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古いレギュラー8(ダブル8)フィルムを観るための準備その2 フィルムを接合する

「古いレギュラー8(ダブル8)フィルムを観るための準備」という記事を以前書きました。これは、リーダーフィルムがビネガーシンドロームでくちゃくちゃになったら、取り替えましょ!というご提案でした。

しかし、これを書いた2015年4月と比べて、レギュラー8(ダブル8)のフィルムを接合する用具が入手しにくくなりました。

ダブル8フィルムで制作する人少ないから、需要も無いんでしょう。

とは言っても、

セメントスプライスしてたのがバリッと割れてしまったり、
リーダーフィルムがビネガーシンドロームでダメになってたりとか、

編集済みフィルムの補修ツールとしての出番はちょこちょこあります。
と言うか、フィルムの劣化につれて出番増えてます当家では。

さて、なんか考えておこう。どうしたもんか。

さて、まずはそもそもの方法。レギュラー8用のパッチテープスプライサーと、パッチテープがありゃ、カンタンです。

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これらのレギュラー8用スプライスセットは、LPLで当時販売されていたモノです。(テープはHPのOEMだけどね!)
どっちもとっくの昔に販売終了してます。

しかし、どうもこのLPLのスプライサー、近頃あんまり見かけません。
そもそも、レギュラー8用テープスプライサーとスプライシングテープが入手しにくい。

R8用パッチテープは海外ではまだ売ってる。
もっと補足すると、ロールテープを使うスプライサー、そしてロールテープも存在しますし、新品が販売されてます。
ただ、わざわざ新品の高いスプライサー買うのもちょっとなあ…

というわけで手元にありそうな機材と消費財の組み合わせでなんとかできないかな…と考えるのであります。

まず、16mmテープスプライサーで出来ます。でも、16mmスプライサーを入手するハードルが高いっすね。

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もうひとつの正しいスプライス法=セメントスプライスについて。LPLのセメントスプライサーは捨て値で転がってます。当家にもいくつかあります。
でも、接着剤であるフィルムセメントはその辺に売ってない。コダックもhamaもカタログには乗せてるし、販売終了じゃあ無いんですが…いろいろと買いにくいのよ…

というわけで、異種格闘技戦を考えついた。LPLのセメントスプライサー+R8用パッチテープでも出来るんじゃないか?というわけでこれを試してみよう。

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ペンギンさんマーク時代のLPLロゴ付きの激古スプライサー。

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まずは、ふるーいリーダーフィルムをかけてみる。

ちなみにこのリーダーフィルム、萎縮し始めてましてうまくパーフォレーションがはまりません。これらの劣化が映写トラブルを起こすのであります。

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はい、出来ますね。後はテープのHPという紅いところをつまんで上方向にひっぱって貼り付けて、今度は紅いHP台紙をはがして、外したフィルムの裏側に巻き込むように貼り付ければ終わり。

というわけで、レギュラー8用のパッチテープが入手できれば、スプライサーはその辺に転がってるセメントスプライサーを、パーフォレーションの位置決めガイドとして使うだけでキレイにスプライス出来ることが分かりました。

ビネガーシンドロームその5 フィルムコンディショナー薬「VITAFILM」

すでにビネガーシンドロームに罹患してしまったフィルムをどうするか?

もしかしたらこれがひとつの解決になるのかもしれない、というものがありそうなのでまずは一報まで。

それは、米カリフォルニアのスチュワート・モーションピクチャー・サービス社がリリースしてるフィルムコンディショナー薬品「VITAFILM」。

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Stewart Motion Picture Services
http://www.stewartmps.com/vitafilm/index.html

広告にはこんな説明文があります。

VITAFILM
Film Conditioner and preservative for new & old film
Cleans and preserves all Color and B&W films.
Adds life to old film, removes brittleness and dryness.
Lubricates and in most cases, will CURE vinegar syndrome, when used as directed.

ビタフィルム
新しいフィルム、古いフィルムに対応したフィルムコンディショナー&保存薬
すべてのカラーフィルムとモノクロフィルムをクリーニングし、かつ保存します。
古いフィルムに活力を与え、脆さと乾燥を除きます。
潤滑剤として機能して、指示どうりに使用すればほとんどの場合ビネガーシンドロームを治します。

例によっていい加減な翻訳で恐縮ですが大体こんな意味かと。それにしたって・・・ビネガーシンドロームを治す???そんなの出来るの?

FAQにまさにそんな疑問があるので読んで見ます。

2) Why does VITAFILM stop Vinegar Syndrome when other products do not?

    Vinegar Syndrome is simply the film base breaking down into it’s original components, cellulose acetate and acetic acid (it is the acid that gives off the vinegar smell). VITAFILM halts this chemical reaction by acting as a stabilizer.

なぜビタフィルムはビネガーシンドロームを止められるの?

ビネガーシンドロームはフィルムベースがもともとの素材セルロースアセテートと酢酸(お酢のにおいはこのせい)に分解すること。ビタフィルムは安定剤としてこの化学反応を止める。

・・・うーん、「なんでウルトラマンは強いの?」って尋ねたら「ウルトラマンは強いからだよ」って言われたみたいな気がします。しかも広告文では治す!と書いてありながらも本文内では「止める」ですからね。

また、この薬剤を取り上げてるサイトが少なく、使用感が分かりません。

このおクスリは、当ブログおなじみのヴィットナーからも買えるのです。
http://www.wittner-kinotechnik.de/katalog/03_verbr/b_kitt.php

ついでがあったときにダメでもともとで買ってみようと思ってます。
なんだか藁をも掴む感じになってきたなあ。

ビネガーシンドロームその4 富士フイルム乾燥剤「KEEPWELL」

すでに劣化し始めたフィルムを、今後どうやって保存すればいいのか?
いろいろ探ってみたところ、富士フイルムから発売されてる乾燥剤「keepwell」キープウエルにぶち当たりました。
これは、調湿シートというカテゴリで湿度を30-40%に保つ機能を持ったお薬です。

用途は、写真フィルム、プリント、ビデオテープ、フロッピーディスク、CDディスク、カメラ、レンズなどの長期保存とあります。

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単純にガンガン乾燥させるだけでなく、湿度を適度に調節する機能を持ってるのでありますね。TACフィルムのベストな湿度はコダックの先日のレポートに寄れば30-40%。それ以上湿っぽいとビネガーシンドロームを起こしやすくなり、またうんと乾燥した状態だと薬剤の方に悪影響があるのだそうです。

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さらに、湿度調節だけではなく酢酸ガスを吸収する作用もあるそうです。

http://fujifilm.jp/business/broadcastcinema/mpfilm/related/keepwell/qanda.html

一袋にシートが5枚入っていてシート一枚は4つに切り分けられます。
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袋のウラには、16mmだったら1枚で30.5メートルが4缶と書いてあります。
8ミリは16ミリ2本分として60メートル、200フィートのフィルムが4缶に一枚の計算で使えるのでしょう。逆に計算すれば、200ftの作品一つの缶にシート1/4切れでOKということでしょう。

また、このシートは薄いのでLPLやチェリーのプラスチックケースの中にも入れられそうです。

早速これをタップリ導入してみました。シート5枚入りで735円。2年か3年使えるというので、もしかしたらコストパフォーマンスもそんなに悪くないのかもしれません。

フィルムがすっぱくなるビネガーシンドロームその3

さて、このビネガーシンドロームは、当然写真用のフィルムにも起きている事で、分母が大きいので一般的に深刻な問題だろうと思われます。
そして一般的ではありませんが、考えようによってはもっと深刻な状況なのは、マイクロフィルム。
図書館に行くと現物を見られますが、さまざまな文書を小さくして保存しておくために、超高密度の写真を撮って保存していたのですね。これがマイクロフィルム。

これらが重要な書類が読めなくなるキケンな事態にさしかかってるのであります。

そのため、より深刻で突っ込んだ議論と分析がされてるようです。

ネットをあさってみると、ビネガーシンドロームをはじめとしたフィルム劣化の傾向と対策をまとめた文章を見つけることが出来ました。
本家本元、コダックのレポートです。

マイクロフィルムの長期保存 劣化とその対策/コダック株式会社
http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/pdf/lecture_no18.pdf

 

他にもマイクロフィルムについてはいくつかありましたが、わかりやすいのを。

文書管理通信
http://www.bunkan.jp/pic/59/index.html

 

小型映画フィルムはどうでしょうか?
映画フィルムの修復及びテレシネの業者株式会社吉岡映像さんでは、作業実績からまとめたものを公開しています。

吉岡映像 小型映画フィルムの修復とテレシネに挑む
http://www.oldfilm-saver.com/challenging.htm

 

しかし、すでに酸っぱくなり始めたフィルムの処置をどうするのか、冷凍保存して劣化を遅らせるとかちらっと言及がありますが、冷凍は怖いのでさておき、具体的に対応可能な方法が見つかりません。

できれば回復したいし、なんとか進行を遅らせることが出来ないだろうかこの21世紀に。もうちょっと探索を続けてみます。

 

フィルムがすっぱくなるビネガーシンドロームその2

ナカバヤシのCAPATYというプラスチックケースからフィルム全部取り出して、内側を手でなでたら、変な粉っぽいものがイッパイついた。

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これはなんだろうか?

もしかしてフィルムが分解して出てきたガスが固まったものかしら?
金属のフィルム缶だと、フィルムが分解したときのガスでさびることもあるそうです。
それとも、富士フイルムのカビ防止剤が気化したのがさらに固まったものかしら?

いいものなのか悪いものなのかさっぱりわかりません!

取り急ぎ、ケースは洗浄。

酸っぱくなりかかったフィルムを虫干ししてみました。
方法は簡単。フィルムのケースを開けて、風通しのいい日の当たらない部屋に放置しただけ。
すると半日でフィルムはにおわなくなってたのでこれでなんとかなるかな・・・と、
ケースのふたをした。
翌日念のために嗅いで見たら…やっぱり臭いですねすっぱいですね。

不可逆な劣化でありますからねえ・・・なんとか食い止めることが出来ないものか。

フィルムがすっぱくなるビネガーシンドロームその1

90年代アタマに撮ったフィルムが酸っぱく臭くなってしまった。

 

昨年映写した際には気にならなかったのだが、正月に保存用のビニール袋を開け、ケースから出したら、「ムッ」と酸っぱい臭い。ビネガーシンドロームのはじまりだ!

ビネガーシンドロームは、TACベースフィルムが、高温多湿の環境である一定以上保存されていると、フィルムベースが化学変化を起こして酢酸を生じて劣化していくと言うものとのこと。

ベースが劣化していくのでフィルムがカールしたりゆがんだりまるで乾燥わかめのようになり、そのうち上映できなくなる。柔軟性が失われてすぐ切れるようになる。

ひどくなった例。これは先日購入したレギュラー8フィルム。

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昭和37年~38年撮影の富士写真フイルム(当時)のモノクロフィルムであるネオパン。こちらはぐっちゃぐちゃにゆがんだ上に猛烈に臭かった。

この頃のネオパンは写真用フィルムでも劣化が深刻でネット上でもいろいろな方が憂慮している。それはともあれ1962~1963年と言えば半世紀も前。

一方ワタシのは1990~1991年のコダクローム40やエクタクローム160A。たかが20年前だ。こんなに早くビネガーシンドロームの魔の手は襲いかかってくるモノか?

焦って他のフィルムをチェックする。
・・・あれ?現像所から上がってきたサービスリール(50ftのリールね)に巻いてある奴は全然臭くない。別のリールに巻いたモノでもケースに入れてないモノは臭くない。

・・・密閉してたものがダメなのか???

VinegarSyndrome.jpg

まとめてみた。この写真で一番左の上にある、リールむき出しのものと、その下のサービスリールのものは全然臭くない。

左から二番目のものはちょっと臭い。
一番左下のサービスリールに巻いてあるものと同じと思うだろうが、状況が実はちょっと違う。
リールに切れ目のある方がケースに隠れている状態で保存されていたモノなのだ。

アップの写真で説明しよう。

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左のリールは、フィルムを軸に引っかけるための切れ目がある側が上になっている。右のリールはその切れ目がある側が黄色い蓋上のケース側に隠れている。

ビネガーシンドロームで生じるのは酢酸ガス。やっかいな事にこの酢酸ガスがさらに触媒となって劣化を加速させる。いっぺん発症すると坂道を転がるように、自ら発したガスで一気に症状が進行してしまうのだ。

だからこのガスが生じた際には密閉していない方がいい。空気の入れ換えがあった方がいいということになる。(空気を含む一切のガスにさらされない状態があれば望ましいのだろうか・・・)

さて、一番上の写真に戻るが、左から三番目のプラスチックリールに巻かれて透明プラケースに入れられたモノ、これはにおいがする。さらに完成した作品はこのケースをビニール袋に入れて、中にフジカラーカビ防止剤を投げ込んでいましたが、これが一番臭い。

そもそもですが、ワタシはフィルムの保存にはナカバヤシのCAPATY DRY BOXというのを使ってます。毎年梅雨時には上記カビ防止剤と乾燥剤を入れ替えております。

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fujicolorkabibouhi.jpg

hakubakabiboushi.jpg

まあ、それでもダメだということなわけで、新たな対策が必要だろうと思います。

そして、すでに発症してしまったフィルムをどう対処するか?
テレシネして保存することもいよいよ本格的に考えなくてはならなくなってきたが、その前にフィルム自体を「治療」もしくは症状の進行を抑える方法は無いものだろうか。

正月から気の重い8ミリネタでスタートする、film club blog。

今年もよろしくであります。