劣化に強い兼用映写機を探して…ELMO VP-A編

映写機

エルモVP-Aです。

エルモには「VPナントカ」と銘打った、小ぶりで軽量な廉価版映写機シリーズがあります。これはそのひとつです。

こいつの最大の利点は、逆プレッシャー映写機だということ。
通常の映写機は、フィルムベース(フィルムの土台)方向に押さえつけるので、厚さの違うフィルムではフォーカスがずれます。
しかし本機は逆に乳剤面を基準に押さえつけます。

vp_01.jpg

ですから画が現れてる面の位置がいつも固定されるので、フィルムベースの厚さに関係ない映写が出来るという仕掛け。
早い話、シングル-8とスーパー8をつないでもフォーカスが乱れないのです。原理上。
やむなく二種類のフィルムをつないで上映しなくてはならない場合などは役立ちます。

というわけで、可搬性の高さと逆プレッシャーと特長のあるVP-Aですが、
この個体は入手直後はベルトが溶けてぼろぼろ。しかも複雑に延々とベルトが張り巡らされてる構造で、元の姿がさっぱり見当が付きませんでした。

なので、本サイトの写真協力いただいている、は☆なさんから模範修理法を教わって、ベルトを買ってきてしこしこと制作。

※2012年追記。ここに貼ってあるベルトのかけ方は間違いです。
正しくは
http://8mmforum.film-tech.com/cgi-bin/ubb/ultimatebb.cgi?ubb=get_topic;f=1;t=004699

こちらを参照して下さい。

しばらくぶりにウレタンベルトを買いに渋谷東急ハンズに行きましたが、オレンジ色のベルトがない。
代わりに透明オレンジ色のを買ってみたが、材質が堅くて、うまく曲がらない。
なので、池袋東急ハンズで改めて不透明オレンジ色のベルト見つけて購入。

■映写機のベルトについて

もともと映写機ベルトは、V型断面のゴムベルト(Vベルト)が多く、そのVの部分がプーリーの溝にしっかり食い込んで摩擦で力を伝えていきます。そしてゴム製ならば、ある程度は伸び縮みするようになってる。

一方、写真左の、透明ウレタンベルトは硬くほとんど伸びないので、もともとのゴム製Vベルトにり似ていない。

右側の不透明のオレンジ色ベルト(写真が悪いですがもっと鮮やかなオレンジです)は、びにょーんとよく伸びるし、表面もねちねちしてて摩擦十分。断面は円形だからプーリーにがっちり食い込みはしないけど、このねちねち感でプーリーに密着してくれるようです。

なので、これがコストと入手の簡単さで現段階のベストと考えてます。所詮はこれサイレント機種。まったくもって問題ないでしょう。でももっといいのが見つかったら報告します。

で、現物あわせで長さ調節。仮につないでみて、はんだごてで溶かして接着していく。
はみでた部分はニッパーや爪きりでちまちま削っていくのがよい。カッターやはさみでは、材質がプリプリ弾力性高いので、刃が逃げてさっぱり切れません。100円均一で爪切り買ってきましょう。

さて、一応の完成をして、駆動させてみる。…がしかし、やたらと動作音がうるさい。ガアアアアアーと鳴ってしまう。
いろいろ調べると、ギアがうまくかんでない。少し浮いてるのだ。(写真の一番大きいギアが噛んでない)

このギアをしっかりとかみ合わせるためには、赤いリバースボタン(このシリーズ独特の、正転と逆転でギアを入れかえるためのボタン)をぐっと手前に引き続けないといけない。しかしそんなのずーっと続けるのは無理。指痛いもの。

↑指、痛くなるからいやだ。

しっかし、なんでこんなことになってるのか。その赤いリバースボタンは、ギアを引っ張っている引きスプリングにつながってるのですが、ひょっとしてこのスプリングの力が弱くなって、しっかりギアを引っ張れていない・・・とか?

(試しにスプリングにつながる金属棒を引っ張るとギアは固定される…下写真参照)

また、駆動ベルトが緩すぎて、しっかりギアを押さえつけられていないのか?
(ベルトを引っ張ると、ギアはしっかりとかみ合います…下写真参照)

というわけで、本機種は構造に問題があるのかどうかさておき、うまく修理できていないので現在放置中。適当な代替えスプリングは見つからないので、まずはベルトの長さを調整して、実験してみたいと思います。

もし本機に興味のある方は、中古を選ぶ際に通常のポイントに加えて特に、

1.逆転と正転がちゃんと動くか
2.ものすごく異音がしないかどうか

これらに注意して、いい品を選ぶといいと思います。

繰り返しになりますが、小さく軽くて持ち運びに便利な上、フィルムの厚さが違ってもピントがずれない(かも)という利点のある本機は、ちょっと気になるのです。

取り急ぎ次の機種の検証にうつりまーす。

コメント

  1. ぽんた より:

    始めまして。
    VP-Aのフィルム駆動ベルトは同ページで紹介しているサイトのかけ方は間違っています。
    ベルトは縦軸の金属プーリー左側の3つあるプーリの真ん中のプーリ―は下にベルトを通します。
    後はマディ折原様の写真でOKです。
    逆転ボタンは押して操作します。

    • muddy orihara muddy orihara より:

      コメントありがとうございます。ちょっと確認させてください。8mm Forumと言う英語サイトで説明してるベルトのかけ方が間違ってる、と言うご指摘ですか?
      それとも「このばね?」と手書きで書いてある当方の写真のご指摘でしょうか?

      • ぽんた より:

        英語サイトのベルトのかけ方は間違いです。
        あなた様のかけ方のほうが正解に近いですが、先の指摘の
        プーリーの上にかかっているベルトは下側に通します。
        それにより逆転操作が正常になると思います。

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