フジカ シングル8 ZC1000 /New ZC1000

シングル-8カメラ

Fujica Single-8 ZC1000 /New ZC1000

Overview

シングル8やスーパー8の時代になってからの国産8ミリカメラでは唯一のレンズ交換式。とにかく最高級のシングル8撮影機です。

交換レンズはCマウントのもの。16mmの標準的なマウントなので、撮影サイズは変わってしまいますが16mmのレンズを使うことが流用できる上に、ボリューなどの海外8mmカメラレンズ、古いTVカメラ、もしくは監視用ビデオカメラの交換レンズが取りあえずそのままくっつきます。35ミリカメラ用各種レンズとCマウントの変換アダプターが、純正のアタッチメントとして販売されていたので、35mmカメラレンズ換算で約6.5倍の焦点距離の望遠寄りレンズとして使えますが、マウントを換えたメーカーがほとんどなので現行で販売されているレンズはニコンを除いてほとんど付かないのでご注意を。
標準セットとして、電子ビームコーティングの7.5-75mm、F1.8ミリという10倍のマクロ機構付ズームレンズを装備してます。 純正で5.5mmの広角レンズが販売されておりました。

ファインダーは一眼レフ式ですが、通常のハーフミラーによるファインダとフィルム側の分光をせずにミラーシャッターを導入してるので、100%の明るさでみることができるのですがその反面、ぱたぱたと明滅して見えます。

フォーカス合わせはすりガラスのようなマットスクリーン。じゃまだったら撮影時にマットスクリーンをレバーで解除することもできます。露出調節は、内蔵の露出計ではかった数値をファインダー内の指針をEE適正値のゼロ点に手動であわせるもの。このときに加減をすることによって微妙な調節が可能。
ファインダーの上の方の赤ランプは、かなりマルチ機能の警告ランプで、電源電圧の低下、逆転操作、開角度調節、露出補正(2倍、4倍)の切替およびフィルム終了時と点灯したときに何のトラブルかいろいろ神経質に考えさせられます。

撮影速度は、1.12.18.24.36に加えて72コマまで。24コマまでは本体内の単3電池4本で動きますが、36・72コマは、グリップに単三電池4本入っていないと動きません。三脚に据えて高速度撮影する時、グリップのケーブルをはずして「故障か!」とあわてないように。

特殊機構としては、フジカのシングル8ではたった一機種しかない、逆転撮影(1コマでもOK)。そしてシングル8全体でも一機種しかない、逆転にも連動するデジタルフレームカウンター。
フジカシングル8は巻き戻し量があいまいなまま、ずっとシリーズを重ねてきていますが、絶対的なフレーム数がわかるようになっているので、多重露光などの確実な操作が可能になっています。

Z800のところで説明した、パルス同調用に外部に出せるシャッター軸に、別売のフィルミングクランクをつけると手回しによる長時間露出の撮影ができます。
もちろんパルスジェネレーターを取付け、パルスシンクコーダーと接続すると、パルス同調の同時録音撮影ができるのはあたりまえで、ストロボシンクロ用のカプラーをつけることもできました。
そこまでやらなくても、という人向けにテレコの同時スタート用のリモート接点があります。テレコはいまでも販売している外部コントロール可能な物が使えますが、高価なテレコなのでよく考えてください。

レンズ交換できると言うことから、顕徴鏡アダプター、マクロシネコピー、中間リングやベローズもアタッチメントとして販売されていたりと、いたれりつくせりでなるほど最高機種。

1979年にリニューアルされて名称もニューZC1000となりましたが、部分は、ねじ込み式だったズームレバーを折り畳み式に。三脚につけたままでもフィルムカートリッジを取り替えられるように。視度調節範囲を拡大。などの微妙な改良点のみ。

Impression

重いとかでかいとかいってもしょうがないので、別な欠点を書いておきます。このCマウントの材質が柔らかいのでしょうか、それとも標準10倍ズームレンズが重すぎるのか、これが結構移動中にゆるんだりします。またぶつければ歪んでしまいます。
瞬間接着剤で固定した人も私の知り合いにはいます。ま、そこまでしないでもいいですけど、頻繁に別売りの広角レンズ(F1.8 5.5ミリ)と取り替える人は注意しましょう。

交換レンズですが、海外スーパー8用のCマウントレンズを付けるのがいいと思います。8mmビデオカメラや、それ以前の家庭用ビデオカメラにも、Cマウントレンズを積んでいた物がありますが撮像素子の大きさによって、ZCにつんだときに画角がどれくらい変わるか計算が必要です。また、古めの監視ビデオカメラ用のCマウントレンズをいじってつける方もいますが、ズームレンズは少ないのであまり面白みはないですね。また被写界深度を黙視できそうですが、開放に近づくにつれて限界があり完璧な確認はできません。これは海外のスーパー8レンズ交換カメラと比べるとちょっと落ちる点です。

考えてみればこの機種だけが、まともにシングル8カートリッジの構造的利点を使い切っているのです。できればこのメカを利用して、ズーム比の低いレンズや、モーターをもっと安めなものに換えて安価な機種を出してほしかったなあと今更ながらに。


Cマウント部。中央の四角い穴のすぐ奥にはミラーシャッターがある


キヤノンのCマウントレンズを付けてみたところ

キヤノンのCマウントレンズを付けてみたところ

左のダイヤルが撮影コマ数調整と露出補正。中央の目盛りがフィルムメーター。その右がコマ数デジタルカウンター。その下の黒丸を開けるとシャッターシャフトがある。デジタルカウンターの右側は電源のオンオフなどの切り替え。右端は撮影の前進・逆転撮影切り替えスイッチ。上にある丸いメータはシャッター開角度メーターとシャッター開角度調整用レバー


 ワインダーを装着したところ

Spec

[メーカー]
富士写真フイルム 1975年3月発売 (NEWは1979年6月)

[レンズ]
EBCフジノンMA・Z‐F1.8/7.5-75ミリ、10倍マクロ付ズーム(Cマウント)、手動ズーム式

[ファインダー]
往復ミラー一眼レフ式、視度調節可能、EE適正値指示、逆転・開角度調節・露出補正・フィルム終了・バッテリーチェック共用の警告表示

[フォーカス合わせ機構]
フォーカスグラス式、全面マット、空中像に切替可能

[露出]
内測式(TTL)シリコン露出計による測光、追針式手動絞調節、露出補正付

[フィルム感度設定]
ASA25・50・100・200・400

[撮影速度]
1・12・18・24・36・72コマ

[特長・オプションなど]
Cマウントレンズ交換式、マクロ撮影可能、電磁レリーズ式、シャッター開角度調節・逆転撮影・パルスシンク同録撮影・クランク撮影・ストロボ同調・リモコン撮影可能、巻戻しコマ数計・フィルムカウンター内蔵

[大きさ/定価]
120X80X316mm グリップ124X60X187mm 1980g グリップ280g/ボディ144200円、10倍ズームレンズ69300円、レンズフード1200円、アイカップ300円、グリップ8000円、ソフトケース5000円

コメント

  1. […] 画像引用:https://www.muddyfilm.net/2008/04/zc1000-2.html […]

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