7月15日に8ミリイベント「よこえれいなx平野勝之 2019 cinematheque」が鷺宮Artspace & Cafe MUSAで行われるのでお邪魔してきました。よこえさんは8ミリ女子を自称する大学院生。平野勝之さんはご存じカントクであります。この2人のイベントは「3分20秒~記憶の小さなカケラたち」に続いて2回目でありますね。
さて、会場のある鷺宮駅前にはフジカラープリント フジビデオテープの看板と、
今は亡き日立マスタックス(日立電気のビデオデッキのブランド名)の看板があったりします。映像にゆかりのある地なのかしらと期待させます。
会場はこちらのArtspace & Cafe MUSAというところ。腰痛に耐えて歩いてたら完全に見過ごしてました。
入り口には、ダブル8カメラ用モノクロリバーサルフィルムのFOMAPAN R100 が爆安の1本2100円で売ってました。よこえさん作の8ミリフィルムを加工したアクセサリーと、平野カントクの「由美香」関連CDなどなど、こちらもなかなか買えない品が。
何も段取りしてないと前置きしてトークがスタートします。 ちょっとカメラ談義などを経て、平野勝之さん、よこえれいなさんがそれぞれのダブル8カメラMOVIKONで撮ったFOMAPAN R100のテストフィルムを披露。
写真は、よこえれいなさん作。フィルム映像とデジタル音源のズレを示したモノ。そして、2017年秋「ヒカルオンナ」上映会ほかで披露した、インクジェットプリンタとOHPシートで作られた8ミリフィルムの上映です。さらに、ループ化されたフィルムが映写中に消えるパフォーマンスが行われました。
「映像が消える?」って種明かしすればなんのことはない、プリントされた映像を拭き取って行くだけなのですが、毎回消え方が違うので面白い。
今回は特に、にじんだインクが光学サウンドトラック部分にはみでて奇妙な音が鳴り続けました。そして映像がすべてぬぐい取られると音も消える。なんとも不思議な演技でありました。
トークの二人が上映スタッフを兼ねてたので、フィルム交換のたびにイベントが中断されて空白の時間がドンドン過ぎていきます。そこで 観客席から、どこかで見たことのある人が映写を買って出ました。
イベントの後半は、観客持ち寄りのフィルム上映でした。こちらの男性の幼少期の家族の肖像はモノクロフィルムによる1970年頃の映像でした。
わたくしも古めの映像を持って行って上映をしてもらいました。
そしてきわめつけは、別の方が持ち込んだ、ナチス党めきめきと頭角表してた頃のドイツ駐在の日本人の記録映像。街にはためくハーケンクロイツ(ナチスのカギ十字紋章)やら、当時の登山服装やら1カット1カットが歴史。おそらく1930年代の映像だろうと思われますとのこと。
主催の平野さんもおおびっくりの貴重映像。
さて、ダブル8と言うフィルムフォーマットの登場は1932年です。昭和7年。満州国が建国され、五・一五事件が起き、ナチス党は圧勝し、世界はこれからどんよりとした時代に突入していくまさにその頃であります。
映画「ナイトミュージアム2」でおなじみの女性飛行家アメリア・イアハートがアメリカ大陸単独横断無着陸飛行を成し遂げた年でもあります。希望と未来の展望にあふれた年でもあります。
ということは、一気に80年近くの歴史を垣間見たイベントだったということかしら。
いやいや、どう受け止めるかなんてのは主催者も意図してないことでありましょう。
ですが、 ただひとつ誰にとっても明らかなのは、ダブル8のフィルムは今も尚製造販売されて、入手して撮影して楽しむ事ができるということです。
7/15/2019 8mm film event “Reina Yokoe & Katsuyuki HIrano Cinematheque 2019”
Program:
DOUBLE 8 FILM PROJECTION(SHOT IN 2019)
EXPERIMANTAL MOVIE PROJECTION
FILM ERASE PERFORMANCE
1960’s 1970’s home movie
1930’s film shot in Germany during the Nazi regime
Display:Zeiss Ikon MOVIKON 8/Camex/EMEL/Zeiss Ikon projector
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