません。
しかし8mmをめぐる状況はいろいろせっぱつまってます。やることをやっておかないと・・・あーもう!忙しいのに!・・・とだだをこねていてもしょうがないので、雲の切れ間を見て着手したのはVelviaのテスト撮影です。
何回も本ブログで書いていますのでご存じかと思いますが、元々8mm用ではない富士写真フイルムのスチル用フィルム「ベルビア ASA50 デイライト」を切って穴開けて、8mm用マガジンに詰めて販売している商品があるのです。ドイツアメリカ、日本にそれぞれ、独自のパッケージがあります。

ところが、元々8mm用ではないフィルムですから、使用に際してはいろいろと解決しないとならない問題があるのです。

Velviaの問題は、まずはその感度です。
このフィルムはASA50と銘打ってますが、リリースされた15年ほど前にはアンダー絵柄がもてはやされた事もあり、実効感度が低めに設定されてます。これはメーカーの富士写真フイルムも認めてる事です。ですから、ASA50にカメラ側をセットして撮影すると、上がった画像はアンダーになってしまいます。

あたくしは、GK-FILMSとレトロがこしらえたシングル8版の映像を見せてもらったことがあります。現像もレトロでした。

まず1つは、Z800/ASA50設定で撮影したもの。これはよく色がのっていましたがやっぱりアンダーだなあと思われるカットが散見されます。もう1つはAX100で撮影された、つまりASA25設定になっているフィルム。これは、ぱっと見てわかるほどに全体的にオーバー気味でした。

だから、ASA50以下でASA25よりは上の感度、つまり実効感度はASA32かASA40ではないかと推定できます。あとはどっちかと言えばどっちなのかい、という精査をしつつ、果たしてシングル8/スーパー8カメラではどうやって使えばいいのか?それを考えてみます。

そんなわけで、今回のテストはお題がたっぷり。メインはシングル8カメラでの使い勝手です。

【シングル8カメラ用商品のテスト】

お題は大きく二つ。

レトロXで起きたトラブルの追試
 つまり、フィルムベースの質と厚さの違うフィルムであってもシングル8カメラで安心して使えるかどうか。

○感度のチェック

前回はフィルムエンドで撮れなかったエルモ8S-600も参入。これは自動的にASA25で撮影するので、感度設定のテストも兼ねています。(最近レトロで出しているvelviaのシングル8版はASA25の設定になっているとのことですが、あたくしのはASA50設定でした)

エルモが登場した代わりに518SVが退場。この時期のキヤノン機の持病である露出計不動のためです。せっかくですから人気小型機のP2やAX100か、タマ数の膨大なZXM500あたりを追加してテストしようかどうか検討中。

しかしこのテストって、露出調節までやるので大変にめんどくさいです。ホントならばやりたくありません。サードパーティのメーカーさんが、フィルム開発時のテスト結果情報を公開してくれればこんな手間は掛からないのですが・・・。

と、サードパーティメーカーの一つであるレトロのサイトを読むと、「現存するすべてのシングル8機でテストした」「安心して使えます」と書いてあります。

これはすごい。全機種撮影テストした結果が存在するのですね。そんなものがあるのだったら、是非その現像後の画像を公開していただきたい物です。これは大変にユーザーの得になります。

その画像写真があればレトロのサイトにある「良好な結果」という言葉の意味も明確になります。
上記のAX100のフィルムはレトロが持ってきたテストリールでした。ベルビアは、R25Nに比べるとラチチュードが広く、オーバー気味でも階調を保って描写できます。だから「ハイキーな絵柄」だけどキレイだなあと思って見ていました。そしてその映写画像が露出オーバーなのはレトロさんも認めてました。
ということは、レトロの「良好な結果」の意味するところは、イコール「オーバー気味」なのかなあと考えられるのです。「良好」という表現は好みや意図によってとらえ方が異なります。果たして何がどういう状態だったから「良好」なのか、お写真が公開されれればすぐに分かることです。

あ、でも「安心して使える」けどその後に「大切な撮影はテスト撮影」って書いてあります。「大切じゃない撮影」ってのは存在しないと思うので、つまるところ要テスト撮影になります。
全機種での撮影結果が見られれば、「良好」がどんな状態かも一目で分かるし、たとえばそれが撮影意図とずれるものであれば、ユーザー側で調整すればいい事。その商品の性能のホントのところが伝われば、本当の「安心」を招くと思います。

また、あたくし個人的には、フジカZS400の画が見てみたいです。不勉強故にいまだに見たことも触ったこともない機種ですが、あたくしは最低でも2台は現存するのを確認していますし、これで撮った絵柄が見てみたいです。
 
ともあれ、今は一枚も公開されていないので、こんなテストをひーこら言いながらやるしかありません。もうちょっと気持ちよく使えるようなサービスにならないかなあ・・・。

【スーパー8カメラ用商品のテスト】

キヤノン1014XL-Sは、スーパー8版ベルビアのチェックに用意しました。
上記のASA50設定とASA25設定の結果を比べると、ベルビア50DはASA40に近いような気がします。これを確かめましょう。

シングル8ではASA40の設定がありませんので、スーパー8カメラでの撮影がよりしっくり行く可能性があります。実際に海外のサイトでも、スーパー8版の撮影結果は良好な報告が多いです。そして、フィルムベースの問題は起こるはずが無いです。
これら2点から、ベルビアはスーパー8に使うのがよいと言う仮説をあたくしは持っております。
こんなのも、撮影してみれば分かることですね。ASA40といえばコダクローム40。風前の灯火状態ですがこいつも同時に回して比較してます。

しかし、これがもしちゃんとASA40ジャストで使えるフィルムだとしたら、ものすごく皮肉ですね。富士写真フイルムの商品だけが、デイライト設定を持つすべてのスーパー8カメラで使えるかも知れないと言うことが。
しかし、このASA50のベルビアは、すでに富士写真フイルムが製造を終了していますから、そんな皮肉も長続きしませんねえ。
レトロのサイトではフィルムを「責任を持って」作り続けるとありますので、フィルムそのものを継続製造してくれるように富士写真フイルムに交渉しているのでしょうかねえ?

というわけで始めたのですが、すぐに降り出す大雨。中断しちゃいました。今週末にまた出来るのかどうか?コダクロームとの比較は諦めざるを得ないのか?どうもせっぱ詰まった状況でのテストです。仕事も忙しいしできるのかオレ?

続く!

コメント

  1. アキオ より:

    ほんとーに晴れませんね。
    カメラに入っているVision200が数秒回ったところで、なかなか消費されません。
    近日中に、先日撮影したシネビアのテスト撮影をアップできるかと思います。
    アップしたらこちらに報告します。

  2. アキオ より:

    シネビアの画像をアップしました。
    リンクのページのヒョウの写真をクリックすると見られます。
    ファイルがちょっとデカいけど、しばしの辛抱。(_ _)
    撮影条件等細かいことは後日、8ミリ掲示板にて。

  3. アキオ より:

    某掲示板が書き込みできないようなので、こちらで報告します。
    アップした画像は、シネビアのSuper8版です。
    全編ASA40で撮影。
    ビデオの設定は、ノーマルガンマ、色、シャープネスもデフォルトです。
    ホワイトバランスは、ビデオカメラで最初に1回だけ。
    取り込み後は何もいじってません。
    フィルムのコントラストが非常に大きく、ビデオのダイナミックレンジにおさまりきれません(E64TやR25Nではスッポリおさまる設定なのですが)。
    しかし、中間の明るさあたりの諧調表現がとても優れていて、画面に奥行きがあるので全く気になりません。
    最後のトラのショットは、日陰でアンダーで撮ったものを、ビデオでF3.6分持ち上げたものです。暗部でもざらつきや色が落ちるようなことはないことがわかります。
    粒子は、K40やR25Nよりも細かく、16mmの存在意義が揺らぐほど!?のディテール描写です。
    また、発色もよく、茶色など暖色系がとても奇麗です。LED光源でちょうどよいかも?。とにかく画面に高級感・清潔感があり、まさに映画の質感です。
    (注)画面が上下に揺れていますが、安物の三脚を使っているためです。カートリッジのジッターではありません。

  4. KUMA より:

    アキオさんの「ヒョウ」を見るとベルビアが優れているのは良く分かりますが、コダクローム40を越えているというのは、どうでしょう。アキオさんの撮影した一番上のK40映像と、ベルビアの映像には確実な温度差があり(文学的な意味ではなく、フイルムに焼き付ける色温度です・・・)、同じ風景を条件を同じくすれば、全く違ってくると思います。私の知る限り、AKIOさんのK40サンプルは、私の目をランランと輝かせてくれたものとは異質な感じがしました。

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