Fujica Single-8 Z1
Overview
Zシリーズの初代機。
f1.8の約3倍ズーム搭載。Zシリーズは「ZOOM」の頭文字のZを採ったネーミングと聞いたことがありますが、本機リリース後すぐにPシリーズでズーム機種が出てくるためにコンセプトは崩れたようであります。
この機種はZシリーズおなじみの巻き戻しはまだ搭載されておらず、シャッター開角度調節もなく、焦点調節も目測のみと、1967年登場のP300あたりと比較すると面白い装備になっています。
ズームはてっぺんについているギザギザ付きのローラーを指で転がす手動方式。他社であまり例をみない構造で富士ではあとZ2,Z600,ZR400,Z400があります。
ファインダーは一眼レフ式で、視野内にはEE絞数値があります。露出はCds外測式。マニュアル調節ができるのがPシリーズとは異なるところです。ただしご多分に漏れず、露出用には生産終了してしまった水銀電池H-2D型が必要です。
もうひとつ、P300あたりと異なるのは、撮影コマ速度が24コマと1コマがあるということです。
グリップがはずれて、リモコン装置になるシカケはZ2にも引き継がれました。グリップ着脱可カメラはエルモによくありますが、富士では珍しいです。
Impression
ジャンクをさわっただけです。改良型であるZ2の使用感から想像すると、きちんとした絵づくりをするためには注意が必要だろうと思います。ファインダー視野がせまくてびっくりです。ローラー式のズームはなれると結構使い勝手のいいものですが、慣れないと途中で止まりがちなのが難点。巻き戻しもありませんから使い出のないカメラだなというのが正直な感想でした。Zシリーズに求めるものは備わっていませんので、新たにこのカメラを購入する動機はあまりなさそうに感じられます。
また、極端に古い機種ですので動作チェックは念入りに。(2008/4改訂)
Spec
メーカー:富士写真フイルム 1965年10月発売
レンズ:フジノンズームF1.6・9.5?29ミリ、手動ズームのみ
ファインダー:一眼レフ式、視度調節可能、絞数値表示付
フォーカス合わせ機構:目測式
露出:Cds外測式EE、マニュアル調節可能 (要H-2D水銀電池または代替品)
フィルム感度設定:ASA感度16.25.50.100.200対応
撮影速度:1・18・24コマ
特長・オプションなど:グリップとケーブルでリモコン撮影可能、フィルムカウンター内蔵
大きさ/定価:58x158x203ミリ 1060g/30,500円
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