つい先日製造販売が終了してしまった、コダクローム40の代替えとして昨年夏過ぎにアメリカでリリースされてから約半年過ぎた2006年3月。ようやく日本でも「エクタクローム64T 7280」が発売されました。
中身のフィルムは、スチル用としてはかなりポピュラーなエクタクローム64Tそのもので、ASA64のタングステンタイプのリバーサルフィルムです。
タングステンモード使用(白熱電灯による照明の撮影時)ではASA64、デイライト(太陽光照明による撮影時)では、暖色系の色温度変換フィルターを使ってASA40で撮影が出来ます。
このフィルムは、使う上で二つ気を付けるとよい点があります。
ひとつは感度設定。ASA64という設定は、多くのカメラではこの感度設定をきちんと読み取ることが出来ずに、たいていの場合ASA40として読み取ることになります。絞りにして2/3段ほどオーバーになってしまいますので、ちょっとこれは見過ごせません。
対策およびASA64対応カメラについて、詳しくは「contents」項目にエクタクローム64T対応カメラについてまとめてありますのでそちらをお読みください。
もうひとつは、色温度の事。
大抵のスーパー8カメラは、「TYPE A」のタングステンタイプに対応した色温度調整用のアンバーフィルターであるラッテン85を内蔵しています。
しかし、エクタクロームVNF7240や今回登場のエクタクローム64T 7280は、「TYPE B」のタングステンタイプフィルムです。このフィルムを太陽光下で使うためのフィルターは、ラッテン85Bです。
85と85Bでは、85Bの方がやや赤方向への補正が強い、つまり「より赤い」フィルターです。85フィルターでは、やや青みが残る結果になります。すでに発売されている欧米ではこの青みについて指摘する人もいます。
さて、この色温度の調整にはレンズにフィルターを付けるのがもっとも簡単です。
内蔵フィルタを解除して、85Bに当たるフィルターを使う場合は、
マルミ光機株式会社製「MC-85B」
ケンコーの「MC W12」
HAKUBAの「MC LB A120」
などのガラスフィルターがあります。撮影レンズ前にねじ込んで使ってください。
内蔵フィルターを掛けたままで、85と85Bの差分(きっちりではないですが)だけの赤みを加える考え方もあります。その場合には、
ケンコーの「MC W2」やHAKUBAの「MC LB A30」などを使えばいいでしょう。
しかし、これも撮影結果を見てからの方がいいと思います。
お使いのカメラのレンズがとっても暖色系なのがどうも気に入らない、と言う方にとっては逆にフィットする場合も考えられます。
すべてはまず撮ってみて気に入らなかったら調整、と進めていくのがよろしいかと。
コメント
手元にあるケンコーフィルターには3200ケルピンタングステン用W12 、3400ケルピンタングステン用W10とありますが85番は3200ケルピン用なのでW12 ?ということは85BはW10 ではないですか。私は64T はハロゲンランプ3400Kにあわせてあると思っていました。
tomato様
なんかこんがらがりますよね、色温度って。
ちょっとざっくりまとめますと、
コダクローム40ってタイプAのフィルムは、3400Kに合わせてあります。コダック推奨色温度変換フィルタは85です。
エクタクローム64T 7280は、タイプBフィルムでして、3200Kに合わせてあります。コダックの推奨色温度変換フィルタは85Bです。
リリース発表時のFAQ
http://wwwjp.kodak.com/JP/ja/motion/news/may05/qa_64t.shtml
あと、「3200Kだから85Bを使ってね」、というのは7208のパッケージにも書いてあります。
ケンコーや富士のフィルタのおしりに付いてる数字はデカミレッド値ですから、数字がでかいほど補正する値もでかくなります。ですから、85より85Bが赤いのですから、W12よりW10が見た目で赤いと言うことはありませんです。
裏を見ると確かにそうありますね。タングステン3200 85番と条件反射的に覚えていたので勘違いしていたようです。