CANON Super8 514XL
OVERVIEW
キヤノンの小型5倍ズームベストセラー機。
長い期間にわたって販売されていた機種で、聞くところに寄ると、とてもよく売れたので設計者が社内表彰されたそうです。キヤノンは5倍ズーム機によくこなれた機種がありますね。
5倍のf1.4レンズを搭載してます。この時期のキヤノン機と似たコーティングのレンズ。マクロは広角側、望遠側どちらでも行けるというタイプの物。ズーム両端にマクロ域設定があります。電動ズームはカメラ駆動モーターと共用なので撮影中にしか動きません。
スプリットイメージ距離計付きで、ファインダー内は絞り値表示と走行表示、バッテリーチェッカーなどがあります。
TTL露出で、EEロックを装備。絞り値表示は514XL-Sなどとも似た、絞り値が刻まれた透明の円盤がファインダーの隅っこでぐるぐる回るもの。これは電源をオンにしていると勝手にぐるぐる回っております。
撮影コマ数は1.9.18コマ。構造的には電磁レリーズですが、機械式レリーズ穴しか使えません。
電池は単三乾電池二個。露出も兼用です。グリップは折りたたみ式。視度調節機能付き。
使用感など
EEロックだけなのが残念ですが、円盤形露出計の絞り値は結構等間隔に刻まれていてしかも間隔が開いているので、中間絞り値も読めます。露出計ではかった値に合わせたければ、適当にカメラをあっちこっち振り回してみて露出固定すればいいですね。
しかし、EEロックは回転式のレバーをずーっと押し下げていなくてはならないので、露出固定したままズームやフォーカス送りをする必要がある際には、右手親指でEEロックしながら左手でレンズをいじるという、ちょっとした慣れが必要です。ただし、カメラがきわめて軽くて保持しやすいのでなんとかなるでしょう。
いじった機種がとてもくたびれたジャンクだったのでなんとも言えませんが電動ズームは使わない方が無難な気がします。フィルム走行用のモーターと共用なためでしょうか、電動ズームを使うと走行スピードが落ちるような気がします。
レンズはけっこうシャープでよい感じです。スプリットイメージも普通に合わせやすい感じです。フォーカスリングはかなり軽い感じに調整されているのは好き嫌いがあるでしょうが、高級機にあるような粘っこいグリス処理よりはすばやくフォーカスが合わせられるんだ、とプラスに考えておきましょうか。同様にズームリングもかなり軽いです。
このカメラは本来、旅行に気軽に持って行けるように開発された物だろうと思いますがその一方撮影コマ数に1.9.18fpsを装備しているなど、結構使える感じです。
必要十分な機能に小型軽量。しかも電池は単三電池二本でOKとなれば、普段から携行してスケッチする製作スタイルにはぴったり。手動露出や大望遠ズーム、スローモーション、フェードや巻き戻しなどの機能はいらないので、とりあえずちゃんと使える取り回しのいいカメラが欲しい、という方にはおあつらえ向きの一台でしょう。
流通台数が多い上に80年代にも流通していたので状態のよいものが見つかりそうです。
この機種は、エクタクローム64Tの感度ASA64には対応していませんので、注意が必要です。
一方、エクタクローム100Dは完全対応しています。フィルムカートリッジを挿入するだけで、設定されます。
発売 キヤノン 1975年10月発売
レンズ 9~45mm F1.4 広角マクロ・望遠マクロ付き。電動手動ズーム可能 最短撮影距離1.2m
ファインダー 一眼レフ式
焦点調節 スプリットイメージ,視度調節可能
露出調節 TTL。Cds露出計 オート、EEロック可能
エクタクローム64T対応NG
エクタクローム100D完全対応
撮影コマ数 1.9.18
特徴/オプションなど 小型軽量 セルフタイマー内蔵
大きさ 190×39×112mm 660g
定価 59,500円
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