サンキョウ EM40XL EM60XL

Sankyo EM40XL スーパー8カメラ

Sankyo EM40XL EM60XL

OVERVIEW

サンキョウサイレントスーパー8の最終モデルとなったEM(エレクトリック・ミニシリーズ)小型軽量XL機 インターバルタイマー、セルフタイマーが内蔵型となった。ESシリーズより丸みが減少した直線的デザイン、折り畳み式グリップ。
小型軽量で多機能という優秀な撮影機です。私はEM40XLを持っていますが、大変気に入っています。こま速度が安定しているのもカタログでは分からない性能で、ストロボ接点を用いてパルスシンクを行うと、この速度の安定性がよく分かります。


当時の「ラジコン技術」という本で、このEM40XLをラジコン飛行機に搭載して空中撮影を行うというものがありました。

軽量で、遠隔操作が可能、36こま毎秒の撮影が行えるというのが選定理由だったようです。

また、手塚治虫氏が亡くなった時、あるグラフ雑誌に「手塚治虫物語」がマンガで連載されました。 その中のアニメ「火の鳥」の製作の時に、オープニングの都市の長時間1カットアニメート(背景動画)の製作記事が載っています。

それによると、都市のミニチュアを作り、その中を8ミリ撮影機で移動して撮影し、1こま1こまを紙焼きして、トレースしてアニメートしたとあります。
その撮影風景に描かれていた8ミリ撮影機は紛れもないこのEM40XLかあるいは EM60XLでした。(両者の外見は全く同じ)

本当に「火の鳥」の製作に使われたのか、それとも「手塚治虫物語」を描いた作家が作画の手本にしただけかは定かではありません。(オオノ隊員

EMシリーズは、他に20XL、30XLがありますが、これらは焦点あわせが目測。30XLは露出マニュアル調節ができますが、ボディ外部に露出指針があるので使い方は限定されます。
飾り気のない長方形のデザインから、外国ではときどきNIZOのコンパクトシリーズと比較して紹介されますが、NIZOのボディの高級感はなくプラスチック成形による安っぽさが目立ちます。

Sankyo EM40XL

安っぽさは映像製作には関係ないので使ってみると、EMシリーズはグリップを折ったままで撮影が可能、ミドルレンジからフェーダーが付いている、インターバルタイマーは段階が細かいなど、NIZOとの比べてちょっと利点があります。
私が使った限りの最大の難点は、ズームでしょう。手動ズームがあまりに軽すぎて、マクロ域までノンストップで動いてしまうのです。そして焦点距離が全体的
に望遠寄りで、広角アダプターが必要になることも多いでしょうね。なお、電動ズームは撮影用のモーターと共用しているのでしょうか?撮影時のみに動きます。

各社の廉価版のカメラだと、フォーカス合わせが目測だけだったり、また露出がオートだけだったり、コマ数が限定されていたりと、決め手にかけることがありますが、このシリーズに関して言うと一通りそろっている、というのはオオノ隊員ご指摘の通りです。
実際の使い勝手となると疑問に思うところもありますが、「ちいさくて軽いわりには高機能」な利点を生かす使い方があるような気がします。(マディ)

SPEC
発売 三協精機 昭和54年(1979年)頃発売
レンズ  EM40XL F1.2 9.2-37mm広角マクロ付き4倍ズーム フィルター径:52mm
EM60XL F1.2 7.5-45mm広角マクロ付き6倍ズーム フィルター径:52mm
ファインダー  一眼レフ式、視度調節可能、絞数値・露出過不足警告・フィルム給送確認
焦点調節  斜めスプリットイメージ式距離計
露出調節  TTL式自動及び手動 逆光補正 フェードアウト、フェードイン可能
撮影コマ数 18,24,36こま毎秒及び1こま撮影 ストロボ接点あり リモコン可能
インターバルタイマー(0.5-60秒)、セルフタイマー(10秒待ち5秒撮影と10秒撮影の2段階切替)内蔵。

特徴
オプションなど

EM40XLの方は別売の0.75倍ワイドアングルコンバーター、1.5倍テレコンバーターが使用可能。両コンバーターはズーム全域で使用可能、革ケース、金属キャップ付きのデラックスな作り。

単3電池4本 外部電源使用可

大きさ 800g
定価 EM40XL 54,800円 EM60XL 67,300円

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