なぜフィルムフェッラーニアは5年間もカラーリバーサルフィルムをリリースできないのか その1

2020年2月10日 | By muddy orihara | Filed in: ニュース.

フィルムフェッラーニアと名乗るプロジェクトは、かつて存在したイタリアのフィルムメーカー、フェッラーニアの古い施設を使い、かつてリリースされたスコッチクロームをベースとした写真用の35ミリと中判カメラ用の120ミリ、映画用のスーパー8、100フィートの16ミリのカラーリバーサルフィルムを製造して届けるというキックスターターを主催して、全世界5582人、322,420ドルを獲得しました。(フェッラーニアは多くのフィルムブランドのOEM製造を行っていた。アメリカの3Mブランドでリリースされてたスコッチクロームも同様)

そのお届け予定は2015年。ところがいまだに当初の宣言は達成されていません。

フィルムフェッラーニアは、何もしなかったわけではありません。
彼らは潰れた元のフェッラーニアの施設を使って、ASA80のモノクロネガフィルム「P30」をリリースしました。これは1960年代にフェッラーニアで作られていたクラシカルなフィルムの改良版のようです。

しかし、カラーリバーサルフィルムは2020年2月現在、まったくリリースされていません。
当然、支援者はフェッラーニアに質問し続けます。それに応えるかのように時々、進捗のようなニュースリリースや、工場での作業過程の映像とかが発信されていますが、肝心のカラーリバーサルフィルムのリリースについてはどうも遠回しな表現ばかりでした。

そして、5年が過ぎました。
フィルムフェッラーニアは、2020年、全5つからなるKickstarter Q&A Born to Liveシリーズというムービーをアップロードし始めました。
現在はエピソード4までがリリースされています。そしてエピソード5でフィルムフェッラーニアのCEO、ニコラ・バルディーニから最終的な回答が語られるようです。

一個一個、見ていきましょう。

EPISODE1

What we didn’t considered at that time was that in the meantime,
the entire context where we started the project suddenly changed.


フィルムフェッラーニアのCEO、ニコラ・バルディーニは、キックスターターを始めたときに予想もしなかったことが2つ起きたと語っています。

Change #1: Raw materials
With the Kickstarter campaign we acquired from the old Ferrania
chemicals we need for the first batch of color reversal film
But to starts we had a gentleman agreement
with the Ferrania Chemicals business unit
to produce chemicals for us

Done?
Well, that agreement never worked
so we remained with the small stock of sensitizers
that was enough to produce a small batch of color reversal
but not enough to produce more.
In few words we were forced to setup immediately
a small chemical synthesis facility internal to LRF

まずは、原材料について。
当初、旧フェッラーニアからカラーリバーサルフィルム用の原材料となる薬品を供給される紳士協定を結んでいたそうです。
ですが、(理由は語られていませんが)この協定は機能しなかったために、作れるとしてもごく少量のカラーリバーサルフィルム用の薬品しかゲットできなかったとのことです。
つまるところ、LRF(彼らのラボのこと)に、薬品施設を設置しなくてはならなくなった、とのことです。

Change #2: Converting
It’s also true that during the Kickstarter campaign
we acquired all we need to convert master rolls
in every photo and cinema finished products
But also in this case we had a gentleman agreement
with some third party industry to make the job in the first stage
The harsh reality was that agreemant never worked
because in the meantime the whole industry changed a lot
So again we were forced to start to have the full converting workflow in-house
that was a really challenging job.

2つ目は、マスターロールのコンバートについて。
マスターロールを35ミリフイルムとか120フィルムとかスーパー8とか16ミリに変換するために、第三者数社と紳士協定を結んでいたそうですが、それらの企業の状態の変化に伴って機能しなくなったんだそうです。つまりフィルムフェッラーニアはまたもや自社内でそれを解決しなくてはならなくなったとのことです。

Stating these two main issues that we didn’t think about at the beginning.
when we understood that we had the possibility to make a simpler product that shares the 90% of manufacturing process
with color reversal. 
The converting for P30 is exactly the same of color reversal of course
and the P30 has only 3 sensitizers against the 25 of color reversal
So it’s quite obvious that P30 was the perfect workbench to have the full workflow inside.

それらの2つのトラブルに鑑みて、カラーリバーサルフィルムの製造過程の90%をシェアする、もっとシンプルな製品を製造する能力は保持していることが判ったため、モノクロフィルムのP30の製造に切り替えたのだそうです。

P30に必要な感光剤は3種類、カラーリバーサルフィルムは25種類も必要なのです。

100 More Years of Analog Film
From our point of view, the best way to honour the name of our Kickstarter campaign is to setup the full production workflow internally in order to have the possibility to make any kind of film.
plus having on the market a real product like P30, so that we can sustain our venture from financial point of view.

アナログフィルムのさらなる100年
冒頭でカラーリバーサルフィルムをリリースすることがキックスターターで謳われたと書きましたが、彼らの標榜してるのは、「あらゆる種類のフィルムをさらに100年、製造すること」です。
「財政的な面からも、P30のような製品をリリースすること」はその目的達成のために業務を継続していくことになるんだ、と述べています。

Rewards
This is exactly what we are doing and also I have to say that without our backers support nothing of that would have been possible.
Also I want to assure that all rewards will be issued at the best of our possibilitities.

もちろん、これらの取り組みは支援者がいなければ不可能なことで、彼らはできる限り最高の報酬を、支援者に報いたいと語っています。
続きます→


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