テレシネを考える[1]簡易テレシネと市販テレシネ機

テレシネ

テレシネのいい方法はなんでしょかと。ちょーっと考えてみます。
結果から言っちゃうと、当方いろいろとやった中で動きも画像も一番キレイだったのは、ヨコシネDIAにお願いしたシンテル社(元ランク シンテル社)のテレシネ機によるものでした。
しかし、ちょいとお値段が張ります。もっと気軽に、そして日常の制作に使える方法はないものか?本ブログでは、これは最重要課題のひとつでございます。

まず、一番お手軽な方法として「簡易テレシネ」そして、一般市販されていた「テレシネ機」について一くさり。

簡易テレシネも、アフレコ作業とかちょっとした映像の複写にはいいのですが、キレイにやろうとすると結構手間暇かかります。では、一般市販されてる「テレシネ機」なるものの画質はどうかな?

簡易テレシネ
簡易テレシネは、投影した映像をビデオカメラで撮影するもの。何も機械はいらないし、コストがほとんどゼロであることを計算に入れるとリーズナブルな方法です。

しかし、光軸が原理上どうしても映写機とカメラの間で一直線に並びません。並んだら四次元の世界だ。どうやってもやや斜めからとらえた映像になります。解決する方法としては、うんと縦に長い部屋で遠くから映写して撮る方法。こうすれば見かけ上限りなく傾きはゼロに近くなりますが、今度はレンズの問題で画質がやや犠牲になると思われます。

投影するスクリーンは、目が細かくて光沢のない紙などがよいです。映写用のスクリーンは、編み目状やビーズ貼り付けのものがありますが、8mmではその材質が写ってしまうので今ひとつです。プリンタの熱転写印刷用紙がいいとも聞いてます。

ちなみに、上の写真ではふすまに向けて映写してます。いい加減過ぎるよ!

市販のテレシネ機
一般市販されている「テレシネ機」と言うのがあります。一番多いのは半透過スクリーンと表面鏡の組み合わせで出来てる物。横長の箱形で、どっかに曇ったガラス板みたいなものがはめ込んであれば、大抵これです。レンズがはめこんであるものもあります。

半透過スクリーンというのは、思いっきり簡単に言っちゃうと障子紙や磨りガラスみたいなものです。ここに裏から映写機で投影すると、透き通って表側から見ることができます。こいつを撮影するのです。間にスクリーンが入るので「スクリーンプロセス」、後ろから投影するので「リアプロジェクション」などとも言います。
スクリーン裏から見た映像は、左右反転しています。これを正像にするために表面鏡という鏡を使います。これを光軸の45°の位置に配置して、光軸を90°曲げます。

これらテレシネ機ですと、原理上は光軸がずれません。映像に対して真正面から撮影できる・・・のですが、実はこの方式にも越えられない欠点があります。

まず、ホットスポットが起きやすいです。ホットスポットというのは、画像中心部が明るくて周辺の光量が落ちている状態のこと。映写機とスクリーンが近いと起きやすいです。そのためには十分に散光しなくてはなりません。

また、半透過スクリーンは、磨りガラスのようなものだとどうしてもそのざらっとした質感が画面全体に写ってしまいます。原理上しょうがないですね。乳白色のものは心なしかホットスポットが起きやすい気がします。
いずれにせよ、ハイキーの映像はうまく再現できないことがあります。よりざらっとした質感が見えちゃうのです。

簡易テレシネは光軸の問題があり、半透過スクリーンタイプは画質の問題がある。なかなかすっきり行きません。
ただ、テレシネ機は昨今結構な値段で売り買いされているようです。高い買い物ですので、これがあれば完全にきれいに撮れると過度な期待はしない方がいいと思います。

さて、家庭用で出来るテレシネ方法、まだありますがこれは次回以降に。

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