期限切れ8ミリフィルムを何とか使う!自家現像ワークショップにお邪魔

イベント

2016年2月21日、自家現像のワークショップにお邪魔してきました。

三軒茶屋KENで行われた、『銀鉛画報会 FILMワークショップ2016@KEN』


今回のポイントは、期限切れの生8ミリフィルムを活用することであります。

基本的にフィルムは生もの。フィルムに塗られてる薬品=乳剤は、時間が経つと劣化してしまって、元々の性能が発揮できなくなります。

カラーフィルムなら正しい色が出なくなったり、さらに劣化が進むと感光してもまったく絵が出なくなります。
多少の期限切れは大丈夫なのですが、今回のフィルムは極端に古いものもばかり。さて、どうやったら使えるのか?

講師は、大西健児さん。座学の後、撮影に行きます。

使ったフィルムは、


左から、コダック Tri-X。これは使用期限内の奴。比較用ですね。

小西六 サクラクローム160 使用期限忘れましたが、そもそも80年代頭に生産終了してるんですから、30年ぐらい前です。

富士フイルム シングル-8 R25サウンド 使用期限1981年!35年前でこれが一番古い奴でした。かなりレッドゾーン。

富士フイルム シングル-8 RT200サウンド 使用期限聞き忘れました。

期限切れにもほどがあります。結果が思いやられるテストです。

【撮影隊】

大西健児さんをリーダーに、撮影隊3名+記録係のワタシの計5名。みんなカメラ持ってるから、すごく異様であります。

注意としては、「古いフィルムは、露出開放で撮る」だそうです。
とにかく乳剤のチカラが落ちてるので光を必要とするわけですね。

暗い室内で撮った場合は、現像処理時間を延ばして調整するそうです。

せっかく同時録音フィルムですので、電車撮ったりします。
ワタシも10ftぐらい撮らせてもらいました。

【古いフィルムの現像のつぼ】

座学でいろいろと大西健児さんから教わりましたが、こういう風にまとめられると思います。

[1]期限切れの古いカラーフィルムは、カラーリバーサル現像すると、緑一色で何も像が出ない。
(シングル-8 R25などを、TETENAL COLORTEC E-6互換三浴キットで処理した場合など)

ワタシの経験ですと、2-3年ぐらいの期限切れは大丈夫っす。それ以上だとなんとなーく色がおかしくなってきますね。10年以上になるとぼちぼち怪しくなってくる。

今回のフィルムは10年は超えて20年以上前のフィルム。とてもカラーで絵が出てくるとは思えないので、

[2]カラーフィルム→モノクロリバーサル現像してみる。
そうすると、カラーでは像が現れない古いフィルムでも、像が現れるそうだ。

さらに、5本のうち2本は35年ぐらい前の超超古いフィルム。モノクロリバーサル現像に耐えられず痛んじゃう危険性があるそうだ。
なぜならば、リバーサル現像は、ネガ現像の後に何工程もあるからだ。

そのため、
[3]カラーフィルム→モノクロのネガ現像してみる

もう、ここまで来ると像が出るか出ないか?の瀬戸際です。ネガ現像してみて絵が出ればラッキー!という域に入り込んじゃってます。

”大昔のフィルム現像します(※但しモノクロネガ像に限る)”というのは、このためなのですね。

とうぜん、映写したらネガ像。通常はテレシネしてビデオ作品で仕上げることになります。

フィルムは生もの。期限切れフィルムはやっぱり安心して撮れないのが大前提ですよ。

【さて!現像行程】

ということで、一番古い1981年期限切れフィルムはネガ現像します。

ネガ現像は、コダックのモノクロネガフィルム現像用のコダックD-76デベロッパー(現像剤)と、コダックフィクサー(定着剤)を使いまっす。
カメラ量販店でも売ってる、学校の写真部でも使っていたようなありふれた薬剤とのことです。

他のフィルムはすべてリバーサル現像。

モノクロリバーサル現像はとても行程が多くて、キケンな薬剤も使うので処方や行程は割愛します。(※写真はイメージ)

今回は、大西さんのお手本に従って、イケメン二人がチャレンジであります。

ダークバックの中で、撮影済みのフィルムマガジンからフィルムを抜き出して、現像タンクの中に入れます。


いろんな現像液とか定着液とかアレとかソレとか使って現像したり洗ったり何やらかんやらしますと…

あら、こんな真っ白なフィルムになったりします。これは、第二次露光してる最中ですね。この真っ白けのフィルムがモノクロのフィルムになるんですから不思議です。

いろいろ処理終わった後、像を確認してる体験者の方々。

【現像後の上映】

1980年代期限切れフジクロームR25サウンドをモノクロリバーサル現像。フォーカスが合ってないのはワタシのせいです。1980s_r25_reversal01

新堀ギターの看板の右上は現像ムラです。

サウンドトラックは問題なく録音できています。

1981年期限切れのフジクロームR25サウンド。ネガ現像だと、こんな仕上がりでした。なんだかわかんないですね。

反転して、グレースケール仕上げにするとこんな感じです。

これは比較用。モノクロフィルムの現行商品、コダックTri-Xの現像です。もう少し長い時間、第1現像を粘った方が良かったそうです。
映写画面撮影ですのでフリッカーで絵柄暗くなってます。
2016_tri-x_reversal01

ワタシがずっこけてるのを見事とらえてます。

「変な人たち!」と横目で観てたお嬢さんたち。

【今後の予定】
次は、3月21日と、4月17日に自家現像ワークショップを行うそうです。
コダックVISION3をクロスプロセスしてリバーサル仕上げする裏技テクニックも披露予定とのこと。

今後の予定は、三軒茶屋KENのサイトでご確認下さい。

【ご注意】
自家現像には、有害な薬品を使います。また、廃液も人体に有害です。本記事は自家現像をむやみに勧めるものではありません。
しかるべき手順を踏みながら細心の注意を持って作業をし、事後の適切な処理が出来る環境で初めてトライできるものだと思います。

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