よく、8ミリ映画機材を寄贈戴きます。 使えそうなモノは希望される方に譲ったりしてますけど、このキヤノン514XLは、電池の液漏れで内部が腐食していた、痛ましいご遺体。研究のためターヘルアナトミア。分解してみました。
※注意※
修理するならば、ちゃんと手順や元々の取り付け位置などを丁寧にマーキングしていかないといけません。
下の目隠し銘板をはがすとネジが隠れてます。
側面ネジ、底面ネジらを外すとパネルが外れます。
うわー。思ったより激しい液漏れ!基板も電線も腐食してサビだらけです。レンズの裏にも液漏れが回って汚れてます。
※緑色の部分は、液漏れの影響です。
今度は逆側のパネルも開けてみました。同じように貼り革をはがしてネジを一通り外します。
これは外したパネル。ダイヤルが付いている側です。
レンズは裏からカビと液漏れで汚れていて手が付けられません。やっぱりこの個体はとことん、ジャンクですねえ。
さて、ジャンクだとなれば分解もどんどん大胆にざくざく進められます。レンズもバラしてみましょう。
そもそもこの個体は前玉のリングが空回りしてます。
ねじを外して リングを外してみますと。
直に前玉を動かそうとしてもガッチガチに固着してて動きません!前から攻めていくのを辞めましょう。
プリズムです。レンズに入ってきた光を表面鏡で反射して、このプリズムを通過してファインダー側に光が導かれます。8ミリカメラは大体この構造になってます。プリズムも汚れてますね…
カメラ上部のズームレバー周りのねじを外して、
レンズ上の「CANON 514XL」銘板の下のネジをはずすと、
こんな風に上部のパネルが外れます。
銘板の裏アタリ。この機種は銘板をはがして何か調整するようになってるのかしら?
こっちが銘板を外した本体側。先ほどのプリズムが見えます。
レンズユニットが取り付けられてるボディ前部と、後部をはずします。駆動モーターからつながる動力シャフトがこれです。たぶんはずれるんでしょうがなんかうまく行かなかったのでここはぶった切りました。
ボディ前部からさらにレンズユニットだけ外した状態。
レンズユニットを外してみました。なんだこの腐食具合は…
レンズを後ろから順に分解していきます。カビあり。
試しに、カビを「水の激落ちくん」拭いてみたらでキレイに落ちますが、結構pH高いアルカリ溶液なのでたぶん、使っちゃダメですよねこれ。ガラス溶けてないか?レンズのマルチコートひっぺがしてないか?といろいろ心配にはなります。たぶん清掃方法として間違ってるはず。お勧めしません。
ここもカビがしっかりと。そもそも裏から分解しないと清掃できないところのカビが生えた8ミリカメラは修理とか考えない方が気が楽。
絞りユニットをはずしてみました。この奇妙なカタチの黒い板2枚が重なって動くことで、絞り値を変化させるのです。
支点に当たるところには、サーボモーターがあります。
絞りをサーボモーターで動かすからサーボEEとか呼ばれるのですね。
ボディ後部です。右下の金属部品は駆動モーターです。
ここまでバラして、後はしかるべきゴミ分類をして廃棄しました。
コメント