ZC-1000はレンズ交換式。採用しているのはCマウントというねじ込み式のマウントです。世の中にごろごろしているCマウントレンズは、ZC1000に使えるのか?検証してみましょう。
Cマウントの誕生は16mmカメラとほぼ一緒。長い歴史を持ちます。構造が簡単で汎用性が高く作りやすいので、今でもバリバリに新しいレンズが作られ続けています。監視カメラ、工業用カメラ、学術研究用、医療用レンズ、望遠鏡のアタッチメントなどのバリバリ業務方面のビデオカメラ向けが大半。
民生用のビデオにも採用されてます。昔々の家庭用ビデオカメラ、まだカメラとデッキがセパレートになっていた時代にはごく一般的に。ぐっと時代は下りますが、ソニーHandyCam EVC-X10と言う8mmビデオカメラで採用されたり(京セラのOEMアリ)、さらに最近になりますが、1996年発売のデジタルスチルカメラNEC PC-DC401なんてものでも採用されています。
てなわけで、簡単に言ってしまえば縦横無尽に採用されてきています。しかしその汎用性ゆえにバリエーションが多くて困ります。マウントサイズは同一でもバックフォーカスが変わっていたり、後玉が前後する設計だったりともう様々。
レンズ外部のちょっとした出っ張りがカメラにぶつかってはめ込めなかったりとか。
どれがZC1000に使えるか、細かく調べればわかるのでしょうが、「現物あわせ!」と覚悟決めていった方がいいです。
キヤノン製「CANON TV ZOOM LENS J6x11 11-70mm f1.4」約6倍ズームレンズが付いてます。
はずすとこんな感じ。奥に見える四角いのは撮像素子ではなくてその前にはめてあるフィルタ。素子はもっと小さいです。
さっそくZC-1000に付けてみましょう。
これが普段のセットで、
こちらがキヤノンレンズに入れ替えた場合。
一回り小さくなって、取り回しがすごく楽です!ZC-1000も、こういう商品展開をすればよかったのになあと。グリップが簡素な折りたたみタイプで5倍の明るいズームレンズ付きで「ZC-500」とか。
このレンズ、かなり暖色系のコーティングをしているので、暖かく豊かな色が出ます。元々のレンズセットでは緑色が印象的なのと好対照。キヤノン518SVあたりが好きな方にはたまらないかと。
ただ、このレンズは絞り切りの位置に回しきると絞りがロックされてしまいます。上記のカメラ側からのアイリスコントロールの関係らしいですが、これがたいそううっとうしい。あと、マウントの向きの関係で、距離目盛りが下になってしまいます。これは、ビス止めのマウントを付け直せばいいのですけどね。
そんなわけで、身軽ではあるが、実撮影に手間がかかるこのセットは2003年に組んでテスト撮影後は登場することもございませんです。
他にも、キヤノン、フジノンのCマウントレンズを装備したビデオカメラはたくさんありました。あの重くて仰々しい10倍ズームレンズが気に入らない方、発色傾向が気に入らない方、また明るめのレンズがホシイ方は、チャレンジの価値ありかと。
また、Beaulieuの8mmカメラに装備されているアンジェニューやらシュナイダーやらを付ける手もありますね。
ちなみに、HosukeFilmさんの 「HosukeFilm 8mm」ではBeaulieu5008SのレンズをZC1000に付けてます。
コメント
マディさん、こういう企画待ってました!
非常におもしろい記事ですね。自分は若いので8mmビデオに昔Cマウントが採用されていたなんて知りませんでした。
よかったら他の組み合わせも紹介してください。
他には持ってないんです、使えるのは。
たくさんリリースされた8mmビデオカメラのうち、たった1機種、京セラのOEMを入れても二台しかありません。レンズの値段ばっかり立派で、肝心の本体がぱっとしない性能だったように記憶してます。