ダイレクト撮影式のテレシネは、フィルムを直接撮影する方法。
他の家庭向けテレシネ、
スクリーン撮影式・半透過スクリーン撮影式・エリアルイメージ撮影式は、
素材フィルムとビデオカメラの間に、
1.映写機レンズ
2.スクリーン/半透過スクリーン/エリアルイメージ用の片凸レンズのどれか
と、それぞれ2行程も介在するため、どうしても素材フィルムのデータとは異なって行ってしまいます。
ならば全部取っ払って、フィルム直接撮影しちゃおう、
フィルムに出来るだけ忠実に、出来るだけ解像度が高い映像をえられるはずです。
直接撮影式をすでに導入して、実績をおもちのお二人、
HosukeFilmさん 『HosukeFilm 8mm』
アキオさん 『家庭で出来る高品質テレシネの研究』
お二人のご協力にて、今回の実験は成立してます。
[使用機材] 一番のポイントは、フィルムを直接撮影するためのマクロレンズ。
HosukeFilmさんがいいレンズを推薦してくれました。
マクロレンズ…オリンパス 80mm F4マクロレンズ+エクステンションチューブ
35mmフィルム一眼レフ用のレンズです。
ビデオカメラ…ソニーDXC-390
Cマウントレンズ交換式の3CCDカメラ
レンズアタッチメント…OM-Cマウントアタッチメント
マウント変換用です。製造終了品なので、HosukeFilmさんが貸してくれました
映写機…オリテックTV-515
今回はレンズの実験なので、この映写機じゃなくてもいいのですが。
[セッティング] 意外にすぐ終わるが固定が大変
映写機のレンズをはずし、レンズを装着したビデオカメラで映写機のゲートに覗いてるフィルム面を狙います。画面いっぱいになる位置とフォーカスを探れたら、カメラを固定して終了。
[結果] シャープな画が撮れるが問題点あり
レンズが優秀で、かく余計なものが中間にないので、非常にシャープな画が撮れます。いい傾向であります。 しかし…まだ実用になりません。問題点山積みです
[問題点と課題] 振動抑えと、映写電球探し
問題点は、映写機の振動。もともとこの映写機、指で触れただけでグラグラします。
マクロレンズで撮影すると、映写時の間欠運動に合わせて、振動がダイレクトに画に現れるのです。なんとかしてこれを抑えなくてはなりません。
もう一つの問題点は、映写機が明るすぎること。
オリテックTV-515は12V100W電球ですが、10枚羽根できわめて投影時間が短いことと、電球の前に乳白色ガラスがはめ込んであり、光量をぐっと落としてます。
でも、それでもだめ。明るすぎます。
オリンパスの80mmレンズは、f32等の小絞りでは画が極端にぼけます。f5.6辺りが一番シャープです(露骨に画質があがります)。
しかしそれでは全く以て白っぽい画面で、かつハイライト部は明るすぎるのか、CCDがまぶしくて悲鳴上げているかのように、白くぶっ飛んだ上にぼんやりとにじんじゃってます。
ですので、映写光量をもっともっと下げないといけません。
[他のテレシネ法との比較と展望] 研究継続決定。問題は固定と光量。
いい半透過スクリーン用意しても輝度の高い映像は再現できない半透過テレシネ
片凸レンズの色収差が出てしまい、映像周辺部の色ズレが起きるエリアルイメージ式
良くも悪くもお手軽なスクリーン再撮影式、
それぞれの問題解決するのは難しいんですが、
直接撮影式の問題点は割とシンプルに解決しそうです。
というわけで、研究続行。
うまく使えるようになれば、人の作品もテレシネ出来るサービスの提供法を考えたい。
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