エクタクローム64Tが使えるカメラはコレだ! その1

スーパー8
エクタクローム64T

スーパー8カートリッジの感度設定仕様
スーパー8カートリッジは上方の切り欠き=ノッチ(notch)によってそのフィルムの感度をカメラに伝える仕組みを最初から持ってます。
カメラの感度設定ピンとか、感度設定用のレバーが、このカートリッジの切り欠き=ノッチがどれぐらい削られているか読み取って自動的にカメラの設定を変えるのです。
ノッチのフォーマット
ノッチは、長い方が高感度です。カートリッジの中央から計ってちょうど1インチの場所からスタートして、0.1インチ刻みで
16/25/40/64/100/160/250/400/640(タングステン時)
10/16/25/40/64/100/160/250/400(デイライト時)
・・・の全9段階あり、2/3段ごとにASA感度が刻まれています。たとえば、0.9インチにわたってごっそり削られている場合は、最高感度のASA640を示します。0.1インチしか削られていない場合は、ASA16です。
ASA125のエクタクローム7240はスーパー8カートリッジの規格にない感度のフィルムだったのですが、この7280はASA64ですから、スーパー8規格に合致したフィルムです。

ASA64対応かどうかカメラをチェック
残念なことに、このASA64の設定を持ったカメラはそれほど多くないのです。このままではきちんとした露出で撮影することが出来ません。まず最初にご自身の所有カメラがASA64の感度設定に対応しているかどうか調べてみましょう。調べ方は簡単です。
1.使用説明書を調べる。
説明書には「仕様」とか「スペック」とか題したページがかならずあります。カメラのレンズとか、全体の大きさとかいっぱい書いてあるところです。ここに、感度設定の仕様が書いてあります。「フィルム感度」などの項目で、「タングステン時」とか「人工灯」とか書いてあるところで、ASA64の設定があるかどうか確認してください。
2.カメラ本体を調べる。
説明書がない場合フィルム室を見てみましょう。感度設定が書かれている機種があります。
ASA64対応カメラ例
当方の手元にあったカメラ本体と説明書を調べてみますと 下記の機種が、ASA64の感度設定を持っているのがわかりました。他にもあるそうなのですが、 マディならびにオオノ隊員が確認できた機種に限定しております。
[CANON]
1014XL-S
814XL-S
1014エレクトロニク
○814エレクトロニク
オートズーム814
1218
○512XL
518SV
○518(ASA.25-160まで対応)
○318(ASA25-160まで対応)
[ELMO]
○106(ASA20/40/64/100/160/250に対応)
○C200(ASA16-400まで対応)
○C300(ASA16-400まで対応だが、初期モデルはASA16-100まで)
○103T(ASA.40/64/100/160/250対応)
○110(ASA.40/64/100/160/250対応)
[NIKON]
NIKON製スーパー8全機種が対応してます
○superzoom8(初代)
○8X
○R8
○R10
[RICOH]
○410Z(初期型はASA64までの対応)
○800Z
[Bauer]
○C2M (ASA10-100まで対応)
[Beaulieu]
○2008
○3008
○4008
○5008
○6008
○7008
○9008
[NIZO]
○481
○561
○801
○801macro
○3048(ASA40-640まで対応)
○4080
○6056(ASA40-640まで対応)
○6080(ASA40-640まで対応)
(NIZOはコンパクトシリーズとインテグラルシリーズ除き全機種対応と聞いていますが未確認)
[Leicina]
○Special
そもそも露出計は合っているのか?チェック
70年代中頃以降にリリースされた中型機以下の機種は、例外はありますがASA40と160の設定だけを装備していることが多いです。そして、これらのカメラはASA64のカートリッジをASA40と誤認する可能性が高いです。ASA40と64のズレは、絞りにして2/3段。 感度設定のないカメラではこの2/3のズレを何かしらの方法で「調整」して撮影する必要があります。
しかし、これはあくまでもカメラの露出機構がちゃんと動いている場合の話です。多くのカメラは、20年から30年以上の中古品です。露出機構にガタが来ている可能性は大いにあります。普段から使っているカメラで狙ったとおりの画面の色や明るさが表現できているのならば、一応はそのカメラはちゃんと動いていると考えるとして、「どうも予想より明るかったり暗かったり変だ」と感じているのならば、まずは露出計の異常をチェックしましょう。
ASA64非対応カメラでの撮影法
ASA64に対応していないカメラでも、正しい露出で撮影することはできます。
まずは露出機構が正常に動いているとして、
1.露出補正機能付きのカメラを使う。
感度設定があるカメラの次に便利なのがこのタイプでしょう。1/2段か1/3段刻みで上下1段の露出補正が設定できるカメラがあります。もともとは意図的にアンダー&オーバー気味の撮影をするための機能ですが、これは使えます。2/3段分アンダーで撮影するように設定するだけでいいのです。ただ、他のフィルムを使うときには戻しておくことを忘れずに。
手元にあった説明書ではこれぐらいしか見あたりませんでしたが、もっと種類はあるはずです。
[CHINON]
△パシフィック 12SVR DirectSound…40/160*(1/3段ずつ上下1段露出補正可能)
△パシフィック200/8XL
△60AFXL…40/160*(1/2段ずつ上下2段露出補正可能)
△805S DirectSound…40/160*(1/3段ずつ上下1段露出補正可能)
△806SM DirectSound…40/160*(1/3段ずつ上下1段露出補正可能)
[ELMO](これだけ記憶で書いてます)
△612R…40/160(1/3段ずつ露出補正ダイヤルで調整可)
△1018R…40/160(1/3段ずつ露出補正ダイヤルで調整可
[Sankyo]
△CME1100
△CME444
△CME666
[Beaulieu]
△1028XL60…無段階で上下1段露出補正可能
2.マニュアル露出調節のできるカメラを使う。
これは、露出の手動調整機能があるカメラならできます。2/3段オーバー気味にずれるのですから、カメラの内蔵露出計で撮影前にシャッターを半押しするなどして被写体の露出を計り、指針が指した露出値から2/3絞っちゃえばいいのです。
マニュアル露出調節機能のついたスーパー8カメラはたくさんあります。
もちろん、単体の露出計を使っている方はフィルム感度設定だけ変えればいつもと同じように撮影できます。
(C)2005 Muddy Orihara All Rights Reserved.
協力:オオノ隊員

コメント

  1. KUMA より:

    私がeBayで買ったのは、ロシア語で読めませんが、
    ここではアメリカ産みたいに扱われていますね。実際は冷戦終了時に、ドイツの技術者が大量に作ったカメラを貧困な東欧が放出したものです。外国のebayに慣れれば、5000円ほどで買えます。動力はゼンマイ仕掛け。露出補正が、二絞り上下可能です。コマ数は8.12.18.24.32、倍率五倍、ハンディにお勧めしたいカメラです。

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