Canon Autozoom 512XL Electronic
キヤノン初のXLタイプ8ミリカメラ。XLはeXisting Lightの略。今そこにある照明で、特に撮影用の照明がなくても撮影できるという意味で、コダックが1971年に提唱した方式。
通常の8ミリカメラのシャッター開角度より広げた220度以上に加えて、明るいレンズを搭載したもので実現しています。
「シャッター開角度が広い」は、スローシャッター気味になってるってことです。
通常より長時間露光ぎみになってるから、暗い場所でも露光稼げる、という仕組みです。
当然、通常のシャッタースピードで撮影するよりは動きの激しいもののを撮った時はブレが際立つことになるわけですが…「気にならないでしょ?大丈夫でしょ?」というメーカー側の提案なわけですね。
Overview
レンズは9.5ミリから47.5ミリのやや望遠よりの5倍ズーム。
重さは電池入れて1.4kg程度と8ミリカメラとしては中型ぐらいです。
撮影コマ数は9,18fpsと約36fpsのスローモーションと1コマ撮り。
つまり、24fpsは省かれてます。
1コマ撮影時には、別途リモート撮影用のケーブルが必要です。キヤノンこれちょくちょくあるのよね、本体だけで1コマ撮影できないのが…。リモート撮影用ケーブルは自作できます。
タイマー関連は装備されていません。1014エレクトロニク他用のキヤノン純正アクセサリー、インターバルタイマーEやセルフタイマーが使えます。
でも、純正アクセサリーがなくても、リモート端子に自作のタイマーを使っても動作します。
フィルター解除はおなじみの赤いプラスチックねじをねじ込んで行います。このねじは本体底部に普段はねじこんでおきます。時々中古でこのねじが欠品のものが見受けられますが、代用は簡単です。
グリップは折り畳み式。電池は単三電池4本。
感度設定は
人工光用 : ISO25 40 64 100 160 250
昼光用 : ISO16 25 40 64 100 160
ISO250までなので、VISION3の500Tはダメっすね…。
デイライトカートリッジも自動で読み取って内蔵フィルターを解除します。ので、エクタクローム100Dはフィルムを突っ込めば使える、という構造になってます。
フィルムはファインダ側から押し込むタイプ。サイレントカメラなのでサウンドカートリッジは装填できません。
Impression
このカメラ要注意です。
シャッター回りで不具合が起きて、まともにフィルム走行できないものが散見されます。
経年劣化のせいなのかよくわかりません。
明るいレンズにほどよいスペックで使い勝手よいんですがね…中古の流通数も多いようですが、不動品をつかむ可能性かなり高いです。
Spec
使用説明書及び、キヤノンカメラミュージアムからの転記です
型式 | スーパー8方式 8ミリシネカメラ | |
画面サイズ | 4.2×5.7mm (映写画面 4×5.4mm) | |
使用フィルム | スーパー8 (サイレント・アフレコ)カートリッジフィルム | |
レンズ | 焦点距離 / 明るさ | 9.5~47.5mm 5倍ズーム F1.2 (12群17枚構成/内稀元素ガラス11枚) スペクトラコーティング ラバーフード組み込み |
フォーカシング | 手動(前玉回転式) 1.2m~∞ | |
マクロ撮影機構 | ズーミングリングをワイド端で更に回してマクロ範囲に切り換える、撮影距離はレンズ先端より50mm、画界38.6×53.1mm | |
ズーミング | 電動ズーム(約6~10秒)およびズーミングリングによる手動 回転角約120゜ | |
ファインダー | 型式 | 一眼レフ式(アイカップ付き) |
距離計 | スプリットイメージ式距離計 | |
視度調節 | -4~+2ジオプター | |
ファインダー内情報 | 絞り数値、高低輝度警告マーク | |
EE機構 | 方式 | CdS使用TTL測光方式のEE、使用フィルムとコマスピードに連動する自動絞り機構 |
測光範囲 | ISO250 F1.2 9コマ~ISO25 F45 スローモーション(36コマ) | |
フィルム感度 | カートリッジによる自動セット | |
人工光用 : ISO25 40 64 100 160 250 | ||
昼光用 : ISO16 25 40 64 100 160 | ||
CCAフィルター | 人工光用フィルムを昼光下で使用するためのカラーコンバージョンA(CCA)フィルターを内蔵、デイライトカートリッジ(昼光用)による自動解除および外部除去可能 | |
絞りの手動調節 | EE-手動切り換えリングにより任意の絞りで撮影可能および絞り切りによるフェードイン、フェードアウト撮影可能 | |
フィルム駆動 | 方式 | 高性能マイクロモーターによる電動フィルム給送 |
コマスピード | 9、18コマ/秒、スローモーション(約36コマ/秒)および1コマ | |
電源 | 単3乾電池 4本使用、グリップ内に収納、駆動、電動ズーミングおよび測光兼用 | |
撮影本数 | 常温で約10本 (1コマ撮影は約1本) | |
フィルムカウンター | カートリッジ着脱に連動する自動復帰順算式 | |
バッテリーチェッカー | 専用ボタン押しミニメーター表示式 | |
シャッター | 開角度 | 220゜ |
ソケット | リモコン用、1コマ用ソケット兼用 | |
切替スイッチ | 安全スイッチ兼ランニングロックおよび1コマ撮影の切り換え用 | |
安全装置 | EE警告、フィルム送り確認窓など撮影のミス防止用 | |
リモートコントロール | リモートスイッチ60およびリモートスイッチ3により可能 | |
グリップ | 折りたたみ式 電池収納室兼用 | |
大きさ(幅×高さ×奥行) | 79×118.5×255mm | |
質量 | 1275g(本体のみ)、1350g(電池含む) | |
コメント