改訂:朝日新聞のシングル8終焉関連記事

10月20日付けの朝日新聞にシングル8終焉についての記事が掲載されたそうです。
その記事は、asahi.comで読むことができます。

http://www.asahi.com/culture/movie/TKY200610200237.html

見出しに「待った!」とうたってあるとおり、「待った!」と言ってる側の事情と態度が書かれています。それはそれでいいのですけど、富士写真フイルムさま側の取材記事が読めるかと期待してたあたくしにとってはちとものたりない記事でございました。

富士さんの言葉としては、生産・現像機器の老朽化が限界にきたからです、というシングル8幕引きの理由が要約されて書かれています。

老朽化ねえ。この理由を読むたびに、それは***を***から***してないからでしょ?と問い返したくなるのですがねえ。まあいいか。富士写真フイルムさんの代わりに何か申し上げる立場でもなし。この日記の趣旨でもないし。


この記事にはあともう一点において、「一方的」だと思います。それは、

スーパー8のこと。

ほとんど書かれてないんですよね。だからこの記事だと、

「シングル8の終焉=8ミリの終焉」と誤解される可能性がある。

んじゃないかと思うのです。

スーパー8は終わる気配ありませんよー。


「シングル8だよ!シングル8がなくなったら困るんだよ!」というのは記事内で触れられています。

そう思っている人にとっては「シングル8の終焉=8ミリの終わり」ですね。

でも、対比が明確でないと、切実さがよく伝わらないと思うのです。


スーパー8やダブルスーパー8じゃダメだ、シングル8じゃなきゃだめなの!
でもそれはなぜ?・・・と言うところがつたわんないと思うのですよね。

もしかしたら、シングル8ユーザーの切実なところをきちんと表明できていないせいなのかも知れません。そしてもしかしたら・・・そんな切実さなんかないのかも知れません。

スーパー8ユーザーさんはこれ読んでどう思うのだろうか。
もしかしたら奮起するところかも。「シングル8なんかと一緒にするな!8ミリ全部が終わるように報道されるのは心外だ!」とかね。

そう思ったらちゃんと口に出して言わなきゃいけないんですね。 


そんなわけで、メディア様に期待する前にやることいっぱいありそうなのですがそれはさておくとして、少なくとも「もう一方の事情」があるというのをふまえていただいて、朝日新聞さんには追撃記事をこしらえていただきたいと切に思う次第でございます。
  

[PFFとかイメフォとか。そして忘れがちだけど大事なのは]

記事の中には、過去の映画祭などのイベントなどで受賞した作品の回顧展などが盛況、と書いてあります。

8mm自主映画出身で今は劇映画の監督をされている方は何人もおられます。そしてその中には、その手の上映会イベントの受賞者の方もおられるのですが、受賞していない方も多いわけです。いや、受賞した方なんてのはごく一部ですよね。落選の方々の方が多いわけです。
となると、受賞者だけの回顧録ばっかり、というのは、「8mmというメディアが何をもたらしてきたか」を考えるためにはどうも片手落ちになるのではとあたくしは常に思っております。

もし、お手元に80年代のぴあがあれば、ひっくり返してみてください。応募作品一覧に、いっぱい見知ってる名前がありますよ。具体的には言いませんけど、こー言う方の営みも無視しちゃいけないと思うのです。

そして、もっと無視しちゃいけないのは、出品など一切関係のないところで撮られてきたフィルム。ホームムービーとか。個人的な記録とか。日記とか。
 いったいどれだけの風景と人々の営みがフィルムに定着されて、そのまま忘れられているのか。撮影者が亡くなった後で、形見分けにすら入らずゴミとして処分されるフィルム・・・。

最近、そんなことが気になってしょうがないです。

富士写真フイルムさんはその手のことは気にならないのかな。

コメント

  1. オオノ隊員 より:

     エクタクローム160スーパー8が日本国内で販売中止になった時,あたかもすべての8ミリフィルムが製造中止になったような新聞報道がなされた。
     コダクローム16mm幅フィルム(110サイズ,16ミリムービーフィルム,DS8)の国内現像が中止になった時,コダクロームスーパー8フィルムも国内現像が中止になったと説明していたカメラ屋があった。これが本当にコダクロームスーパー8フィルムの国内現像中止をはやめるきっかけにもなったと思われます。
     コダクロームスーパー8フィルムの国内現像が中止になった時,どういうつもりか「さよなら8ミリ映画」という映写会を行った人がおり,これがカメラ雑誌で報道され,あたかももう8ミリを撮影することができなくなったかのような印象を与えた。
     コダクロームサウンドフィルムの製造中止が発表された時・・・カメラ雑誌では「月刊カメラマン」にしかその記事が載らなかったような記憶があるが,ちゃんと,「サイレントフィルムの製造は続けられる 。」と正確に報道されていた。唯一のまともな例といえるでしょう。他社が不正確な報道をしなかったのがかえって幸いで,でなければまたすべての8ミリフィルムが製造中止になったような印象を与えたことでしょう。
     ともあれ,マスコミの不正確な報道のおかげで,(8ミリに限らないんですけれどね)もう8ミリを使うことはできないんだと誤解をして,8ミリを止めてしまった人がどれだけいることでしょう。
     しかし,現在はインターネットの環境があるのでこの点,救いがあります。
    ということで,スーパー8をもっともっと宣伝しましょう。

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