『A都市の彼女』という8ミリ映画のクラウドファンドと2022年の8ミリフィルム事情

A都市の彼女 ニュース

REDCAP大森さんからご相談あり

よこえれいなさんを通じてREDCAPの大森さんという方から、
年末あたくしにご相談が参りました。

あたくしがブログダウン中でがっかりしてたころです。

大森さんからは、パワーポイントでこしらえた企画書付きでメールが届き、

「映画を8ミリフィルムでこしらえるのにクラウドファンドを設けようとしてる」
「海外に現像を出そうと思うけど、海外の現像事情について知りたい」

というお願いが書かれていました。

前述の通り、あたくしのブログはダウンしてたので、以前書いた世界の現像所データ引っ張り出せなくて、記憶にある海外現像所から、いくつか心当たりを列挙してまずはさくっとご返信。

その後どうなったのかなあ…REDCAP…って検索しても出てこないなあ…とか思ってたんですが、
この度、クラファン関連のtwitterアカウントができて、どうやら資金調達スタートしたことがわかりました。

まだ作ってない映画『A都市の彼女』(仮題)関連のアカウント

このアカウントも関係ありそうです。仮想空間

なんだ早稲田かそれを早く言ってよ

とりあえずこちらのアカウントを読んでみたところ…

なんだ稲門シナリオ研究会なのね。
んで、早稲田映画研究会と稲門シナリオ研究会連動での製作なのねと。

この早稲田の老舗映画サークルは今でも連動するのねーと、
懐かしい響きとともに、変わらぬ関係性になんとなくほっこり。

サイトもありますねえ。
Filmmakers Redcap

シングル-8終焉の歴史をおさらい

REDCAPのサイトを読み進めると…あー。うーん。気になるところが出てきちゃった…。


2014年に富士フイルムが8ミリフィルムの規格「シングル8」の生産終了と現像サービス終了をアナウンスし、

https://redcapofficial.wixsite.com/redcap

うーん、大して損得ないよなあと思いながら、気になっちゃうのでまとめておきます。

富士写真フイルム(当時)がシングル-8事業を終了する流れはこうなってました。

まず最初は2006年。

2006年4月25日「シングル-8用フィルム「FUJICHROME R25N」「FUJICHROME RT200N」販売および現像終了のお知らせ」

ところが強い継続要望があったので、

2007年1月10日に「販売及び現像サービス終了延期のおしらせ」をリリース。

あくまで、終了の延期なのがツボ。事業継続はしないという宣言でもあります。じゃあ、いつ終わるのかといえば…


2009年6月2日に「シングル-8用フィルム「FUJICHROME R25N」「FUJICHROME RT200N」販売および現像終了のご案内」で、フィルムの最終出荷時期と現像サービス終了時期がアナウンスされたのです。

そして、2013年9月30日に富士フイルムとしてシングル-8事業は完全終了

辞める→辞めるのを延期する→マジ辞める→辞めた!という風な経緯。

そして2013年に、シングル-8はホントに終わったのであります。

2022年現在、スーパー8以外にも8ミリフィルムは製造販売されてる

現在ではコダック社が生産している「スーパー8」のみを残すこととなりました。

https://redcapofficial.wixsite.com/redcap

一方、ここはこのままだとせっかくの機会がもったいない話なので補足します。

フィルムメーカー自身が製造販売している8ミリフィルムと限定しても、
ダブル8
ダブル(ラン)スーパー8
の2フォーマットを製造販売してる会社があります。

FOMAですね。

FOMAPAN R 100
is panchromatically sensitized black and white reversal film of the speed ISO 100/21°. It is distinguished by very fine ...

また、ORWOが映画用カラーフィルムの製造を2022年再開すると2021年末に宣言してます。

これには「8mm」と明記されてます。スーパー8なのかなんなのかわかりませんけど、

8ミリフィルムを作ってるのはコダック社だけでもないのです。

フィルムメーカーに限定しなければ、コダック社のフィルムを裁断してパーフォレーション空けて8ミリフィルムに仕立てて売ってる(当ブログでは「サードパーティ」と呼称してます)業者さんはけっこうあります。

まとめると、終焉したのはシングル-8だけです。他はまだ楽しめるのであります。

ぜひお楽しみくださいましなのです。

2022年以降のフィルムの行方

ここ数年、富士フイルムの銀塩商品がディスコンになるおしらせがちょこちょこ飛び込んで、どうも明るい未来が銀塩写真にはなさそうな気をずーっと持ってしまっています。

その一方でORWOが映画用フィルムを再開とか、なんじゃこりゃ。これはどういう動きなんでしょうかね。写真用フィルムと映画用フィルムの違いは業務用というところなのかしら?流通とか規模とかコストとかなんかいろいろと市場のなりたちが全然違うのかしらね。ほんの2000年ごろまでは写真用フィルム事業に映画用フィルムが乗っかっていたように勝手に思ってましたが、今はその把握の仕方も各社違うのでしょうね。

送り出し側はいろいろと商売を考えてるってことかしら?

さて、使う側としてはどんなもんでしょ。

REDCAPさんたちが、わざわざ不便な8ミリフィルムで映画を作ろうと企画したのには、強い思いがあったからなのではないかと思うのです。

その思いは、各人違うのでしょうね。

REDCAPさんたちは、思いを抱いて動き始めましたんですね。

注目していきます。

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