コダック娘の死・・・映画『虹の女神 Rainbow Song』


熊澤尚人監督作品『虹の女神』を見て参りました。
見ながらいろいろ思ったのでいろいろ書こうと思いました。
が、筋道通った話ができるわけでもないのでやめておきます。

このブログ的な切り口では、 この映画は、「コダクロームを愛した娘の死」を描いた作品と言うことができます。

劇中、上野樹里お手製のシングル8マガジンの姿がちらっと出てきます。 このカットが出るのは、彼女が自主映画を制作しているパートを描いた第三章「コダック娘」。
コダック娘の名前にふさわしく、ビデオで撮らないの?と質問する市原隼人くん相手に、コダクロームの色について一くさり語ってみたりしてます。説き伏せるのではなく、なんとなくフェイドアウトしてしまうあたりに、ははーんリアルだなあと感じさせます。

劇中映画の『THE END OF THE WORLD』は、シングル8マガジンにコダクローム40をハンドロードして使ったと熊澤監督は教えてくれました。  要するに、作品中と全く同じ手法です。

表現されているリアルな人物像を見るに、
作り手側と描かれているキャラの距離が近いなあ、と言う印象が大変強く伝わってきます。
演出も、ケレンを徹底的に省いたもので、まっすぐものを見ている感じです。この手放し感は昨今非常に気恥ずかしいぐらいにすがすがしいです。

【技術のこと】
8mmはブローアップせずに、一旦HDにテレシネあげてからHDで編集、完パケをこしらえてから上映用プリントを起こすという段取りだそうです。
上がった映像は・・・カットによってはビックリするぐらいキレイに上がってます。一部室内シーンでは「これコダクローム40の粒子と違うんじゃない?」というところもありましたが、HD-CAM撮影の本編はたまに明るい方の階調がのっぺりーしてしまっていることと比べると(意図的に色は抑えているようですが)、フィルムのカットの所々のみずみずしさはよいアクセントに仕上がっているなあと思います。

そうそう、テレビスポットで気になっていた上野樹里が使っていたのは、キヤノン310XL。普段のスケッチ的な撮影にはこれを使っていたのですね。
ZC-1000は友達と共同購入。 自室にはキヤノン1014Eか814Eが棚におかれ、映写機はエルモGS-1200。スプライサーはLPLステレオサウンドスプライサー。定番揃いですね。

 【そしてコダクロームの死】
最初に語らないよーと書きましたけど一個だけ。

上野樹里扮する佐藤あおい=コダクロームを愛した娘の死は、映像を志すがためによって引き起こされたものです。

それはコダクロームそのものの死と重なり過ぎます。

いえ、作中ではそんな振りはないのですが。ないのですが。

どうも2時間、違う映画を見ていたような気にさせる作品です。

コメント

  1. は☆な より:

    わたしもあおいの死=コダクローム40の死と見えて、映画のストーリーとは別の意味でせつない物が有りました。
    劇中の8ミリ画像は8ミリから直接35ミリにプリントしたのでしょうか?

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