2017年現在の8ミリフィルム状況

2014年現在の8ミリフィルムという記事から3年経った2017年、今年1月にエクタクロームの復活がコダックから発表されました。2017年度の第3四半期にエクタクロームをリリースすると言っております。

クラウドファンディングでカラーリバーサルフィルムを製造するとお金を集めたイタリアのFerrania(フェッラーニア)は、未だ工場設備の調整中です。モノクロフィルムをリリースすることにはなってますが、そもそものカラーリバーサルフィルムがさっぱり。

そして、数少ない映画用カラーリバーサルフィルムとして活用されてたAgfaのAgfa Aviphot 200Dは2015年に生産終了してます。

というわけで、前回の記事から3年経ってさらに厳しいです。
フレッシュな映画用カラーリバーサルフィルムがない状況が続いてます。

写真用フィルムを加工した映画用フィルムを積極的にリリースしてたドイツのヴィットナー(Wittner)が弱体化。

レトロ通販がフィルムのパーフォレーション空け機材を導入。富士フイルムのPROVIAを加工したフィルムをリリースしていますが大変高価です。

モノクロフィルムはラインアップ変わらず、各メーカーから相変わらずリリースされています。
コダックのカラーネガフィルムのラインアップも変わりません。

カラーリバーサルフィルムだけがどうも進展しない。
発表済みだけに、コダックの動きに期待したいところです。

■スーパー8フィルム商品

スーパー8はコダックの純正商品が製造販売されています。
ラインアップの、モノクロリバーサルフィルム1種と、カラーネガフィルム3種は数年前から固定されたラインナップですが、前述の通り、エクタクロームを復活させるとコダックが宣言しているので、大いに期待したいところです。

一方、中小の企業が写真用のフィルム原反を映画用フィルムに加工してる製品は数多くありますが、肝心の加工前のフィルムの種類が増えてないのでラインアップは微動したていどです。

コダック純正
コダック トライX(Tri-X)リバーサルモノクロフィルム
コダック ヴィジョン3 50D(Vision-3 50D)カラーネガフィルム
コダック ヴィジョン3 200T(Vision-3 200T)カラーネガフィルム
コダック ヴィジョン3 500T(Vision-3 500T)カラーネガフィルム
※2017年第三四半期にエクタクローム復活予定

ドイツ・ヴィットナー製(Wittner)


Wittner Pan R100 モノクロリバーサルフィルム(中身はFomapan R100)
Wittner B&W UN54 モノクロリバーサルフィルム(中身はOrwo UN54)
Wittner Konfekt Velvia 100 カラーリバーサルフィルム(中身はベルビア100)
Wittner Chrome 100D カラーリバーサルフィルム(中身はエクタクローム100D)

Wittner B&W N74 モノクロネガフィルム(中身はOrwo N74)
Wittner B&W PXR50 モノクロリバーサルフィルム(中身はたぶんPlus-X)

Wittner ORWO N74 Plus モノクロネガフィルム
Wittner Chrome 200D カラーリバーサルフィルム(中身はAGFA Aviphot 200D)

ドイツ・GK Films製 http://www.gkfilm.de/ http://www.cinevia.eu/


ADOX PAN-X100 モノクロリバーサルフィルム
Cinevia カラーリバーサルフィルム(中身のベルビア50Dが生産終了なのでぼちぼち在庫がなくなるはず)

アメリカ・PRO8製


Pro8/03 カラーネガフィルム(中身はVision-3 50D)
Pro8/07 カラーネガフィルム(中身はVISION-3 250D)
Pro8/46 カラーネガフィルム(中身はエテルナ VIVID 250D)
Pro8/47 カラーネガフィルム(中身はエテルナ VIVID 500T)
Pro8/13 カラーネガフィルム(中身はVision-3 200T)
Pro8/19 カラーネガフィルム(中身はVision-3 500T)
Pro8/22 カラーネガフィルム(中身はF-64D)
Pro843 カラーネガフィルム(中身はエテルナVIVIDだからこまめに在庫等確認した方がいいす
Pro8/92 カラーネガフィルム(中身はリアラ500D)

Super8/66 モノクロリバーサルフィルム(中身はTri-X)
Super8/88 カラーリバーサルフィルム(中身はAgfa Aviphot 200D)

プロ8社のYouTubeチャンネルはこちら。
http://www.youtube.com/user/pro8mm

また、マガジンに入れていないタイプのスーパー8規格フィルムも販売されています。
(ごく一部の特殊なカメラで使うか、または自分でマガジンにロードして使うなど)

■シングル-8フィルム商品

…富士フイルム純正商品はすでに存在しません。現像処理も終了しています。
残っているフィルムは、富士フイルム以外のごく限られた現像所、または海外の現像所、そして自家現像処理ができます。

サウンドトラックはありませんし、アフレコ仕上げできる業者もありません。

サードパーティ製商品もありますが、シングル-8マガジンに不向きな分厚いフィルムベースを採用したモノもあり、使用には注意が必要です。

レトロ通販製
Agfa 200 Single-8 カラーリバーサルフィルム(中身はAGFA Aviphot 200D)
Fujichrome 64T Professional Single-8カラーリバーサルフィルム(中身はフジクローム64T)
Astia 100F Single-8 カラーリバーサルフィルム(中身は富士アスティア100F)
Retro-X Single-8 モノクロリバーサルフィルム(中身不明)
シネビア100D(中身は富士アスティア100)

■ダブル8(レギュラー8)商品

ダブル8は1932年の誕生以来、一度も生フィルムがなくなったことはありません。
また、現在でもダブル8は、フィルムメーカー純正の商品があります。メーカーはFOMA。スチル写真用で知る人もいる、チェコのメーカーのモノクロフィルムです。

そのほか、上記のスーパー8やシングル-8のサードパーティ製品と同様に、スチル用フィルムを加工したものが多数発売されています。マガジンに入っていない分だけ、撮影時のトラブルは少なめです。

FOMA Fomapan R100 モノクロリバーサルフィルム
100フィート版
Wittner Chrome 100D カラーリバーサルフィルム(中身はエクタクローム100D)
25フィート/100フィート版
Wittner Chrome 200D カラーリバーサルフィルム(中身はAGFA Aviphot 200D)
25フィート/100フィート/400フィート版
Wittner TXR 200 モノクロリバーサルフィルム(中身はTri-X)
25フィート/100フィート
Wittner B&W UN54 モノクロリバーサルフィルム(中身はOrwo UN54)
25フィート/100フィート/400フィート版

■ダブル(ラン)スーパー8商品

FOMA Fomapan R100 モノクロリバーサルフィルム
33フィート/100フィート版

8ミリフィルム専用現像機で30年前のシングル-8フィルムを現像してみた-その4-

1988年に使用期限切れのシングル-8フィルム「FUJICHROME R25 SOUND」の現像結果は…

ちなみにリールはTAYLOREEL製。

もう一度おさらいしておくと、

テスト状況
・1988年9月に使用期限切れのFUJICHROME R25 Sound
・30年前から開封済み。最長30年間空気に触れてた
・途中まで撮影されていたので、追加撮影した
・追加撮影カメラはFUJICA ZX550 Sound。

チェック項目
・30年前のフィルムを現像したら画が出るか?色が出るか?
・既撮影箇所と、追加撮影した部分で違いが出るか?
・このカメラは今でも同録できるか?

現像薬剤 TETENAL COLORTEC E-6 3-BATH KIT
現像機材 Super8 Daylight Tank(=インスタゲン現像機)
現像手順(予定)
1.ドライウェル 3分
2.ファースト現像 6分
3.水洗 4回
4.カラー現像 4分
5.水洗 4回
6.漂白 4分
7.安定 5分

実際の行程(実際)
1.ドライウェル 4分ぐらいかかった
2.ファースト現像 7分ぐらい/現像液を十分に入れなかった
3.水洗 5回以上
4.カラー現像 4分
5.水洗 4回
6.漂白 4分
7.安定 5分

と言ったぐだぐだな行程で仕上がったのは…

ほのかにピンクだけど、とても透明なフィルム!

30年前に撮影された部分と、2017年4月16日に撮影された部分は、うっすら濃度が異なる
30年前の撮影部分はまったく像が見えない。
追加撮影部分は電車から外を撮ったところ…つまり絞り開放状態で屋外がピーカンで白飛び起こすような露光状況でかろうじて何か写ってるな…と言う程度。

コマを抜いてもまったくわからないため割愛します。

ファースト時で、現像液がタンク内に足りていないことを現像所の所長さんから指摘された。
後から継ぎ足すが、タンクが傾いていたために注いでもあふれてしまう。

そう、インスタゲン現像機は水平なところでないと作業できないのです。ここが最大のミス。

パーフォレーションの上に磁気帯があるのでわかりにくいだろうが、パーフォレーションの間が現像されていないようだ。本来、未露光で黒く残る箇所だが他の箇所も透き通ってしまってるところから考えるに、これは未現像だと考えられそうだ。つまり、現像液が触れてなかったようだ。

拡大してみてみる。マイネッテS-5エディタの画面でわかりにくいが、左側の帯が上記の未現像部分。中央は乳剤面が割れてはがれてしまってるところ。既撮影部分はこのように乳剤が割れてしまってるところが散見された。

指さしている部分から濃度が変わってるのがおわかりいただけただろうか。左側が追加撮影部分だ。

この辺りも、パーフォレーションから上が未現像のまま。(未露光の可能性もないわけではない)

未現像領域が太くなる。普通はここまで黒い部分は画面領域まで食い込んでこない。つまり現像出来てない。

エディタ画面では、はっきりと左側に黒い縦帯が入ってしまう。

うーん、いろいろと失敗しています。
インスタゲン現像機で現像するためには、下記の2点は必須で、

・水平な場所にインスタゲン現像機を置いて作業する
・現像液は十分に、しかも速やかにタンク内に注入し、速やかに排出する

そして、ボトル式の現像タンクとは、攪拌時間とか反応時間とかが違うかも知れない。

薄いピンク色で透き通っちゃったのは、フィルムが古いせいなのかワタシの作業がまずいのか分からない。だから、

・新しいフィルムでテストしてデータをとる

この作業が必要。

当家には1987年から開封済みのフィルムだってあるのだ…

それどころかシングル-8はまだこれだけ手元にあるのさ…ほとんどが90年代のストックで2000年代のフィルムは10本ぐらい。

しかし、この件を書いたところ、トルコから「80年代のフィルムなんてオレにとってはFresh Stockだ!」と少し変わった勇気をくださる人が出てきた。

また、古いフィルムはカラー現像をあきらめてモノクロネガフィルムとして使えばよいと、大西健児さんに以前から示唆頂いてる。やはり80年代のフィルムはもう厳しいのはわかってるのだ。

古いフィルムは用途を考えて楽しみたい。
新しいフィルムは国内外の現像所で適切に処理したい。

まだまだ試すことありそうですが、次回はもっと丁寧にやりましょう。

8ミリフィルム専用現像機で30年前のシングル-8フィルムを現像してみた-その3-

ガレージに見えますが現像所のはずです。

現像の仕方が書いてありますから、間違いありません、ここが世田谷の現像所です。

現像所と分かれば後は現像するのみ。さっそく撮影済みのFUJICHOME R25 SOUNDを抜き出して、インスタゲン現像機に装填します。

※写真のたこ焼きや金麦、一番搾りは現像には使用しません

すごく割愛しますが、現像はカラーリバーサルフィルムの標準処方であるE-6の互換処方でおなじみの、TETANAL COLORTEC E-6 3-BATH KITを使ってます。

他の現像体験者さんたちを横目に、いろんな現像液を入れたり出したり水洗したりを繰り返します。

 

そうそう、汎用タンクの場合の攪拌は、シェイカーみたいにふりふりしますが、

インスタゲン現像機はクランクを回して攪拌するのが違うのですよ。だから、軽くてらくちんです。思わず笑みが出ます。でも、そもそもこれでちゃんと現像出来るかどうかはわかんない。

もうフタを開けても大丈夫。キレイに巻き取れてるでしょう?練習の成果です。もう巻き巻きは大丈夫です。

ここまで分かったことをまとめますと…

■インスタゲン現像機で作業する弱点は…

1.水平なところでないと液が吹きこぼれる
2.現像液の口が小さくて、液の出し入れがしにくい

そして、ボトル現像と比べて、インスタゲン現像機を使ったときの利点を想像すると。

■インスタゲン現像機で作業する利点は…

1.フィルムの重なりによる未現像がないのではないか?
2.ぐちゃぐちゃにしないからフィルムのダメージが少ないのではないか?

というところ。ボトル現像にはときどき、これらの不具合があるのです。

作業は続きます。ここからは日中作業です。シングル-8フィルムはハレーション防止層=バックコート=バッキング=Rem Jetががっちりベース面に塗られてますのでこれを現像用スポンジでぬぐいます。すごくメンドクサイです。

洗った後に最後の処理。

乳剤面が上になるようにハンガーに掛けて乾燥します。

現像体験者があとからあとからやってきます。いつしか夜になりました…

そして、現像体験参加者は入れ替わり立ち替わり、夜になってもどんどんやってきて…

…終わりが見えません。そしてチェコのお客様まで登場で大混乱。

これではらちがあきません。上映会のために、フィルムをドライヤーで急速乾燥します。 

 

天井から、半透過スクリーンを垂らします。裏側からELMO GS-1200で映写スタート。現像所が屋外映画館に早変わりです。

裏側からなので左右は反転しちゃってます。

 

ネガフィルムを持ち込んだ人もいました。なかなかトリッキーな映像でしたね。

自家現像パーティはこれにて終了。さて、果たしてワタクシの1988年期限切れのシングル-8はどうだったのか…

 

8ミリフィルム専用現像機で30年前のシングル-8フィルムを現像してみた-その2-

8ミリフィルム専用現像機「インスタゲン現像機」のフィルムロード練習は完了。
お題の第2ステップ、30年前のシングル-8フィルムが果たして使えるか?にチャレンジ。

1988年に使用期限のシングル-8、 FUJICHROME R25 Sound。

しかもこれは、中古カメラ買ったら装填されてた奴。つまり、およそ30年間、空気にさらされてきた生フィルム。

おまけに撮影途中。まだ未撮影部分が残ってる。

こんなもん、まともに画が出るわけがない。でも、どれくらいダメなんですかね?真っ白?真っ黒?なんか見える?まったく見えない?

・29年前に撮影されてる部分は現像出来るか?
・新たに撮影した部分は現像出来るか?
・カメラはちゃんと録音できるかしら?

 

ワタシは同録フィルムがキライで1983年以来、人の撮影手伝い以外に自分では使ったことがない。34年ぶりの同録撮影であります。

次は三軒茶屋~次は三軒茶屋~。道々ちょっとずつ撮影します。

時々ガソリン補給します。

世田谷のとある路地に入ったらFUJICA ZC-1000で撮影してる人がいる。現像所はここに違いない。

ちょうどフィルムも終わった(なんて奇跡的なペース配分!)。さて、これからが第3ステップ。30年の歴史をひもとく現像作業にチャレンジ!

8ミリフィルム専用現像機で30年前のシングル-8フィルムを現像してみた-その1-

 

8ミリフィルム専用現像機=インスタゲン現像機を使ってみる

かつてはムービーフィルム用の自家現像タンクがいくつも売られていました。
その一つがこのインスタゲン現像機(元々は米国の”Super8Daylight Tank”)。

幅8ミリx長さ50ftフィルム用なので、スーパー8かシングル-8が現像出来ます。

日本で8ミリフィルムの自家現像にチャレンジする方の多くは、普通の写真用の汎用の現像タンクを使います。

海外だとLOMO UPB-1Aという真っ黒な土鍋現像機をよく見かけますね。これは8ミリ/16ミリ/35ミリも現像出来るなかなかタフな奴。

では、S8タイプフィルムの専用機であるインスタゲン現像機の使い勝手はどうなんだろう?

テキストはほとんど海外にもありません。これはもうチャレンジするしかないっす。

(玄光社 月刊小型映画1980年6月号より引用)

インスタゲン現像機は、フィルムをらせんの溝が掘られたスノコ状円盤に巻き巻きして、隙間に薬液を均等に流し込んで現像するという仕掛けで、上記のLOMO UPB-1Aと基本的な構造は同じ。

もちろん光は厳禁なので全部暗所で作業しないといけない。つまりは手探りだけでできるようにならないとダメ。

というわけで練習。まずは日中でテストフィルムを円盤に巻いてみます。

…うーん、なんだか釈然としません。
こんなに隙間がバラバラではダメだ。

均一に巻けてないと薬液がフィルムに均等に触れないよね?現像ムラを起こすはずだ。

やり直し!

…前半はキレイだが後半はダメ。指さしているところはフィルムが重なってしまってるから、ムラどころか未現像になってしまう。ダメ!ダメ!

再度トライ。試しに目をつぶって巻いてみると…

うわ…テッテ的にダメ。全部が芯に巻かれちゃってる。

どうしたらいいのかな…先ほどの数少ないテキストである、月刊小型映画1980年6月号のコピーをもう一度読み込むと、ここで使い方がそもそも2つ、間違ってることに気がつく。

 

どうやら写真左下のように、

○下のらせん円盤+透明の上円盤を組み合わせた状態でフィルムを巻かないとダメ

○フィルムの巻き癖に逆らってらせん円盤の溝に巻き付けないとダメ

で、やってみると…これでしょう!この均等な隙間。コレでいいはず。

フィルムのおしりはサービスリールに巻き込まれていたところに強い折り癖が付いてる。ここはどうにもならないから巻き込んだら切っちゃうといいかもしれない。

巻き込み手順は分かった。あとはこれがダークバッグ内で作業できるように練習しよう。

 

富士通Scansnap FI-5110EOX2を修理する

8ミリ資料整理に活用していたオートドキュメントスキャナーScanSnap

昨年夏にローラーのゴムが真っ黒に変色し、べとべとして紙を送れなくなった。押すとへこんじゃうんですもの紙が粘りついちゃって全然動かないの。

このローラー部分は交換パーツも用意されていないし、販売終了は2005年ですからメーカー修理も終了してる。

ダメで元々ですので、中国からとてもぁゃしぃパーツを安価で入手して交換してみる。

この機械はメンテナンス考えて設計されているようで、こつこつ攻めていけば分解できました。

まず、底面から基盤はずします。ケーブル断線と静電気に注意。

背面の樹脂ケースはずす。

フロント下部の樹脂パーツはずす

ここで、送り出しローラーシャフトをはずして、ローラー交換。

あやしい部品登場。

ぐりぐりとねじ込んでできあがり。

 

さて、今度はテイクアップ側。まず、背面の金属シールドをはずす。

スキャナユニットをはずす

小さい基板をはずす

テイクアップローラーのケースを外すとローラーのシャフトが見える。

ローラー交換完了

行程を逆にして組み上げ完了。摘出した患部はこちら。干しいもみたいにぶにょぶにょでねちょねちょ、しかも指でちぎれる元のローラー。

交換した部品は、表面がエンボス状になっててオリジナルのとはずいぶん違うけど、動作は問題ないっす。

これで、半年たまった資料の取り込み再開です。

コダックがスーパー8用とスチル用の「エクタクローム」カラーリバーサルフィルムの再設計&製造再開を発表

コダックがスーパー8用とスチル用の「エクタクローム」カラーリバーサルフィルムの再設計&製造再開を発表

2016年のCES(コンシューマーエレクトロニクスショー:国際家電見本市)で、新型スーパー8カメラの発表して世界中を驚かせたコダックが今年もやりましたです。
2017年1月5日(現地時間)、米コダックはエクタクロームの製造再開を発表しました。
メディアでは「写真用カラーリバーサルフィルムの復活」の方を重点的に取り上げていますが、コダックは映画用フィルムを重点的に語ってます。

こちらは米コダックの発表の日本語訳であります
http://www.kodakjapan.com/motionjp-news1701

ポイントは、

・12ヶ月の間にスーパー8用とスチル用のエクタクロームを再設計&製造予定
・最初の出荷予想は2017年第4四半期(10-12月)

ニュースでは製造再開ともっぱら言われてますが、コダックは「再設計」と言ってます。つまり、新型フィルムがリリースされるのでありますね。是非、改良されてることを期待します。
そして、最初の出荷が晩秋から冬になりそうですので、冬休みには使えるか使えないか…というところでしょうか。続報を待ちましょう。

ここ3年ぐらいの間、映画用のカラーリバーサルフィルム商品は払底していたのであります。
もちろんAGFAの航空写真用フィルム「Aviphot Chrome 200 PE1」を加工して、WittnerやSpectraが8ミリ生フィルム商品を作っておりましたが、加工元のフィルムはすでに製造終了。

イタリアのフェッラーニア社は相変わらずカラーリバーサルフィルムの製造再開に向けて工場施設の再建にまだまだ手がかかりそうな様子

そんな中での映画用&スチル用カラーリバーサルフィルムの復活。そして、フィルムメーカー自ら映画用フィルムとしてリリースしてくれるのはやっぱり安心感あります。

年末には是非日本のカメラ屋さんでもサクッと買えるようになることを期待しまっす。お正月を映そう♪

8ミリを生き抜く!シリーズその3:サヴァイヴァル8の座談会アンケートから読み解く

サヴァイヴァル8の第二回上映会イベント参加したり

過去のチラシ読んだりしましたが、どうもモヤモヤする。

ところが、サヴァイヴァル8の主催者さんもモヤモヤしていたらしいのです。

その痕跡は、会場で配布されていたアンケート資料に見つけられました。

座談会「みんなで話そう:8ミリフィルム制作の現状と今後」–出品作家からのメッセージ(プリント資料より1ページ引用)

第2回「サヴァイヴァル8」の開催を企画し、出品作品がほぼ集まった時点で、突然主催者の私たちに、出品作家の実際の状況をうかがいたい気持ちが生じました。
一つには主催者だけが勝手に「サヴァイヴァル」と騒いでいるだけで、当の作家の皆さんは案外平然と作品制作を行っているのではないか、とも思われたからです。
そこで、出品作家に対する意見聴取(アンケート)を行うべく、2016年10月25日、全員に依頼しました(メールによる。1名については郵送)。11月13日に行う座談会「みんなで話そう:8ミリフィルム制作の現状と今後」の具体的資料として先ずは役立てていただく。そればかりでなく、作家や観客を含めた皆様に、現状と今後の8ミリフィルムによる作品制作を考える際の参考になるのではないかと考えます。

座談会の前に出品者に「どう思う?」とアンケートを投げかけたのですね。残念ながら座談会は東京では行われなかったんです。生の声の代わりにこの資料をつぶさに読んで参りましょう。

 ご多忙でありながらも、15名からご回答を戴きました。お尋ねした項目は次のようです。
1.フィルムの入手方法は?
2.現像の仕方は?
3.カメラや映写機はどうされてますでしょうか?
4.その他の材料(スプライシング・テープ、リールほか)についてはいかがでしょうか?
5.8ミリによる作品制作の頻度、他メディアとの比率は?
6.8ミリフィルム制作の現状と今後に関して、考えていらっしゃることを述べてください

この6項目の問いかけの回答が匿名で掲載してあります。全4ページありますが全部載せちゃうと引用にならないので1ページのみ掲載します。

また、観客を含めた人たちに今後の8ミリによる制作を考えてもらうための参考とありますのを少し広めに解釈して、要約して伝えていこうと思います。引用の範囲内と考えてます。

1.フィルムの入手方法は?

ヤフオクで落札 3票
知人からもらう 3票
手持ちの在庫 6票

ヨドバシカメラなど 4票
レトロ通販 3票
シネヴィス 2票
海外の機材店 1票

(※複数回答があるので、人数より多くなってます)

一番多いのは、手持ちの在庫ですね。

もらう/ヤフオク/在庫の3項目ひっくるめて12票はすでに人の手に渡ったものの活用。
一方、ヨドバシカメラ/レトロやシネヴィス/海外専門店からの購入の10票は新品の利用でしょう。

2.現像の仕方は?

自家現像 10票
レトロ通販 5票

これは驚きでした。自家現像がこんなに多いのか!
サヴァイヴァル8の作家さんの傾向なのでしょうかね?
それとも8ミリに興味のある人のブームなのかしら?

現像代が高いのがトリガーなのかも知れませんが。

 

3.カメラや映写機はどうされてますでしょうか?

◎自分のものを使用
これがもっとも多い意見で、たとえばこんな感じで、

学生時代に購入したZC-1000/15年、10年以上前に買った機材

を使ってますとの回答なのです。
ただ、所有してる機材に加えて、最近買う方もいます。

そう言う方はこちらで買うようです。

◎中古を買う
中古カメラ屋
ヤフオク
リサイクルショップ(ハードオフなど)
蚤の市

中古カメラ店以外は動作保証がない品でしょうかね。

◎高くて買えない整備品
そして、業者が整備した品は高くて買えないようです。

整備品はどれくらい高いのか?そもそも売ってるところは?
これらは別途検証します。

◎もらい物
機材をもらうというのも4票ほどあります。

◎借りる
勤務先(学校)の資材 2票
夫の機材 1票
手持ちが壊れてて借りた 1票

壊れたから借りた/壊れたので今は持ってない

何らかの理由で、機材を所有しようと思わなかったようです。
借りるためには貸す人がいるわけで、8ミリは人と人との関係性で維持されてるのでしょうか?
◎修理
1名のみ、直せる範囲で直す
1名のみ、レトロ通販に修理依頼したが現在は受け付けてないと言われたそうです。
(レトロさんは修理受け付けますってページ消せばいいのに)

 

4.その他の材料(スプライシング・テープ、リールほか)についてはいかがでしょうか?

スプライシングテープは以前買った物を活用 9票

これが一番多いですね。
LPL/富士フイルムのスプライサー用の穴あきロールテープは製造終了です。しかし、レトロ通販が在庫売ってます。
パッチテープスプライサー用テープは海外で新品が各種流通してます。
穴無しのロールテープを使うスプライサーもありますし、まだもう少し大丈夫かなと思いますが、スプライサーの新品もないのよね。
一方、リールは新品ありますし中古でも(歪んでるモノも見かけますが)あまり心配しなくて大丈夫です。
海外から新品購入した方は購入先にMoment Catcher Productionを挙げてました。
http://www.momentcatcherproductions.com/
ここのサプライ用品はリーズナブルな価格で良心的です。

さて、ここまでは機材などの状況にどう向き合ってるか?の問いです。おおむね、今まで持ってたモノで製作をして、フィルムは手持ちがなければ買うようです。新たにちゃんと整備された機材を購入はしないのですね。

ただ、常日頃作っているのだったら、使える機材が手元にあるってことですし、フィルムの手持ち在庫があればわざわざフィルム買いませんよね?

では、そもそも今回の出品者は常日頃どう8ミリに向き合っていたのか?ソレについての問いが5番目です。

5.8ミリによる作品制作の頻度、他メディアとの比率は?

8ミリで製作することが多い/ほとんど8ミリ 3票
16ミリメインで8ミリは時々/ほとんど作らない 2票
上映会などのきっかけがないと8ミリは作らない 2票

他のメディアも手がけていて、8ミリの比率は10%ぐらいという意見が2票ありました。また、8ミリ製作は1-2年に1本程度というのが4票ほどあります。回答での頻度や期間のとらえ方が主観がバラバラなのでホントはまとめられないです。たとえば、これが「8ミリフィルムを年にどれぐらい撮影/現像しますか?」という問いかけとあわせて、「8ミリによる作品製作はどれくらいの頻度で、他のメディアとの比較」と問うたら、少しまとまった答えになったかも知れません。

しかし、
8ミリは作品を作るためだけに消費されてるのでしょうか?
出品作家も、8ミリ=表現ツール限定としてとらえてるのか?
これらの疑問が生じましたが、また別の機会に答えを探しましょう。

6.8ミリフィルム制作の現状と今後に関して、考えていらっしゃることを述べてください

数値化不可能ですので、アンケートから要点(とワタシが感じるところ)を抽出して列挙します。


フィルムが無くなったら製作やめるかも。30年分ぐらいストックすれば大丈夫か。


サバイバルゲームのような状況を楽しむ。


手持ち分を使い切るまで製作続ける。


8ミリ製作の予定無し。作りたくなったらその時の状況次第。


レトロ通販のフィルムで作れればOKだがスプライシングテープが心配。スーパー8で作ることも考えるがZC-1000が遊び甲斐のあるカメラなので…。8ミリとビデオは違うモノ。


フィルムの生産が続くことを祈る。


8ミリ他のフィルムやビデオとは別のアートフォーム/フォーマット。安定的な供給と現像サービスを保持して欲しい。


アナログでの製作方法レクチャーは学生時代にしか出来ない映画の原風景体験授業。


目に見える手で触れられるメディアは無くなっていく。フィルムでの制作はビデオとは異なるので道具が入手できなくなるまで楽しむ。作品の保管保存についての考えをお聞きしたい。


京都おもちゃミュージアムの8ミリワークショップで初心者の方が多く参加した。フィルムを知らない若い方にとっては新しく発見されたメディアなので、撮影や自家現像のワークショップを続けていく。


今回はカラーリバーサルフィルムで制作したかったために買い置きのシングル-8を使ったが入手困難なのでのびのびと制作出来なかった。撮影よりもフィルムを弄って実験することに興味があるので現像済みフィルムを再利用する作品作りをしたい。


30年以上前は8ミリは個人的なものだったが、今はもっとも社会的なメディアに変わったと実感。以前は自閉的な人向けだったが、フィルム購入や機材調達など、他者と関わらないと実現できないので、今は社交的な人に向いてるメディア。
8ミリで作りたいと思ったらどんな苦労しても作り上げる。不自由になってからの最近の8ミリ作品群にそれを感じる。


現状も将来も悲観的である。しかし作品を制作することは状況に左右されるものではないと信じている。
悪いなりに何らかの対処方法はあるはずで、それを探りながら制作を続けることが肝要ではないか。


今後も8ミリに限らずフィルムでの制作は続けていく。


8ミリでの制作はより難しくなると思う。かつては現像とフィルムが1000円程度でたっぷり使えた状況が作品世界を決定したが、
不自由になることで逆に8ミリにこだわらない自由さを手に入れたと思う。
自分で8ミリとデジタルで作れる作品は違うので、デジタルを試みて新しい世界を開けると楽しみにしている。


ワタシはこれらの意見をおしなべて「過去からの積み重ねを感じさせつつも前向き」だと受け取りました。
ただ「悲観的」と悲痛な叫びから始まるのが主催者の一人のようです。ここまで読み進めて来て、ようやくサヴァイヴァル8の主催者の立ち位置が明らかになったです。

そして、その悲痛な思いの主催者の呼びかけにそれぞれバラバラのスタンスで作家陣は答えていったのですね。

さてさて話は変わります。
本ブログは「おもしろい映像を作るには、8mmでも16mmでもDVでもHDVでもAVCHDでもPCでもMacでもAMIGAでもVRでも何でも使いましょう!とマディ折原が提案するサイト」であります。

「おもしろい映像」は、誰にとってでもいいンです。万人に「楽しい」と言わしめる商品的なアプローチもアリでありますし、自分だけがこっそり楽しむのもアリであります。 楽しみかたも自由ならば、その手段を選ばない…いや、積極的に選んで行きましょうよ!と言いたいのであります。楽しむ主体はこちらであると。状況ではない。

その割には8ミリネタばっかりなのはなぜか。それはフィルム映像を楽しむための情報が少ないと、もう10年前から全然足りねえジャンかと思ってるからです。

でも、 アンケートにあるように、8ミリという古くて新しいメディアを発見する方がいるのです

それはきっと、アンケートに答えた学校の先生たちの授業で楽しさを見いだしたり、それともサヴァイヴァル8のようなイベントで作品に触れたり、そもそも全然接点の無い人だって、アカシックの曲「8ミリフィルム」のようなマスに訴えるものから知るのでありましょう。

 

きっかけについては検証した方がよさそうですが、いずれにせよ、彼らはこの古くて新しいメディアに楽しみを見いだして、そこにアプローチしていくことを選んだ人がいるのですね。
自分もそもそも8ミリの生産が終わった年に始めた後追い組です。ワタシがわちゃわちゃやってることも、人様が楽しみを見いだすきっかけになればそれは大変嬉しいことであります。

こと8ミリについては不自由さな状況も楽しんむ余裕を持って、今現在の状況に向き合っていきたいと思っておりますし、誰もがいろいろな経路から8ミリの楽しさに新たに気づくのであれば、もう少し幅広く楽しんでいこうかとワタクシも考える年初であります。

8ミリを生き抜く!シリーズその2:第1回「サヴァイヴァル8」振り返ってみる

8ミリを生き抜く!と高らかに宣言する8ミリフィルム作品上映会「サヴァイヴァル8」の第1回目の存在は私まったく存じませんでして、ネットを検索するとチラシが出てきました。そして、チラシにはこんなメッセージが書かれていました。さて、第2回サヴァイヴァル8で感じたモヤモヤはスッキリするかしら…

8ミリフィルム作品上映会「サヴァイヴァル8」
(2014年11月15日 於ASYL)

長い間身近な映像制作手段として親しまれてきた8ミリフィルム。簡便ですが、独特の画質と相まって多くの作家たちを魅了してきました。しかし、今では存亡の危機にさらされています。すでにカメラや映写機などの製造はなく、昨年には国産のシングル-8のフィルム販売や現像サービスが終了しました。致命的であったと言えます。
それでも8ミリフィルムを活用しての映像制作は、こうした事態に及んでも途絶えることはありません。困難な状況下にあっても、多くの作家たちがそれぞれの仕事を継続させているのです。自分で現像したり、あるいは、直接フィルム面に描いたり、さらには、新規に装置を開発したりと、多様な展開が見られます。8ミリフィルムの全盛期には見られなかった、新たな局面が出現していると言って良いでしょう。
この「サヴァイヴァル8」は、昨年福岡で開催した上映会参加作品を元に、各地の最新の動向を加えて構成したものです。8ミリフィルムの可能性は汲み尽くされているわけでもなく、むしろ今後のさらなる活動が必要と思われます。永遠に続く逆境の中、いかにして制作を存続させるか、出品作品それぞれが、この問いに答えようとしています。

なるほど、この宣言文は、8ミリの歴史をある程度知ってる人に向けてるようですね。たとえば、

「長い間身近な映像制作手段として親しまれてきた」「簡便ですが、独特の画質と相まって」

このように、過去について言及されておられるからです。でも、書き手さんにとっては、どの期間身近で、誰にとってどれぐらい簡便だったと認識されておられるのでしょうか、さらにモヤモヤが増えた気がしますねー。

「すでにカメラや映写機の製造は無く」

国内メーカーによる8ミリカメラと8ミリ映写機の新商品リリースは1982年が最後でした。そして、1984年には旧型も含めてそれらの機材出庫もすべて終了したと当時、新聞でも出てました。(※スプライサーとかは除く)
つまり、およそ30年以上からカメラとか映写機の新品はほとんどないので(※例外あり)、製造が無いことを取り上げて8ミリの危機的状況を語るのはちょっと今更な気も致します。むしろここは、昨今の8ミリ事情をご存じない方に向けて書いてるようにも見えます。うーむモヤモヤ…。

あくまで私見ですが、機材の新陳代謝がないのにフィルム供給を30年以上も続けてるメーカーが存在して、新品カメラも映写機もないのに30年間以上も撮影と制作が続けられているこの状況は、かなり希有だと思うのであります。この「続いてること」にスポットライト当てて語ってみてもいいのかなと思ってます。

「昨年には国産のシングル-8のフィルム販売や現像サービスが終了しました」「致命的であったと言えます」

シングル-8の終焉が一番大きなきっかけで、8ミリ映画制作継続に致命的であったと設定されておられるのですね。

ただ、少し補足しますと、シングル-8のフィルム販売と現像サービスは同じ年に終わったのでは無いです。シングル-8フィルムの出荷はその前年2012年3月が最後のメーカー出荷で、同年2012年いっぱいでほぼ店頭から姿を消してました。そして記事にある「昨年」にあたる2013年の9月30日が富士フイルムの調布の現像所の最終現像受付で、そこが富士フイルムによるサービスの最後のタイミングでした。http://fujifilm.jp/information/articlead_0011.html

また、この2012年から2013年にかけては、スーパー8を含んだ映画用フィルム状況もにわかに悪化していった瞬間でした。
たとえば、2012年12月12日に、コダックは映画用フィルムのエクタクローム100Dの製造終了を発表してます。
http://wwwjp.kodak.com/JP/plugins/acrobat/ja/corp/news/2012/201212.pdf

これらを踏まえて、東京都内のカメラ量販店からは2013年1月には店頭在庫が消えていました。

8ミリフィルムの今後について/エクタクローム100D生産終了

このタイミングから、コダック純正で提供されている小型映画用フィルムは、モノクロリバーサルフィルムのTRI-Xと、カラーネガフィルムであるVISION3の50D/200T/500Tの3種になりました。これらはヨドバシカメラやビックカメラなどの大手カメラ量販店の店頭にもありますし、同社の通販でも買えます。

2016年現在もカラーリバーサルフィルムを使った小型映画用生フィルム商品は存在します。ですが、8ミリ/16ミリ機材の専門店が写真用フィルムを加工した物ですからどこのカメラ店でも売ってるというものではありません。

いずれにせよ、カラーリバーサルフィルムでの小型映画制作は、2012年から2013年にかけて、富士とコダックの両社の決定により、手段が狭められて現在まで根本的な解消がされてないのであります。

そしてそんな状況を踏まえて、ユーザー側が変化していったと書かれています。

「自分で現像したり、あるいは、直接フィルム面に描いたり、さらには、新規に装置を開発したりと、多様な展開が見られます。8ミリフィルムの全盛期には見られなかった、新たな局面が出現していると言って良いでしょう。」

ワタシの身の回りでも自家現像に挑戦する方は増えました。これは現像サービスの窓口が減ったことと、料金の高騰が直接の理由かなと感じています。身の回りに挑戦する人が増えたので、心理的なハードルが低くなって、ワタシもチャレンジしました。
直接フィルム面に描いたり…これは大昔から親しまれている表現方法です。シネカリとか手描きアニメを試みる人は、フィルム供給事情が悪化したからなのですかね…?表現方法として面白そうだからではないのかしら…?
新規に装置を開発したり…これは下記の出品一覧にあるレフシー8試作版の事を指してるのかしら。
レフシーは紙製フィルムのおもちゃ映写機のひとつですが、8ミリサイズ版を試作されたのかしら?(参考:学研『大人の科学』の紙製フィルム映写機)
http://otonanokagaku.net/magazine/vol15/

いずれにせよ、現像を自分でやる!撮影も現像もしない!さらには8ミリフィルムそのものも使わない!という試みが作家側から成されてるのですね。8ミリから8ミリ的な表現方法を模索する人がいる、とイベント主催者は主張されているのだと思います。

「8ミリフィルムの可能性は汲み尽くされてるわけでもなく、むしろ今後のさらなる活動が必要と思われ」

最初にも述べておりますが、第1回の作品は拝見しておりません。ですが、このチラシの文面ならびに第2回の作品群から想像するに、8ミリが持つ機構やそのものの身体性に依拠した力作が揃っているのでありましょう。

ここまで読んできて分かるのは、第1回のサヴァイヴァル8は「8ミリフィルムの利用者の思いを、作家の作品や制作手段のあり方を通じて、具体的に語らせる」という主旨の元に開かれたイベントだったのだろうと言うことです。

しかし、主催者の方が考える「8ミリの危機的状況」がどうも曖昧なのが気になります。
この「サヴァイヴァル8」の主催者の方は作家サイドに立脚されているのでしょう。活きて活動してる姿を見せる、そのサヴァイヴァルの生き様を見せれば分かるでしょう、というアプローチなのでしょう。
しかし、どういう状況からどう「サヴァイヴァル」していきたいのか?というのが見えてきません。もろもろを取り巻く客観的事実と利用者の個々の事情と希望と照らし合わせると、シーン全体が一貫してとらえられるように思います。

そして「どう」サヴァイヴァルしていきたいかというところもモヤモヤしたままです。本当にこの表現手段は、利用者個々人にとって求められている物なんだろうか?さらには本当にサヴァイヴァルしていこうと考えてるのか?

そこは、上映会に行っていない人間には分かりません。どこかにレポートがまとまっているわけでも無く、チラシから読み取るしか手段がなかったのであります。

そして、作品はそれぞれ楽しそうなのでありますよ↓

プログラム第一部(43分/8作品・全て2013年制作)

2013年11月、福岡にて開催された「GoodBy LAB」に出品された8ミリフィルム作品
川口肇(東久留米市)<<CRAYON>>
黒岩俊哉(福岡市)<<Ma-no-Me>>
堀内孝寿(福岡市)<<KINKAI>>
中原千代子(福岡市)<<Sans Suite>>
香月泰臣(福岡市)<<夜を狩る>>
山本宰相(福岡市)<<RE-MIX>>
宮田靖子(大阪市)<<ひかりぬけて>>
森下明彦(神戸市)<<レフシー8・試作版>>+パフォーマンス

プログラム第二部(65分/15作品2014年制作)

黄木可也子(山形市)<<ぼろ>>
黄木優寿(山形市)<<くもわたるふねひとつ>>
大橋勝(藤井寺市)<<随に>>
岡田彩希子(藤井寺市)<<不眠>>
荻原貴之(神戸市)<<つながる>>
香月泰臣(福岡市)<<瞬きのその前に>>
川口肇(東久留米市)<<wired-glass>>
小池照男(神戸市)<<生態系・22・輪廻>>+パフォーマンス
中原千代子(福岡市)<<Sans SuiteⅡ>>
能登勝(岡山市)<<1979-2001>>(2011年)
平田政孝(京都市)<<午睡のあとで>>
堀内孝寿(福岡市)<<LOST>>
宮田靖子(大阪市)<<海月>>
宮本博史(大阪市)<<わたしたちの過去に関する事柄>>+パフォーマンス
山本宰(福岡市)<<2014・11・15関西上映のための作品>>

そして、第1回サヴァイヴァル8の作品は2015年に福岡で上映されていたそうです。

 2015年12月12日には、関連展示「個人映画の制作現場」展というのを併設していたのですね。

そして、メッセージは2014年と一緒でありますね↓

今年2016年の第2回サヴァイヴァル8でのイメージフォーラムの入り口同様に、8ミリ映画機材の展示を行ったと言うことでありましょう。個人映画制作の現場と過程を伝えるのでありますと。

さて、一体個人映画制作の現場はどうなってるのでしょうか?

さらに!次に続きます。

8ミリを生き抜く!シリーズその1:第2回「サヴァイヴァル8」にお邪魔

「8ミリで生き抜く!」と宣言するイベント「サヴァイヴァル8」があるのを第2回ではじめて知りましたです。

メタ・フィルム・マーヴェラス/MFM(Meta Film Marvelous)とフィルム・メーカーズ・フィールド/FMF(Film Makers Field)という2団体共催で各地で2年も前から上映を繰り広げてるというのに…不勉強で恥ずかしいです。

ところで、「8ミリで生き抜く!」ってどういうことかしら?
世紀末で拳法を使う戦士が覇権を競うような感じ?
それとも8ミリのゾンビがうようよしてる世の中を猟銃とかボーガンとか抱えて戦う感じなのかしら?まずはチラシから読み取ってみると…

第2回サヴァイヴァル8のチラシに主催者側からのメッセージがありますね。まるっと転載すると…

誰が宣告したわけでもないのですが、8ミリフィルムは終わったと一般には思われているようです。一昨年(2014年)、福岡のフィルム・メーカーズ・フィールド主催の上映会「GoodBy LAB」に接続し、発展させようと、「サヴァイヴァル 8」を開催しました。この時、15名の作家の出品をみました。今回、第2回の「サヴァイヴァル 8」開催に際して、主催者からの呼びかけを前回より広範囲に行い、ヴェテランから若手まで合わせて22名の作家の参加となりました。絶望的な逆境にもかかわらず、8ミリフィルムによる制作活動は存続しています。そこには何か本質的なものが潜んでいるように思います。作品制作とは機材や材料に依拠したものではないと言う認識もそうでしょう。それも含め、「8ミリで生き抜く!」という覚悟は、表現一般とは何かを改めて確認することにつながっていくと信じています。

8ミリフィルムは終わってないですね。終わったと明確に語ったのは開発メーカーの富士フイルムによるシングル-8ビジネスと、ポラビジョンとかです。そのくだり以降は…うーん、難しいよくわかんないバカでお恥ずかしいです。
でも、「8ミリ制作活動が続いていること」に「何か本質的なものが潜んでいる」らしいので、とにかく会場で探してみましょう。

開催期は12月16-17日、場所は東京・渋谷のシアターイメージフォーラム。11/11-13に京都Lumen Gallaryで行われた第2回サヴァイヴァル8の東京公演という位置づけのようですね。ワタシは12月17日の午後の第2部から参加しました。

会場の前には、8ミリ映画制作機材が展示されてます。撮る!編集する!上映する!の3ステップのご紹介。

フィルムは…シングル-8フィルムはフジクロームR25アフターレコーディングと、フジクロームRT200サウンド、フジクロームR25NとRT200N。スーパー8フィルムはエクタクロームVNFと、Plux-X、ダブル8のコダクロームⅡの7種類…

えー?なんか不思議。なぜ現行のフィルム商品がないのかな?
この7種類は全部、廃盤商品です。「8ミリフィルムは一般に終わったと思われてる」そのもののフィルムです。

なんで、現在も継続して製造されてカメラ店で販売されてるコダックのトライ-X、VISION3の50D/200T/500Tの4種類の製品や、レトロ通販やWittenerなどの専門店限定のサードパーティ製フィルムを並べなかったんだろう?

もしかして”サヴァイヴァル8”が考える「8ミリで生き抜く!」ことは、ゾンビ映画が描く世紀末のように、文明の遺物をほじくり返し漁ってなんとか生き延びていくことなのかしらん?そういうメッセージなのかな?「生き抜く!」は。

ますます分からなくなってきましたので作品を見ましょう。制作活動に本質があるというのですから。

「8ミリ生フィルムのすべて」奥山順市/14分/スーパー8・シングル8・ポラヴィジョン・ダブル8・ダブルランスーパー8/18・24FPS/サウンド(マグネ・光学)

「assemblage」中原千代子/2分/シングル8/18FPS/サウンド(CD)

「等価慣性介助ス」大橋勝/4分/シングル8/18FPS/サウンド(CD)

「刻【トキ】」小池照男/8分/シングル8/24FPS/サイレント

「ヴィンテージ・ミル」加藤到/6分/シングル8/18FPS/サウンド(マグネ1トラック)

「marginale」宮田靖子/3分/シングル8/18FPS/サウンド(マグネ1トラック)

「川赤児」德永彩加/3分/シングル8/18FPS/サウンド(CD)

「サヴァイヴァル5+3」芹沢洋一郎/7分/シングル8/18FPS/サウンド(CD)

「遭難」堀内孝寿/5分/シングル8/18FPS/サイレント

「ラングーン発」かわなかのぶひろ/8分/シングル8+スーパー8/18FPS/サウンド(CD)

「藍にゆく粒の声」黄木可也子/10分/シングル8/18FPS/サウンド(CD)

ここまでで約1時間みっちりですが楽しいです!8ミリの素材感を慈しんでる作品が目立ちます。そして、ベテランの何名かは「サヴァイヴァル」のネタ振りに沿った題材と表現を盛り込んでおられましたですね。
サウンド(CD)は、サウンドトラックからではなくてCD音源を併行して再生して簡易的なトーキー表現をするということでしょう。厳密なシンクロが求められるような作品はなかったようです。

力作にいささか疲労を覚えたところで中入りで作家のトークでありますね。左がMFMの代表の森下さんという方だそうです。右のブルーの石川亮さんは映写技師もつとめてます。映写機の頻繁な取り替えや回転数の調整だの、トリッキーな作品が多い作業でさぞかし疲れたことでありましょう。

トークの後1時間して第一部の上映ですから一旦バラしです。

第1部は、11作品で上映時間62分。

「再定義、反定義。」平田正孝/10分/スーパー8/18FPS/サウンド(CD)

「あし」早見紗也佳/3分/スーパー8/18FPS/サイレント

「Kodachrome 40 sound movie film」太田曜/6分/スーパー8/24FPS/サウンド(マグネ1トラック)

「香港」三谷悠華/7分/スーパー8/18FPS/サイレント

「春光呪詛」石川亮/5分/スーパー8/18FPS/サウンド(CD)

「かつぎめのいろこ」黄木優寿/3分/スーパー8/18FPS/サイレント

「三秒映画」山本宰/3分/シングル8/18・24FPS/サウンド(CD)

「цвет фильм【color film】」末岡一郎/6分/シングル8/18FPS/サウンド

「親しい鏡」岡田彩希子/3分/シングル8/18FPS/サイレント

「月末」森下明彦/9分/シングル8/18FPS/サウンド(CD・マグネ1トラック)

「clock-wise」川口肇/6分/シングル8/24FPS/サウンド(CD)

第一部と第二部にそれぞれ、客いじりをするタイプの作品が振り分けてあるのですね「三秒映画」が第一部ではソレ。…いやあ痛快。第二部では「8ミリ生フィルムのすべて」がソレ。…いやあ悪戯が過ぎますわよセンセ。

単なる趣味なんですけど、モノクロのざらざらした曖昧な映像を見て脳みそとシンクロをする瞬間があるとすごく得した気分になるのですが、今回も1本あって良かった。(たぶん「あし」だと思います)

「月末」も面白かったっすね。中古カメラに入ってたサウンドフィルムを現像せずに映写するという試みは、どんな風景が展開されてるのか想像する楽しみがありまっす。音から画を想像する…単なる宅録テープだとここまで脳みそ働かせませんしー。

第二部のように「サヴァイヴァル」のテーマを、正面から語りあげる作品はなかったですね。

やはり作品はとても面白かったっす。
でも、やっぱり、何が「サヴァイヴァル」なのかよくわかんない…

そもそも、サヴァイヴァル8は2014年からスタートしてます。その最初の段階の定義ってなんだったんだろう?

本記事、続きます。
→第1回サヴァイヴァル8について

 

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