日曜日に、東京8ミリシネ倶楽部の上映会に行って参りました。そこで、山崎幹夫さんの『表面科学の路地』(2006)を見ました。この作品には、地をはうようなローアングルでのカットがあります。どうやって撮ったのでしょうか?
そもそも、地をはうようなアングルでの撮影や、ずーっと上を見っぱなしの撮影は、大変です。
ビデオカメラだとファインダや液晶モニタをくるりと回して確認しながら撮影出来ますけど、シングル8やスーパー8カメラではそんな機構を持ってないので、撮影は無理な姿勢を強いられるのです。
しかし、撮りたいものは撮りたい。
そんなときに役立つのがアングルファインダ。90度角度を曲げて覗き込むことが出来るようにするアタッチメントです。
8mmカメラ用に用意されたものはなく、各カメラメーカーの一眼レフカメラ用に用意された製品を流用することになるのですが、一部の8mmカメラではそのまま付けられるのです。そしてそれはたいていメーカーの高級機種ですね。
[フジカ ZC-1000の場合]
フジカZC-1000には、富士フイルムが昔出していた35mmフィルム用一眼レフカメラ用のアングルファインダがそのまま装着出来ます。これは、ZC-1000の説明書にも書かれています。

加えてなぜか、ニコンのアングルファインダまで付きます。なぜかニコンとフジカでこんなところが同一規格なんですね。

使えるのはニコンアングルファインダDR3。ファインダにアイカップがついていることもあり、上記のフジカ製品より見やすいです。
[キヤノンの場合]
さて、キヤノンからも一眼レフ用にアングルファインダがリリースされています。
1014XL-Sに、”キヤノンアングルファインダーB”という型番のものが取り付けられます。他の機種ではどうなのか調べてみたのですがちょっとよく分からなくなりました。
月刊『小型映画』1982年10月号に、
キヤノンのカメラでは、
1014エレクトロニク
814エレクトロニク
1014XL-S
814XL-S
とあるのですが、814エレクトロニクは、アングルファインダを付けられるような形状ではなく、また実際にネジ切りがなされていませんでした(オオノ隊員様ご報告有り難うございます)。
また、当方所有の1014エレクトロニクには一見取り付けられそうなんですが、こちらもネジ切りがされていません。
1014XL-Sはネジが切られていたので、取り付けが可能でした。

814XL-Sは手持ちがありませんので分かりません。
オオノ隊員さんからのご報告によると、1014エレクトロニクのアクセサリとしてアングルファインダBがラインナップされていたとのことです。ところが当方手持ちの機種では付かない。
1014エレクトロニクは、細かい仕様が異なる個体も存在するのですが、そのたぐいなのでしょうか。
いずれにせよ、アングルファインダを導入するときは手持ちの個体に取り付けられるかどうか確認が必要だとわかりました。
[撮影時の留意点]
なお、アングルファインダ使用時は逆入光させてしまう危険性が増します。撮影時にはしっかりと光が漏れ込まないように注意が必要かと存じます。
しかし、そもそも『表面科学の路地』の超ローアングル撮影はどうやって行われたのでしょうね?うっかり聞きそこねました。
コメント
超ローアングルは、ZC1000の上部のネジ穴に軽量の三脚をくっつけて、
その三脚の足を片手で持って、コマ送りはレリーズでやりました。
なので、地面スレスレで、スムーズにコマ撮りして動けます。
私と山田勇男さんは、この撮り方を「猫の主観カメラ」と言ってます。
ただ、以前に神戸芸工大の森下明彦さんから聞いたことですが、
ZC1000の上部の穴は奥行きが短いので、
ヘタにねじ込むと、故障させてしまうので注意しろということです。